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目覚めよ、本能。野生の感覚と思考を呼び覚ます展覧会

  • 2018.1.15

野生展で新しい発見と想像を生み出そう

企画展「野生展:飼いならされない感覚と思考」が21_21 DESIGN SIGHTで開催中です。展覧会ディレクターを務めたのは、思想家で人類学者の中沢新一氏。各地のフィールドワークを通じて、時代や領域を横断し、学問の垣根を超えた研究を重ねた中沢氏の知見が生きた「野生」の魅力が光ります。

中沢氏は、野生展の魅力とテーマについて以下のようにコメントしています。

「人間みんなが同じ世界に生き、同じような体験をして、夜見る夢も同じようになっていく現代に、まだ管理され尽くしていない、まだ飼いならされていない心の領域が、どこかに生き残っている。私たちはそれを「野生の領域」と呼ぶことにした。この『野生の領域』に触れることができなければ、どんな分野でも新しい発見や創造は不可能だ。

どうやったら、私たちは心の中の『野生の領域』に触れることができるか、どうしたらそこへの通路を開くことができるか。生活と仕事の中でこの『野生の領域』への通路を開く鍵を発見することが、『野生展』のテーマである」

ほかにも多数の作家を迎え、現代気鋭の表現者が持つ「野生」に着目し、様々な作品や資料から「野生の発見方法」を紐解いていきます。

野生の力を活かして飛躍した人物

動物が生き残るためにはもちろん、人間でさえも生活と心の基盤には「野生」の能力が必要です。野生は本能であり、知性でもあります。野生の能力を開花させれば、創造力をふくらませることができるでしょう。

明治時代の大博物学者、南方熊楠もそのひとり。革命的な発見や発明を「やりあて」を呼んだ南方熊楠は、粘菌学の領域をはじめ神話学や民俗学にも偉大な功績を残しました。こうした飛躍的思考により成果を残した人物は珍しくありません。

現代は理性や合理性が重んじられる傾向がありますが、ぶつかっている課題を打破するためには野生の感覚と思考が必要かもしれません。新しい年に飛躍するためにも、展覧会を通じて現代における野生を見つめ直し、自身の内に潜む野生を発見してはいかがでしょうか。

文/萩原かおり

イベント情報

・イベント名:野生展:飼いならされない感覚と思考
・催行期間:2017年10月20日 〜 2018年02月04日
・住所:東京都港区赤坂9-7-6 21_21 DESIGN SIGHT
・電話番号:03-3475-2121

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