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「好き」ってどういう気持ちですか?

  • 2018.1.15

「クラスで席が隣の男の子のことばかり考えてしまいます。彼には彼女はいないようで……好きな子がいるかはわかりませんが、たまに喋りかけてくれます。この彼にドキドキしたり、一緒にいたいなという気持ちはあります。でもこれが恋なのかなんなのかよくわかりません。どんな状態が恋してるってことなんでしょうか?」

今回はこのご相談にお答えしたいと思います。

■じつは答えは出ており・・・

相談の文章をぼくのほうで短く要約したのですが、カットした部分に、彼女なりに「好きという気持ちとはどういう気持ちのことなのか」について、ちゃんと書いてありました。なかなか立派な考えの持ち主であるようです。
<その人のことを好きだなぁと思ったら?

ずっと彼のことばかり考えてしまっていたら?

彼との妄想を広げちゃったりしてたら?

この人だけは手放したくない、誰にも渡したくないと思ったら?

この人とずっと一緒にいたいと思ったら?>
うん、そうですよね、こういう気持ちすべてを「好き」とか「恋してる気持ち」と、ふつうは呼びますよね。

■『気づかず過ぎた初恋』

問題は、このような気持ちをじぶんで持て余してしまうところにあるように思います。相談の文章に「クラスで」とあるので、おそらく中学生か高校生だろうと思うのですが、それくらいの年齢だと、どうしても好きという気持ちをじぶんで持て余してしまって、どうにもならないことがあったりしますよね。
ユーミンの曲に『気づかず過ぎた初恋』というのがあります。歌の歌詞や文芸書(小説など)は、実用書などとちがって、かなり著作権が厳格に管理されているので、ここに歌詞をそのまま載せるわけにはいかないので、要約します。
「ある日誰かのことを好きになりました。好きになったらなぜか、風が吹くだけで心が震えるようになりました。涙も頬を伝います。で、すごく時が経ったあとに、あの気持ちが初恋だったんだと知りました」という歌です。これが1番。2番は「あのときの震える気持ちは、あなたがわたしにもたらした長い長い物語の、ほんのはじまりにすぎなかったと知った。なぜなら雨にきらめく新緑にハッとさせられるのも、ふと浮かぶポエムのようなものも、この広い世界にあなたがいると気づいたからこそ、この心がわたしに見せてくれるものだからだ」というような歌詞です。(参考:『宇宙図書館』松任谷由実(2016))

■正しく歳を重ねるということ

おそらく多くの人は、初恋をものにすることができていないのではないかと思います。中高生の頃に好きな人ができても、その人とどうやって口をきくといいのかわからないとか、口をきくことはできても告白のしかたがわからないとか、震えるわが心に、じぶんで妙に怖気づいてしまったりとか、その他さまざまなことが原因となって、初恋をものにできない。あるいはあれが初恋だったんだと、あとになって知る(手遅れ感を抱く)。
だから話を聞いていたらまれに「うちらは中学のころからつきあっていて、今年25歳で結婚します」なんて人がいますが、そういう人に、ある種のうらやましさを覚えるのです。中高生の頃に触ることができなかった、大好きな彼女のおっぱい(女子から見たら「大好きな彼の体のあれこれ」)なんて、ふつうは一生触ることができないわけですよ(覆水盆に返らず)。それを触ることができて、あろうことか結婚するなんて! みたいな。
話がそれました。好きという気持ちがどのようなものなのかは、あとから知ることであって、今は風が吹くとなぜか涙が出るというのでOKです。あるいは彼との妄想を広げちゃったりしているだけでOKです。それが正しく歳を重ねるということだと、ぼくは思います。(ひとみしょう/文筆家)

(愛カツ編集部)

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