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新成人の悩み1位は「恋愛のことではない」がしかし・・・

  • 2018.1.11

共通ポイント「Tカード」を運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)が、Tカードを利用している18~20歳の男女603名を対象にアンケートを実施した結果、新成人の悩みの1位は、「今後の未来」(52.2%)で、2位は「仕事・就職」「お金」が同率(51.2%)だったとのことです。

■自分を育て鍛えたいと、本当は考えている新成人?

「今後の未来のこと」に、おそらく恋愛のことも含まれるはずですが、恋愛のことのみならず、仕事のことやお金のことなども含む、漠然とした未来のこと、と解釈するのが一般的な考え方なのでしょうか。
あるいは2位に「仕事・就職」「お金」とあるので、仕事や就職のこと以外の、たとえば「自分がどうあるべきか」とか「どういうオトナになるべきなのか」ということに悩んでいると解釈するのが一般的なのかもしれません。
もしそうであるなら、今の若者もむかしの若者もみな、若いときはどう生きていくといいのかについて悩んでいる、ということで、これは非常に正しいことではないかと思います。
恋愛について若い人に話を聞かせていただいていると、しばしば「恋愛のことも知りたいけど、どう生きていくといいのかという、いわゆる自己啓発的なことも、わかりやすく書いてほしい」と言われます。
つまり、恋愛をする自分というものをどう育て、鍛えていくといいのか知りたい、と思っているということ。

■自分を含む「人」って、いかなる生き物なのだろう

こういうことはたとえば、むかしから、哲学という学問が考えていたそうです。
哲学は今ではちっとも流行っていません。形而上学と聞いただけでアレルギー反応を示す人のほうが圧倒的に多いはずですが、哲学って「よりよく生きるためには、なにをすればいいのか? どうすればいいのか?」という知恵の集積である、ともいえるそうです。
もっとも「理屈のための理屈」みたいな哲学だってあるそうですが、ソクラテスさんの時代から(つまり2000年以上前から)、哲学とは「よりよく生きるための知恵」を追求してきた学問だそうです。
心理学も同じだそうです。心理学って、いわゆる自分探しにもってこいの学問であるとも言えますが、そう思っている人はたいてい、心理学の基礎的なところでガッカリするそうです。
心理学って、科学的な側面が多分にあり、基礎はとくに「こういう実験をしたら、こういう結果が得られました」ということを教えるそうで、これを「自分には関係ない」と思う人も多いのだとか。
でもしかし、心理学は「自分を含む『人』って、いかなる生き物なのだろう」ということを追求している学問で、それなりに地味に長くやっていると、「いかに生きるべきか」という問いに対する答えにたどり着く人もいるのだとか。

■人気がないものにこそ、答えが隠されていると思うのですが・・・

ネット上の恋愛コラムにおいて人気なのは「男の人ってなにを考えているの?」というテーマです。つまり若い女子の読者が、恋愛対象である男子の気持ちを知りたいと思っています。
男という「人」を知ること。そして「知りたい」と思っている自分を知ること。
恋愛に関する悩みの解決法は、この2つのことを知るということで、それはつまり人を好きになるところに帰結する問題ではないかと個人的には考えていますが、困ったことに、この考え方がなかなか支持されません。
恋愛ハウツーとか、自己啓発ハウツーのようなわかりやすいものは、常に多くの人に支持されるし、書籍化されますが、「人とはいかなる生き物か」という、地味にしてわかりづらいテーマに関する記事は、旗色が悪いのが実情です。
哲学も心理学も、文学も音楽も絵画も、今の時代はあまり人気がないことになっています。がしかし、この人気のないものにこそ、恋愛や、恋愛をする人や、仕事や、仕事をする人に関する偉大な知恵が隠されているはずで(だからこそ時代や国を超えて生き延びているわけで)、漠然と未来を不安に思っている人は、これらのものに触れてみればいいのではないかと思います。
がしかし、こういう言い方も、このスピード感あふれる今の時代においてはさっぱり人気がなく、さてどうしたものか。(ひとみしょう/文筆家)
(愛カツ編集部)

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