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どう対処する?職場いじめへの対処法

  • 2018.1.10
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こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。

職場は働くための場所です。学校や習い事といった同じく大きな集団の中と違って、プライベートな感情から離れた感覚で過ごすべきであり、過ごしているはず。

でも、そんな職場でのイジメが増加し、社会問題にもなっているといいます。

いったいどんな職場イジメが起きていて、それにはどう対処すべきなのでしょうか? 実例を3つみながら考えてみましょう。

●1.上司の妬みイジメに対抗するため、仕事内容をオープンに

自他ともに認める仕事人間であるYさん(35才男性)は、職場の直属の上司からの長年のイジメ体験を苦笑いとともに話してくれました。

「俺が契約を取る、俺のプランが会議で通る。それが全部気に入らないんだよ」というYさん、20代の頃には、Yさんの活躍による成果のほとんどをその直属上司に横取られていたそうです。

「大企業じゃないし、この上司がダメだからって誰かに訴えるとか他の部署に移るとか簡単にはできない。それに、この仕事は好きだしさ、辞めたくない。だから、堂々と働いて堂々と我慢することにした」。

この「堂々と」というところがYさんなりのイジメ対処法。

まず、自分の仕事内容を同僚にも上司にもどんどん大っぴらに報告 してしまう。そのため、仕事半ばでアイデアを盗まれることはあっても、最後の最後で美味しいところを横取りされることはなくなった のだそうです。

すると、上司はイジメの方向を変え、自分の失敗をYさんに押し付けるようになったといいますが、もうさすがに周囲も気づき、Yさんをイジメる上司は徐々に孤立。

「とうとう一昨年、異動していったよ。で、その後釜が俺」。Yさんは10年かけて、上司のイジメを封じ込めた上で、その地位をも奪い取ったのです。

●2.対処できないイジメなら、転職も視野に

多国籍企業が経営するレストランでマネージャーとして働くUさん(32才女性)は、職場でのイジメにあって転職しました。

「統括マネージャーが、口ばっかりの仕事のできないタイプで、でもオーナーからの信頼だけは得ているわけ。で、レストランの人事権を握っているから、スタッフを全部自分のシンパで埋めて、私をいびり出そうとしたの」と鼻息も荒く語るUさんは、国内外のレストランで10年以上働いた経歴を持ち、そのレストランのオープンに合わせてオーナーの引き抜きスカウトで入社したそうです。

「まず、私の意見は全部『無理だね』で却下。客対応の仕方やシフトの組み方とか、私がスタッフに対して指導した内容も、後でスタッフから聞き出しては批判して、それに文句をつけてくる。私が『オーナーからこの店舗のマネージメントは任されている』って言い返したら、オーナーに泣きついたらしくて、今度はオーナーから『仲良くやってくれよ』って言われるし」。

1年半勤めたものの、スタッフは統括マネージャーの顔色ばかり気にして、レストランの雰囲気はギスギス、売り上げも伸びなかったため、「マネージメントを任せるという話と違う。統括マネを辞めさせるか私が辞めるか」とオーナーに突きつけ、他店への紹介状を手にして辞めた そうです。

「聞いたら、ほかの店でもマネージャーたちがすぐ辞めるって問題になっていたみたい。その後統括マネはレストラン以外の業務に移されて、オーナーからその後を引き継がないかって連絡きたけど、断ったわよ」というUさんは、「イジメへの一番の対処は、さっさと見切りをつけること」 と言い切りました。実力があり、受け入れてくれる職場があるなら、確かにそれが一番の近道かもしれませんね。

●3.イジメ返し?イジメが新たなイジメを生む事例

これは私が実際に目にし耳にした例です。

ある資格取得のために日本に一時帰国して現場研修を受けていた職場では、20代から30代前半の女性たちが大活躍していました。

彼女たちのパワフルさは、仕事への取組みへの熱心さだけでなく、新人研修の厳しさとしても発揮されていて、期間限定の研修生としてその場に参加していた私も、厳しい愛のムチをたくさん浴びました。

自分の娘でもおかしくないかも…という世代の社員や嘱託社員に、丁寧な言葉使いとはいえ、繰り返し厳しい指導を受けるとさすがに凹むこともありましたが、そこは「仕事」だと割り切るしかありません。でも、それができない人もいたのです。

地方公務員を定年退職しての再就職であるNさん(61才)は、活動的でおしゃべりが好きな男性で、自分の娘よりも若い世代から受ける研修を、はじめは楽しんでいるように見えました。

ただ、私とは違って社員雇用である以上、憶えることの量は桁違いです。連日新しい研修を受け、時には「昨日説明しましたよね」と言われる日々に、鬱屈した気持ちが溜まっていたのかもしれません。

「俺はもう帰る」。ある日の午後、Nさんはそう宣言してそのまま帰宅してしまいました。

翌日出社したNさんは、管理職との面会で「イジメを受けている」と真剣に訴えたそうです。私の目には「厳しい指導」と映っていた数々の研修を、Nさんは「イジメ」と受け止めたのです。

女性社員たちは「みんなと同じ研修内容」だと説明したものの、Nさんは職場復帰を断固拒否。管理職は、イジメの内容や有無を調査することなく、Nさんの異動で解決としました。

この事例、後日になって、女子社員たちが「評定がすごく下がった!」と悲鳴を上げたことで再び話題となりました。これ、Nさんの訴えをイジメとして捉えた管理職が女子社員の評定を下げたとの噂が流れたのです。

イジメたつもりのないイジメ事件の結果、厳しいイジメ返しを女子社員たちが受けることになった のです。

私の研修期間が終わる頃、管理職を頼れないと知った女子社員たちは、彼女たちの熱い意思で、研修マニュアルの見直しを行ってイジメに対処するのだと一層パワーをみなぎらせ ていました。

●4.まとめとして

職場イジメは、学校と違い数年単位では終わりません。誰かが異動するか辞めるまで延々と続いていく可能性もあります。そう考えると、どう対処するかが本当に大切ですね。

相手にイジメの材料を与えないこと。それでも、防げないイジメであれば、職場への見切りも必要かもしれません。

また、イジメに対する認識に個人差があること、イジメが新たなイジメを生む可能性も考慮して慎重に行動するなどが対処法といえそうです。

インタビューや自身の体験を振り返ると、職場で仕事以外のことに頭や心を使う場面が実は増えてきているのかもしれません。

●ライター/さとうあきこ
●モデル/杉村智子

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