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桂 由美:日本の婚礼衣装の価値観を変えた、歴史的デザイナー。【デザイナーの哲学】

  • 2018.1.6

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デザイナーの哲学に耳を傾け、新しいスタイリングのアイデアに触れて。あなたのドレスを「スタイル」で選んでみませんか?

花嫁に「ノー」を言わないこと。それは社訓でもあるのです。

日本の花嫁なら誰もがその名を知るブライダルファッションデザイナー、桂由美。日本の花嫁衣装の約97%が和装だったという時代に日本初のウエディングドレスを発売し、日本の婚礼衣装の価値観をガラリと変えた人物である。「その頃から今に至るまで、実に70万人もの方が私のドレスを纏い、結婚式を挙げてくださいました。中には親子2代で私のドレスを選んでくださる方もいらっしゃいます」
52年にもわたるデザイナー人生の中で一貫して変わらない信条は、花嫁に対して決して「ノー」と言わないこと。「それは社訓でもあるのです。というのも、もともと52年前に私がこの仕事を始めた頃、ドレスを自由に選べる場所は日本にここしかなかったのです。つまり、私たちが『ノー』と言ってしまえば花嫁さんの夢がそこで終わってしまうという状況でした。そこで、お客様が求めるものに対応しようと、ありとあらゆる選択肢をご用意するようになったのです。オーダードレス、プレタポルテのドレス……たとえ既製のドレスでも、ご希望があればできるだけお客様に合わせてアレンジをします。中には、予算は30万円ほどだけれども100万円くらいのドレスを着てみたいという方もいる。それならば、と考案したのがオートクチュールドレスのレンタルです。花嫁のためなら、とにかくなんでもやる。それが私たちの歴史であり、それがほかのデザイナーと違うところかもしれませんね」

花嫁のためなら、とにかくなんでもやる。それが私たちの歴史。

パンツスタイルやミニドレスといった、ますます多様化するウエディングスタイルについても先見の明を持っていた。「52年前、私の一番最初のコレクションのタイトルは『7つの個性をデザインする』というものでした。ワンパターンで、誰もが同じドレスではつまらない。個性に合わせてドレスを選び、あなたらしい結婚式をやりましょうよ、と52年間ずっと訴え続けてきたのです。ようやくここ10年ほどで、その個性というものが一気に解放されたように感じますね」
日本のブライダル界を牽引し続ける桂由美の功績はドレス作りだけにはとどまらない。花嫁のためにより素晴らしい結婚式を、と1969年に「全日本ブライダル協会」を発足。90年代からはより個性を打ち出したウエディングを叶えるべくウエディングプランナーの養成にも尽力している。
ブライダルファッション史に名を残す歴史的な人物と同じ時代に生き、そしてその人物の作るドレスに袖を通せること。それは花嫁にとって何よりの贅沢だ。桂由美は今も、東京・乃木坂の桂由美ブライダルハウス本店のペントハウスを仕事場にしている。ぜひその「聖地」で彼女の真髄に触れてみてほしい。instagram:@yumikatsurajapan

ウエディングドレス、メンズファッション、フェア、関連グッズなどブランドにまつわるさまざまな情報を発信。ほかにNYオフィスのアカウント、パリのオートクチュールコレクションにまつわるアカウントも。

参照元:VOGUE JAPAN

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