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ママ泣かせの「男の子あるある」。でもママの意識こそ変えるべきだった!?【「一生メシが食える男の子」の育て方 Vol.3】

  • 2017.12.6
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男の子は、「ママとはまったく違う生き物」。男の子の特徴を知ることで、「何で!?」「どうして?」というママたちの気持ちを、「これは男の子の特徴なんだ」と納得モードに切り替えることができます。

ママから見ると、ため息をつきたくなる行動ばかりだけれど、そんな男の子の特徴を知って、接し方を少し工夫するだけで、ママは随分と楽になることでしょう。お話を伺ったのは、花まる学習会代表の高濱正伸さんです。

■行動が遅い男の子は「個性」で認めない

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男の子の「行動が遅い」というパターンには、2種類の意味があります。それぞれ別問題なので、別個の話としていくつかの事例を使ってご紹介しましょう。

①「ひとつひとつの行動が遅い」場合
例)朝、洋服を着替えるのに時間がかかるという男の子
【ママの接し方のコツ】
「個性」だと認めず、根気よく声かけを「ひとつひとつの行動スピードは、ある程度までは上げないといけません。美意識からではなくて、『現代の厳しさ』という意味からです」(高濱さん)。

高濱さんは言います。「近年の教育で間違っていたことのひとつは、なんでも『個性』で認めすぎてしまったところです」。

たとえば、「ごはんを食べるのが遅い子もいます」と多少認めることは問題ありませんが、それも程度問題。あんまり遅いと、その子が社会に出たときに苦労します。

現代の日本社会で働いていくためには、「トロい人は正直困る」というのが、みんなの共通感覚でしょう。基本的に、子どもに対しては「テキパキできるのがカッコいいよね」というスタンスで、根気強く声掛けをしてあげることが大切です。
②動作への「取りかかりが遅い」場合
例)朝起きて、洋服に着替えるのになかなか取りかからない男の子
【ママの接し方のコツ】
言葉だけでなく、体をさわりながら指示を「早く、洋服着替えてね」と言っているのに、「は~い」と返事をするもののパジャマのままブロック遊びをしている…。これが「取りかかりが遅い」ということです。

「やっていることがおもしろいとやめられないのが、男の子の特徴です。男の子には、何歳になってもそういう側面があります」(高濱さん)。高濱さんの経験では、口だけの指示でなく、肩でも頭でもさわりながら指示すると、声かけが体に入っていきやすいようです。
■「字をきちんと書く病」の男の子は伸び悩む!?

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「平均して、男の子のほうが字は汚くなりがちです」(高濱さん)。でも、低学年時代にママが「この子、字が汚いんです」と言うときは、「常にいつもきれいに書いてほしい」というママの想いが強すぎる、という事例がほとんどだそう。

学校に入ってしまうと、学校の様子をママが垣間見るのは、連絡帳やノートからだけ。だからとくに低学年時代は、子どもにガミガミ言ってしまいがちなのだとか。
【ママの接し方のコツ】
ママの意識こそ変えるべき「男の子に対しては、字は書くべきときに書ければよいと割り切ってください」(高濱さん)。

たとえば、年賀状や硬筆の時間などの、ちゃんと書くべきときにきれいに書くことができていれば充分。かえって高濱さんが「きちんと病」と呼んでいる状態に陥ってしまう方が怖いそうです。

「きちんと病」とは、ノートをきれいに書くことばかりに神経を使ってしまい伸び悩みに繋がること。これは、「最初の子」かつ「男の子」の場合に多くあるそう。

もちろん、汚い字が良いということではないですが、「字がきれいでもまったく頭に入っていないのでは本末転倒。「必要なときにきれいな字を書ける、頭の回転が速い子」に育てたいもの。「ここは、お母さんの意識こそを変えるべき項目です」(高濱さん)。

■男の子が「汚いこと」に悲鳴をあげるママへ

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「信じられない!」。ママの悲鳴が聞こえるほど、男の子は「ママが汚いと思うこと」をまったく気にしません。上着に泥がついていても平気。膝が破けたズボンを次の日も学校にはいていこうとする。これは、「男の子ある、ある」なのでは?!
【ママの接し方のコツ】
思春期までは目くじらを立てずに見守る男の子は、「危ないから!」と思うようなことも平気でやります。男の子にとっては、怪我は挑戦の勲章なのです。

『風邪をひくから、汗をかいたら着替えなさい』の感覚もわからないのです。「俺、風邪なんてひかないし」と思っています。一説には、男の子は女の子より皮膚感覚が鈍感ということもあるようです。

思春期に入って、「「身だしなみ」という言葉がわかるようになるまでは、あまり目くじら立てずに、大らかでいてください」(高濱さん)。
ここまで書いてきて、「男の子を育てるには、やっぱり度量が求められるのねぇ」と、筆者はため息のひとつもつきたくなりました(涙)。でも、次はステキな話ですよ!

■男の子は「お母さんのことが世界で一番好き」

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男の子は、ママたちが自分で意識している以上に、「母への忠誠心」を持っています。「お母さんが喜ぶならなんでもしたい」と思っているのです。つまり、お母さんは、男の子にとっての「女神」なのです。

「女神を崇拝している、その中心には『ご飯』があります」(高濱さん)。

昔から言われていることですが、男の子(男)は「胃袋をつかむ」ことが大切なのです。また、いつでも自分の身の回りのことを心配してくれている人という意味でも、ママは男の子にとって一番大切な存在。どんなときでも「おなか空いてないかな? 寒くないかな?」と、息子のことをイメージできるママは男の子にとって、唯一無二の味方なのです。

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この記事を書いている筆者の実感として、男の子と女の子、両方の性別の子どもがいるママ友たちは口をそろえて、「男の子の方が、かわいい!」と、言います。

子どもが全員男の子の私は、「男子の子育て、これだけ大変なのに?」と、そんなママたちの意見が長らく謎でした。けれども、「お母さんは、男の子にとっての『女神』なのです」という一言で、謎が少し解明された気分になりました。

男の子を育てることは、かなり大変! でも、男の子の「ママへの想いは世界一!」そう思えたら、「がんばろう!」という気持ちになれそうです。

次回は、「ママの『いま困った』が、将来“自立できる男の子”の芽となる?」です。小学校3年生までに身につけたい生活習慣(男の子編)を教わります。

【男の子を育てる上でママの意識改革が必要なこと】
●行動が遅い
「ひとつひとつの行動が遅い」場合と動作への「取りかかりが遅い」場合では対応方法が異なる。
●字が汚い
ノートをきれいに書くことばかりに神経を使う子は伸び悩みに繋がる。必要なときにきれいな字を書けるればいいと、ママの意識こそ変えるべき。
●汚いことを気にしない
ケガもなく無事なら、ママは目くじらを立てない
●お母さんのことが世界で一番好き
男の子は、「お母さんが喜ぶならなんでもしたい」と思っている。ママは男の子にとっての「女神」だった。
■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書

『お母さんのための『男の子』の育て方』
(高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)
●こちらもあわせてどうぞ!
『お母さんのための『女の子』の育て方』
(高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)
高濱正伸さん
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。
花まる学習会公式サイト:http://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/
<Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された
思考センス育成教材アプリ
「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)

「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。
Think!Think!とは:https://think2app.hanamarulab.com/

(楢戸ひかる)

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