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SNSで繋がっていても孤独…。本当の幸せを掴むために今、やるべきこと

  • 2017.12.2
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スマホの普及により、いつでもどこでも人とつながれるようになりました。手のひらサイズに収まる新たなテクノロジーは、ちょっとした寂しさを埋めてくれる手軽さはありますが、一方でなんだか心が忙しくなったような気がします。今回、米国の心理学者の講演を参考に、ひとりで過ごす時間について考えていきたいと思います。

つながっているようで実は孤独な現代社会

通勤電車に乗り、ふと周囲を見渡すとスマホの画面を見つめる人々。ゲームをしたり、SNSを見たりと、まるで別空間にいるようです。ちょっとした心の隙間も画面を見ていれば、“誰かとつながっている”安心感に包まれます。ただ実際には、自分の中にある孤独と向き合うのを避けているようにも思います。
『インスタ映え』や『リア充』をよしとする最近の傾向の中で、“孤独”という言葉はあまりいいイメージがしないかもしれません。でも自分と向き合うことを避ければ、自分の内面を知るのはもちろん、他人を理解するのも避けてしまいかねず、その結果、本当の意味で心が満たされることはないのではないでしょうか。

ちなみに米国の心理学者シェリー・タークル氏が『TED』(学術・エンターテインメント・デザインなど幅広い分野の専門家による講演会)で行った講演は、まさにそのことに言及したもので『つながっていても孤独?』というタイトルで話をしています。

一緒にいても、一緒にいない状態に慣れ切った人たち

1996年、心理学者のシェリー・タークル氏は、ネット上での生活を賛美する本を出したことがありました。ですが、2012年に『TED』で行った講演では、テクノロジーのせいで人間が本当に向かいたい方向に進んでいないんじゃないか、と話しています。では、TEDでの講演から一部、抜粋して紹介しましょう。

『企業の取締役会の会議中、みんなメッセージやメールを送ります。授業中、プレゼンテーション中 、そしてあらゆる会議の間、メッセージを送り、買い物をし、Facebookを見る。(中略)私は考えました。我々は悲しみや悔やみから自分自身を遠ざけて携帯に向かうのだと 。それはお互いの人間関係の問題ばかりでなく、自分自身と向き合う能力が乏しいということに繋がるのではないでしょうか。
テクノロジーの進化で一緒にいても、ひとりずつという新しいスタイルに慣れ始めています。(中略)誰かと一緒にいたい。でも同時にどこか他の場所ともつながっていたいのです。人間は生活を操りたがる。どんな場所にいてもいろんなコミュニティーに自由自在に出たり、入ったりしたがります。私たちにとって一番重要なのは、どこに意識を向けるかを自分で決めることだからです。つまり役員会には出たいけど、本当は興味がある部分にだけ、注意を払いたいと思っているのです』(参照:シェリー・タークル 「つながっていても孤独?」より)

多くの人は、生活を自分の思い通りに操ろうとします。でも興味のあることだけに関わったり、思い通りに物事が進むということは少ないはず。いま、私たちに本当に必要な“自分と向き合うこと”や“悲しみ、悔やみと向き合うこと”をネットという便利なツールを使って、ついつい避けてしまっているのかもしれません。

『AI』が進化していくと、人とはもう関わらない!?

AIが進化して、AIを搭載したamazon『Echo』やGoogle『Home』などが登場しています。欧米ではすっかり生活の一部として溶け込んでいるように、Echoに向かって、家中の家電操作や音楽を流すといった、いろんな動作が当たり前のようにできるようになっています。そのうち、iPhoneのSiriのようにちょっとした会話なら、機械が肩代わりして、孤独を埋めてくれるのかもしれません。でもそれはあくまで錯覚ではないかと思います。
いくら機械に話しかけても、自分と向き合う時間を持ち、自分に問いかけなければ、結局はすべては空しいということにいつか気づくのでないでしょうか。

最近、内省することの大切さが問われることが増え、雑誌やテレビなどでは「マインドフルネス」なんて言葉も耳にするようになりました。それも、こういったネットの普及による、自分と向き合う時間が減ったことによる反動なのかもしれません。
私たちは、本当の意味で心を満たすために、ひとりの時間を持つことが大切なのだと思います。

では後編では、実際に自分と向き合うひとり時間とはどう過ごせばいいのかについて、ご紹介したいと思います。お楽しみに。
writer / 松葉紀子(スパイラルワークス)

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