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「相手が悪い」で済ませては、恋は何も前に進まない

  • 2017.11.30
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恋をしていると、男子から傷つくようなことをされて、すかさず「この人、最悪」と思ってしまうときがあります。
でも、これからは、そこで思考停止してしまうんじゃなくて、もう一歩先まで考えて、自分が幸せになるための思考をしてほしいと思うんです。
そこで今回は、「相手の行動の真意を探ること」について少し考えてみたいと思います。

■彼は本当に「悪い」のか?

私の知人で、結婚間際の彼に浮気をされてしまった人がいます。「最悪の裏切り」と断定して、そこでそのままお別れを告げてしまっても、誰も彼女のことは非難しなかったでしょう。
でも、彼女はそうしませんでした。
彼女は「彼は悪者」とはせず、「結婚のストレスとか、私が最近忙しすぎて、彼を寂しくさせていたこととか、同情の余地が全くないではない」と考えて、「次はないからね」ということで、再スタートすることにしたのだそう。
もちろんこれは、すごくすごく悩み抜いて出した結論だとは思います。傷つかずにすんなり出てきた結論なわけありません。
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さて、日本の刑法では、「行為無価値説」という考え方がとられていて、要するに、「罪を憎んで人を憎まず」という考え方が基本となっています。
だから、「この人は悪人だから死刑」にするのではなくて、「この人のやったこと」は悪いことだから罪を科すことになります。
そして、どんな凶悪な犯罪者でも、「どこかに同情の余地はあるはず」と、「人を憎まず」の精神で、その人の生い立ちや境遇から、酌むべき事情を探してあげるんですね。
だって、人を殺すのは悪いことってのはたしかにそうだけど、介護が辛すぎて実親を殺して自分も死んでしまう人のことを(少なくとも私は)「悪い人」って思えないですし、そんな人のことを殺人鬼として死刑にするより、大切なことは、そんな悲しい殺人が起きないように、社会の制度を整えていこうよっていうふうに、みんなが思いますよね。
だから、介護殺は、執行猶予がつくことだってたくさんあるし、(あくまで私は)それが正しい裁き方だと思います。
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日本の裁判システムと比べることはおおげさかもしれませんが、こうしてみると、先の知人の行動も、なんとなく納得できる気がします。
彼女としても、「こんな悪い人、捨てちゃおう」ということも考えたと思います。
でも、彼の言い分(言い訳に聞こえたかもしれませんが)を聞いたり、自分で浮気の理由を考えたりして、許せないし、すごく辛いけど、でも、「こうやれば、次の失敗は防げるはず」という突破口が見えたのかもしれません。
例え、それが周りから「甘い」と言われるような選択でも、自分は、どうしても彼のことを悪人とは思えなくて、そして、人間みんな完璧じゃないなら、今回だけは、見過ごしてあげるというのもありかもしれないと。
そして、何より、彼女は彼のことが大好きだったんだと思います。好きだから、「悪い人」と切り捨てるよりも、一歩踏み込んで、建設的な解決策を見つけたかった。

■それなりに納得できる理由は必ずある

浮気に限らず、付き合っていると、傷つくようなことをされる場面はたくさんあります。1彼が冷たい、2きちんと連絡をしてくれない、3身体目的としか思えないデートにばかり誘ってくる、4エッチを断ったら冷たくされた、5目の前で女子とLINEする・・・・・・などなど、その数は無限です。
でも、表面的にはそう見えても、それぞれ、1恋愛下手でシャイになってしまう、2本当に忙しい、3未熟で、彼女の夜の魅力に逆らえない、4断り方が、すごく傷つくものだった、5彼女の気を引きたくてどうしたらいいかわからない、という情状酌量の余地が、いとも簡単に思い浮かびますよね。
行動には、必ず理由があります。その理由を考えれば、きっと、次同じ失敗が起きないようにするための解決策が見えてくるはず。もちろん、考えた上で、一緒の未来はないと思えば、それがきっと、正しい選択なのだと思います。
こうやって、「相手が悪い」で終わらせないことでこそふたりの関係は進んでいきますし、そうでないと、あなたは先の介護殺をした息子さんにすら、問答無用で死刑を下してしまうかもしれません。
これが裁判ならまだいいかもしれませんが、恋では、あなたは裁判官ではなく、彼の恋人なのです。彼を不幸にしてしまうことは、あなたの不幸につながります。あなたがそんな裁判ばかりをしていては、あなたから無罪を勝ち取れる男子なんて、それこそ妄想の中にしか存在し得ないかもしれません。
「男運が悪い」と嘆き続けるか、それとも、その男運を自らの手で変えるか、それはまさしくあなた次第です。
そして、例え「悪人」に見えても、他でもない自分自身が好きになったその相手を、あなたがまず信じてあげなくてどうするのでしょうか。「悪人を好きになっちゃった」と決めつけるのは、相手の行動の理由を十分に理解し尽くしてからでも遅くはないはずです。(遣水あかり/ライター)
(ハウコレ編集部)

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