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かわいいイギリス伝統菓子がたくさん!御茶ノ水の小さな専門店「レイジー デイジー ベーカリー」

  • 2017.11.26
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御茶ノ水にオープンした「Lazy Daisy Bakery(レイジー デイジー ベーカリー)」は、イギリスとイギリスのお菓子が大好きな店主・中山真由美さんが手掛けるイギリス菓子専門店。こじんまりとした店内には、スコーンやジンジャービスケット、ケーキなど、かわいいお菓子がいっぱい。イギリスに詳しい中山さんが教えてくれる数々の「お菓子の物語」もとても楽しいですよ。

イギリスの魅力が詰まった専門店

お茶ノ水駅から徒歩10分。東京医科歯科大学キャンパスを超えたところに、イギリス伝統菓子のお店「レイジー デイジー ベーカリー」があります。約10年にわたって、アンティーク雑貨のバイヤーをしていた店主・中山真由美さん。何十回とイギリスに足を運ぶうちに、イギリスのお菓子文化に魅せられ、昨年お店をオープンしました。

お店のキャラクターはハリネズミ。なぜハリネズミかというと、「イギリスではハリネズミは幸せを背中に運んでやってくる」(中山さん)から。「幸せをお店に運んできてほしいし、お店に足を運ぶ人もここから幸せを運んでいってもらいたい」との思いで名付けられたそうです。

店内には、珍しいイギリスの伝統菓子がずらり。常時、約10種類のケーキと、約4〜5種類の焼き菓子やビスケットを取り揃えるほか、珍しいイギリスティーや季節によってはジャムの取り扱いもしています。「イギリスのお菓子には物語がある」と中山さん。今回は、お店で特に人気の3種類のケーキについて、その歴史とともに、たっぷりとお話を伺いました。

1500年代から愛されているお祝いケーキ

昔から収穫や種まきの時に作られてきたお祝いケーキ「シードケーキ」(480円)。歴史は古く、誕生したのは、なんと1500年代とか。残念ながら、いまイギリスではほどんど見かけなくなりましたが、レイジー デイジー ベーカリーでは通年で味わえる定番のお菓子です。シードケーキの“シード”は、キャラウェイシードのこと。イギリスでは子どもの枕の下に置かれるなど、昔からお守りのアイテムとして使われているそうです。シンプルなケーキですが、一口味わうと、キャラウェイシードとレモンの香りがふわっと広がって、なんとも幸せな気分になりますよ。

ヴィクトリア女王が愛した“赤い”ケーキ

イギリスのアフタヌーンティーで登場することでも有名な「ヴィクトリアスポンジ」(450円)は、その名の通り、ヴィクトリア女王(在位1837−1901年)が愛したケーキ。夫のアルバート公が亡くなられた折、ヴィクトリア女王を元気づけようとお付きの方が作ったのが始まりです。レイジー デイジー ベーカリーでは、イチゴやラズベリーのジャムを挟むイギリスの伝統的なスタイルを踏襲しつつ、香りづけにさくらんぼリキュールをイン。赤いジャムのプチプチ食感と、生地のしっとり&ふわふわ食感は納得のおいしさです。

体に優しい「野菜のケーキ」はいかが?

砂糖が高級品であった中世イギリス。砂糖の代わりに糖度の高い野菜がケーキに使われるようになったのが「野菜ケーキ」のはじまりです。ケーキに使われる野菜は、キャロット、ビートルート(ビーツ)、コジェット(ズッキーニ)、パースニップ(サトウニンジン)など。その中でも特に有名なのが「キャロットケーキ」。その昔イギリスからアメリカへ渡った移民たちの手により伝えられ、二度の世界大戦を経た後、アメリカで大ブームに。のちに、逆輸入という形でイギリスでも再び陽の目を浴びることになったそうです。

このケーキの魅力は、野菜ならではの食感や軽さが楽しめるところ。レイジー デイジー ベーカリーの「キャロットケーキ」(540円)は、細かくカットしたにんじんとクルミとレーズンがたっぷり。さまざまな食感とケーキの程よい甘さ、香りが楽しいケーキです。

これからの季節は、「パーキン(ジンジャーブレッド)」(500円)や「レモンドリズルケーキ」(460円)もおすすめ。レモンは、瀬戸内の無農薬レモン。冬から初春にかけて、時間が経つにつれて熟し、それに伴ってケーキも甘くなっていくとか。「変わりゆく味わいを楽しんでみてください」と中山さん。お菓子のおいしさもさることながら、イギリスに造詣の深い中山さんのお話もとても魅力的。イギリスやイギリス菓子のとりこにしてくれる「レイジー デイジー ベーカリー」。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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