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歴史と工夫の詰まった一品。滋味あふれる精進そば

  • 2017.11.24
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浅草の路地裏にひっそりと佇む日本蕎麦の人気店

東京・浅草の「長浦蕎麦(ながうらそば)」は、行列ができるほど人気がある日本蕎麦のお店です。外観は、下町・浅草の風情にふさわしい、素朴な店構え。店名が入った清潔感の溢れる白いのれんと、木の板に名物が記された大きな看板が目印です。

内観は、歴史を感じさせる木製のインテリアと石の床で、お蕎麦屋さんらしく渋い雰囲気。店内は禁煙で、全部で16席あります。

昭和初期の創業以来、蕎麦の精進メニューを提供

お店の創業は、1927年。お客さんの割合は男性と女性がほぼ半々で、20代から60代以上の友人・知人や家族連れ、ひとりでの利用も多いようです。こぢんまりとした店内では、肩肘張らずに伝統的な寺方蕎麦を味わえます。

寺方蕎麦は、米・麦・粟・豆・黍の五穀を禁じられた戒律の厳しい僧侶が、貴重な栄養源として編み出した蕎麦のメニュー。古くは江戸時代に起源するようで、歴史のある料理が食べられる貴重なお店です。

一般的な蕎麦屋では味わえない「妙興寺蕎麦」

お店名物の「妙興寺蕎麦」。蕎麦の麺と細切り大根が混ぜ合わされて、相性抜群の黒胡麻と刻みのりがたっぷりとかけられています。

もともと法事でふるまわれていた精進料理で、時間が経っても麵どうしがくっつかないための工夫です。大根のシャキシャキ感が楽しく、濃い色のつけ汁は珍しい味噌風味。味わいが変わる、最後の蕎麦湯もおすすめです。

真っ白な表面がSNS映えする「雲水蕎麦」

一面が大根おろしで覆われ、上品な見た目の「雲水蕎麦」。雪山で僧侶が修行する様子をイメージして作られたものです。

ややとろみがあり、まろやかな口当たりの大根おろしと細い蕎麦が、するすると喉を通り過ぎる一品。とっくりに入った蕎麦つゆを、お好みの量だけ回しかけていただきましょう。食欲がないときでも、さっぱりとしているので箸が進みます。

伝統的な日本蕎麦の文化をこれからも伝える名店

日本酒ですすいで食べる蕎麦など、一般的なお蕎麦屋さんとは違うメニューがほかにもあり、通うたびに色々な味わいに出会えます。

自家製の細麺を使ったおいしい蕎麦を味わいながら、寺方蕎麦の歴史に思いをはせることもできます。店主は「寺方蕎麦研究会」の講師も務めているので、運が良ければ詳しい蕎麦の解説が聞けるかもしれません。

東京メトロ銀座線「田原町駅」・東京メトロ・都営地下鉄・私鉄各線「浅草駅」からいずれも徒歩5分。各駅から「浅草演芸ホール」方面を目指し、「Bunka Hostel Tokyo」の南側へ進むと着きます。平日や土日に関係なく、開店は昼の12:00でラストオーダーは17:00なので、ランチや早めの夕食で訪れるのがおすすめです。

スポット情報

  • スポット名:長浦蕎麦
  • 住所:東京都台東区浅草1-13-1
  • 電話番号:03-3844-1922
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