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この宿があるから仙台に訪れたくなる、アットホームなゲストハウス

  • 2017.11.20

杜の都・仙台は、東北や北海道への旅行の玄関口。さまざまな旅人が訪れるこの場所に、リピーターの多いゲストハウスがあります。今回は、何度も訪れたくなる2つの宿を紹介。ぬくもりのある雰囲気の中、ゆったり過ごせますよ。

人との出会いがある「仙台 ゲストハウス梅鉢」

JR仙台駅から電車で10分。JR苦竹駅から10分ほど歩いた住宅地に「仙台 ゲストハウス梅鉢」はあります。

“UMEBACHI”と書かれた木の看板の向こうに、黒い外壁のモダンな建物が建っています。インターフォンを押すと、オーナーの加賀さんがにこやかに迎え入れてくれました。

こちらがオープンしたのは6年前。加賀さんは、日本中をヒッチハイクしながら旅した経験を生かし、お祖父さんの家があった仙台で奥様と共にゲストハウスを始めたのだそう。

「京都のゲストハウスに泊まったとき、日本中、世界中の人たちと会話をしたり、交流したことで、新しい価値観に出会うことができたのです。ボーダーを感じることなくみんなが繋がれる、そんな場所を自分でも作りたいと思いました」

「ゲストさんに干渉しない宿もあります。うちは小さい宿だからこそ、ゲストさんやスタッフ、同じ屋根の下に集ったみんなが繋がるような空間づくりを心掛けています」

建物に入るとまず目に入るのは、宿泊者が自由に使えるフリースペースとバーカウンター。元の家にあったというレトロな皮のローソファーが並ぶ空間は、気負いなくリラックスして過ごすことができます。
バーは誰でも利用OK。近隣の人も夜な夜な遊びに来るそうです。

「うちのスタッフは、みんな元ゲストなんです。それぞれ自主的にイベントを企画していて、今週末も宿泊者とスタッフ、近隣住民が集まる芋煮会が開催される予定なんですよ」

「ゲストハウスにはバックグラウンドもさまざまな人が集まります。いろんな人と出会うことで“新しい世界が広がった”と言ってもらえたとき、“やってて良かったー”て、すごく感じますね」

夕飯には、元調理師でもある加賀さんとスタッフが腕をふるう料理が出されます(700円)。仙台名物の牛タン焼きや、地場産の野菜、魚を使った地産地消メニューも積極的に取り入れています。

「旅をしていると必ず“仙台ってどういうところ?”と聞かれます。海の幸、山の幸の両方がおいしいのも魅力のひとつですよね」

新しい土地の魅力に触れたり、人との出会いを通して初めての価値観を得たり、そんな少し成長できる体験が「梅鉢」には待っています。

料亭建築のレトロな空間「仙台 欅ゲストハウス」

地下鉄広瀬通駅から徒歩10分ほど。ケヤキ並木が美しい定禅寺通から中に入った場所にあるのが「仙台 欅ゲストハウス」です。この界隈はかつて、芸者たちが闊歩していたという元料亭街。今も趣のある料亭や、元料亭の古民家が点々としています。「欅」は、築45年の料亭を改装した宿です。

この宿を切り盛りする女将は、もともと「梅鉢」で働いていた中津さん。自分らしいくつろげる空間でゲストを迎え入れています。

引き戸を開けると、中は昔ながらの温泉宿を思わせるようなレトロな内装。板張りの床や、組み木で装飾された照明に懐かしさが漂います。

フロントの奥にあるフリースペースは、畳敷きの和室に小さな円卓が置かれ、昭和初期を思わせる雰囲気です。

「旅先に愛着を持つのは、そこで人との良い関わりがあったときだと思うんです。スタッフやゲスト同士の距離が近いゲストハウスだからこそ、気を張らないで過ごせる場所を提供したい。ゲスト同士がリラックスしながら繋がってくれたらいいな、と思っています」

ゲストルームは、料亭時代のお座敷をそのまま改装。塗り直した壁も、雰囲気を壊さないよう漆喰風に仕上げています。

「“仙台には『欅』があるから大丈夫”と思ってもらえる宿にしたいです。“ただいま”と言いたくなるような」

ゲストの中には、“旅のオフ”と称し、1日中宿にこもりっきりの人もいるのだとか。
そんな気楽な使い方ができるのも、市街地という便利な土地にありながら、ノスタルジックな趣きと穏やかな空気が漂う「欅」だからこそなのかもしれません。

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