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行き過ぎた「食育」?お菓子にツッコ食育ママの実態

  • 2017.10.30

皆さんこんにちは、ママライターのあしださきです。

「食育」という言葉が一般に浸透する少し前、2002年頃に「産地偽装」事件など「食の安全」を根底から揺るがす出来事がこの日本で多発したということを覚えていらっしゃる方は少なくないかもしれませんね。

そもそも「食育」という言葉は、石塚左玄が1896年と1898年の著作の中で「体育智育才育は即ち食育なり」と自ら造語し用いられたのが最初だったと言われています。

その後1903年に当時の報知新聞編集長であった村井弦斎が連載小説「食道楽」の中で、

「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも食育がさき。体育、徳育の根元も食育にある」

と書いていることも後に知られるところとなりました。

そんな中産地偽装事件の後「食育基本法」が2005年6月に成立。

この法律の成立で、これからの日本では食育によって国民が生涯にわたって健全な心身を培い豊かな人間性を育むことを目指すということが国民のひとりひとりに向かって宣言されたと言えるのだと思います。

このあたりからでしょうか?子育てをしているママたちの間でも「食育」への関心が急激に高まっていった のは。

子どもの口に入るものは今の健康だけでなく将来の病気や寿命にも関わる大切なもの。

それを一番に考え、食事のみならず「お菓子」には人一倍気を使うママがいるという話をよく耳にするようになりました。

実際わたしもママになって、たくさんの家庭の子育てを垣間見るチャンスがありました。

すると、時々独創的方針で「食育」するママに出会ってしまいます。

そこで今回は、私が出会った「お菓子」に関する取り組みが独創的な例を2つご紹介したいと思います。

●①おやつは甘煮にした「豆」

長女が幼稚園に入園する前、体操教室に通わせていました。

そこでできたお友達に誘われて大きな子育てサークルの遠足に体験で参加させてもらった時のこと。

公園でレジャーシートを敷いてみんなでお昼を食べ、食後に子どもたちがおやつを交換し始めたところ、

「ごめんなさいね。うちの子どもにはくださらなくて大丈夫よ。」というママさん。

見るとそのお子さんはタッパーに入った甘露煮のお豆を食べていました。

「うちではおやつはさつまいもか、こういう豆しか与えていないんです。」

私は初めての子育てでしたから、市販のラムネやキャンディーを食べさせている自分が恥ずかしいと思って、ちょっと落ち込んでしまいました。

10年近く経った今は、「よそはよそ、方針は人それぞれでいい」と割り切れましたが。

●②添加物チェックと情報共有

2番目の子どもが幼稚園のころクラスが一緒だったお子さんのママに、食の知識が非常に豊富な方がいました。

よく私が知らないような専門的な話をしてくれて、「勉強していて凄いな、偉いな」と感心していたのですが。

幼稚園でクリスマス会があって、そこでミルクティーとおやつが出されるのですが、そのおやつの添加物を徹底的にチェックしていたのには驚きました。

それをなんとリストにまとめてプリントアウトして配布、ママ同士のランチで講義のようにお話されていたんです。

この添加物はこういう理由で体に良くないからできるだけ子どもに摂取させないほうがいいということや、市販の食材(ごく一般的でお弁当のおかずによく使うようなもの)にもこんなに悪いものが入っているということも説明してくれました。

その場は呆気にとられて何も考えられなかったのですが、言われたこと全てを実践することは簡単ではなく、自分としてもどうすべきかわからなくなりました。

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根底にある、「子どもの健康や将来を思う気持ち」に非常に感銘を受けてしまいますが、だからといって全てを自分の子育てに取り入れることは難しい ことだと思います。

独創的なママにとってはご自身の食育が、誰かのためにもなるという親切な気持ちからくるアドバイスなのかもしれません。

そんな時は真摯に受け止めて、自分の中で試せるかもしれないという範囲で実践しても良いかもしれません。
しかし過度に押し付けられてしまうことがないように、上手に距離をとってお付き合いする という努力はママにとって必須のスキルだと言わざるを得ません。

出典/ 石塚左玄・著 「科学的食養長寿論」(1896年) 「通俗食物養生法」(1898年)
村井弦斎・著 「食道楽」(1903年)

●ライター/あしださき
●モデル/藤本順子

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