シャネル不朽の名作が30周年、カメリアの花に彩られた最新作のアリュールを紐解く

1987年の10月、ある歴史的な時計が誕生した。その名は「プルミエール」。フランスで「最初」、もしくは「最上級」という意味を持つ名を冠したこのタイムピースは、シャネルにおける初の本格的腕時計であり、女性のためにデザインされた初めての腕時計として業界に大きな衝撃を与えた。

1987年に発表された「プルミエール」ウォッチ。現行のモデルとほぼ大きなデザインの変更はなく、当時からモダンなデザインで一貫していたことが伺える。Photo courtesy of brand

 

不朽の名作として今なお根強い人気を誇る「プルミエール」。その8角形のフォルムのインスピレーションとなったのは、「シャネル N°5」のボトルストッパー、そしてシャネルがジュエリーとウォッチの本店を構えるヴァンドーム広場。発売当時のキャンペーンには、モデルのイネス ド ラ フレサンジュが起用され、その画期的なデザインは、そして洗練されたイメージと共に世界中の女性たちを虜にした。

「プルミエール」のインスピレーションとなったパリのヴァンドーム広場。Photo courtesy of brand

1989年に発表された、モデルのキャロル ブーケを起用した「シャネル N°5」の広告キャンペーン。Photo courtesy of brand

 

そしてこの誕生ストーリーから30年を数える本年。バーゼルフェア2017にて、最新ウォッチ「プルミエール カメリア コレクション スケルトン」が発表された。新作の目玉となるのは、自社製ムーブメント「CHANEL キャリバー 2.カメリア コレクション スケルトン」。カメリアの花を模ったユニークなムーブメントは、華やかなパヴェダイヤモンドをあしらったモデル、そしてソリッドなADLC（アモルファス ダイヤモンド ライク カーボン）加工を施したモデルで展開される。

「CHANEL キャリバー 2.カメリア コレクション スケルトン」の構造図。無数のパーツで構成される複雑な機械式ムーブメントを、1つのカメリアの花に見立てた見事な意匠。Photo courtesy of brand

 

クチュールメゾンならではの創造性、卓越したウォッチメイキングのサヴォアフェール、そして精緻なジュエリーセッティングが三位一体となったマスターピースは、2017年秋から一部のシャネル ファイン ジュエリーブティックにて展開される。

シャネル(時計・宝飾)
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text:Shunsuke Okabe