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あの香水ブランド、バイレードが手掛ける車に着想を得たバッグとは?

  • 2017.10.18
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車をインスピレーション源とした、ハンドバッグのカプセル・コレクションが誕生しました。デザインしたのは、フレグランスのブランド、バイレード(Byredo)のファウンダー、 ベン・ゴーラム(Ben Gorham)。車とは、アメリカ南部で盛んなドラッグレースに70年代初頭に使われていた、ヴィンテージカー。ちなみにドラッグレースは、停止状態から直線コースに向けて急発車する、数秒間が勝負のモータースポーツです。パリ・ファッションウイーク中に、「アクセレレイティッド・カルチャー(Accelerated Culture)」と名付けたこのコレクションを発表したベンに、話をきいてみました。

 「ニューヨークで過ごした10代後半、僕がアメリカン・カルチャーの中でも特に楽しんだのが、車。だから7年前にM/M Paris(ファッション界きっての、アート・ディレクター・デュオ)の紹介で、写真家のクレイグ・マクディーン(Craig McDean)に出会うと、車という共通の趣味ですっかり意気投合してね。元々牧場だった敷地にある彼のカントリー・ハウスでは、厩舎のドアを開けると各ボックスには馬でなく、ヴィンテージ・カーがずらり!これをきっかけに彼とは、その後キャンペーンの撮影を依頼するほど、クリエイティブ面で分かり合える仲になったんだ。ある日彼のアーカイブズを見せてもらったところ、クレイグが6か月間の旅行中に撮ったドラッグレースの写真やフィルムに圧倒されたんだ。そしてその一部をまとめた本『I Love Fast Cars』も素晴らしくて。早速これをプロジェクトに使いたいと頼んだら、快くOKしてくれたんだ」。

バイレードの既存のバッグを特別な色、時には色のパッチワークで仕立てたAccelerated Cultureで、ベンが特にこだわったのは、色でした。「60年代末〜70年代初頭の車のペイントは、今では存在しない。その色と質感をレザーに置き換えるために、既存の色では飽き足らず、特別な色を調合してもらったんだ。Accelerated Cultureでは全てが手作りだから、技術的なリミットは最低限」と、ベン。ところで香りとバッグ、そして車の共通点は?「男性が特別なデザインの車のハンドルを取ってワクワクするのは、女性が美しいバッグを手にした時の気持ちに似てると思う。そしてプレゼンテーションでは、塗料の匂いが会場に漂う演出を。僕はこれからも、色々なアイディアを、違う媒介で表現していくつもりだよ」。今年は自身がデザインしたランプを発表したベンは、今度はカーペットのデザインに取り組むとか。バイレードの未来に、リミットはないようです。

Byredoの既存モデルを特別な色の組み合わせで仕立てたAccelated Cultureより、パテント・カーフスキンのバッグの一連。 photo:Minako Norimatsu

Accelerated Cultureのハンドバッグとスモール・レザー・グッズは、ストックホルムとニューヨークのByredoのショップでのみ販売中。Photos: Pierre Mansiet

ベン・ゴーラムはスウェーデン生まれ、父はカナダ人、母はインド人。2006年にフレグランスのブランド「バイレード」を設立、2015年にはハンドバッグのラインをスタート。photo:Minako Norimatsu

左:クレイグ・マクディーンによる本「I Love Fast Cars」(1999年)の表紙。右:Accelarated Culltureのポスター。いずれもグラフィック・ワークはM/M Paris Photo(右)Thomas Goldblum

ポスターのビジュアルをプリントしたTシャツと、クレイグ・マクディーンによる写真の複製&ポストカードをセットにしたボックスも販売。photo: Minako Norimatsu

クレイグ・マクディーンによる写真(Accelated Cultureカタログより抜粋)。彼はプレゼンで初めてバッグを目にし、車の美観が最大限にバッグに置き換えられている、と思ったそう

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