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「遊びの恋」なんてない

  • 2017.10.15

ネットの恋愛コラムでは、セフレに関する話題がときどき取り上げられています。
おおむね女子に向けて「セフレにされないためにはどうすべきか」といった切り口で書かれています。


が、これって、セフレの実態に遠くないですか?

■お互いの合意があってはじめてハダカになる関係をセフレと呼ぶわけで

たとえばあなたが彼のことが好きで、彼にはほかに彼女がいる、という状況で、彼があなたと「したい」と思った、あなたも彼にほかに彼女がいるのを承知でしてもいいと思った。こうなってはじめてセフレの関係は成立します。


あなたが「セフレではイヤだ」と思えば、そもそも彼としないわけだから、セフレの関係は成立しないわけですよね?


つまりお互いの合意があってはじめてハダカになる関係をセフレと呼ぶわけで、合意のないエッチは・・・・・・まあ、言ってみれば警察に捕まるわけです。


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で、セフレの関係になりました、で、あなたが「セフレの関係では悲しい、なんとしても本命の彼女のポジションに収まりたい」と思って、あれやこれや頑張ったとします。


でも結局、努力の甲斐むなしく、何年間もセフレのままでした。やがてあなたは、彼との関係に(あるいは恋愛そのものに)希望を見出せなくなって、彼と縁を切りました。その後も、悲しくひとりで暮らしています。


と、たとえばこういうことが起こりうるから、主に女性ライターたちが「セフレの関係に陥らないためにはどうすべきか?」ということを、ネットのコラムに書くわけです。


が、そもそもコトのはじまりは「お互いの合意があった」というものであって、それ以外の場所からはじまった話ではない。

■「遊んだ」とか「遊ばれた」というのは、コトの表面の話

こんな悲しい結末を迎えた恋であっても、あとから振り返ると「それでもいい恋だった」と思えてくるから不思議です。恋愛って、「わたしだけが100%被害者」なんてことは、ないわけです。合意からはじまった関係は、喧嘩両成敗。


だから極端な例を挙げると、結婚詐欺は事件として立証するのがむずかしいと言われているのです。たとえば彼女が彼のことが好きで、彼に大金を貸しました。貸したとたん、彼は行方をくらませました。詐欺です。警察に相談します。


でも彼女のほうは最初こそ、勢いよく警察に駆け込んだものの、あとになると「彼のことが好きでお金を貸したので、やっぱり彼のことを信じて、彼を詐欺で訴えません」と、こうなるケースもあるそうです。


彼女の心の中では、彼に対して「こんちきしょ~!」と思っていても、何%かはまだ、彼のことが好き、つまりあの頃の彼とのいい思い出が残っているということです。ちょっと極端な例ですが。


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セフレの関係であれ、どんな恋愛であれ、「遊んだ」とか「遊ばれた」というのは、コトの表面の話です。どんな恋も、時の流れとともに、人の心の中にいろんなシミを作ります。
淡い恋はもとより、彼とおなじシーツにくるまった恋など、もれなく心にシミを広げます。いいシミです。


逆説的に言えば、シミを眺めつつ「あの男のこと、一生恨んでやる」と思うのであれば、それは恋にすらなっていなかった関係だということです。


エッチに関しては、法的には女子のほうが立場が強くなっています(だから痴漢の冤罪に泣く男がいる)。


でもセフレであっても、少しでも恋心を抱いたなら、そして合意のもとでパンツを脱いだのなら、それは喧嘩両成敗。


喧嘩の遥かあとで、「ろくでもない男だったけど、まあそれなりにいい時を過ごせた」と思えたなら、それは「遊びじゃなかった恋、その時はあなたは真剣だった恋」なのです。(ひとみしょう/文筆家)


(ハウコレ編集部)

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