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4年間でなんと約20倍! トラブル急増中「無料トライアル」の甘いワナ

  • 2017.9.17
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男女の恋愛トラブルや会社での嫌がらせ、友だちとの金銭トラブルなど、どうしたら良いのかわからず、ひとりで抱え込んでいませんか? 周りの人には相談しづらい悩みこそ、法律のプロに相談しましょう!

インターネット広告のサンプル請求が定期購買に…?

【30代の女性からご相談】
インターネットの広告で、化粧品の無料サンプルを試せるというのを見つけ、会員登録をして試供品をもらいました。あまり肌に合わなかったのでそのまま放置していたら、次の月にまた商品が送られてきて、知らない間に定期購買になっていたみたいです。

カード会社に代金の請求も来ているし、これって詐欺じゃないんですか? 解約できるんでしょうか。

無料トライアルをうたって、定期購買させるのは詐欺では?

国民生活センターによると、“フリートライアル”、“無料トライアル”とうたった商品を申し込んだものの、実はサンプルをもらえるのではなく、「定期購買の初回を一定期間無料お試しできる意味だった、」「一定期間内に解約手続きをしないと自動的に定期購買になるという契約だった、」というトラブルが数多く発生しています。

悪質な場合、解約できる期間を経過してから商品が届く、事業者に連絡がつかず解約手続や問い合わせができない、などの相談も寄せられています。2016年消費者白書によれば、4年間でなんと約20倍にも急増しているそうです。

しかし、通常は、記載方法に問題があるとしても、定期購買であることは記載はされており、残念ながら必ずしも詐欺に問えるとは限りません。

解約できる?

個別の事情によりますが、契約が無効とされ、お金を返してもらえるケースはありえると考えられます。

今回のように、何のアクションもしないと自動的に契約が継続するという条項がある場合、消費者契約法では、次の(1)と(2)の両方を満たすと、その契約は無効とされます。

(1)「法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項」であること

例)「消費者の不作為をもって、当該消費者が新たな消費者契約の申込み又は承諾の意思表示をしたものとみなす条項」

(2)信義則に反して「消費者の利益を一方的に害するもの」であること
定期購入に関するトラブルも多かったことから、(1)の例示は消費者契約法の改正によって設けられたものです。では、今回のような、無料トライアルお試しのつもりが実は有料定期購入に…というケースはどうでしょうか。

まず、定期購買に定期購買に切り替わる2回目以降の購入について、購入者からの連絡がない=不作為により、契約の申込み又は承諾をしたものと扱っていますので、(1)に該当します。

そして、例えば申込画面に連絡をしない限り、自動的に定期購買になることの説明がない、利用規約には記載があるが確認が簡単にはできない、などの場合、一方的に消費者の利益を害すると判断される可能性があり、(2)にも該当する可能性があります。

仮に消費者契約法10条では無効とはいえなくても、広告表示の方法や契約内容等によっては、錯誤などにより、契約の無効や取消を主張できる可能性がありますので、まずは専門家にご相談ください。

被害を防ぐには

契約内容や広告の表示方法によって有効・無効の判断は分かれるところですが、仮に法的には返金ができると解釈できるとしても、現実として、例えば悪質業者で実態が不明だと、調査に多大な費用・時間を要したり、返金を受けられないケースも出てきます。

したがって、トラブル防止のためには、購入前に、広告や規約、購入・契約条件、解約方法等をしっかり確認する必要があります。また、購入先の評判について事前に調査をするのもよいでしょう。

さらに、消費生活センター(消費者ホットライン 局番なし188番)、弁護士といった専門家に早急に相談することも大切です。国民生活センターHPでは、消費者相談、トラブルの多い事例を紹介していますので、トラブルに遭わないために定期的に見ることをオススメします。

インターネット通販はとても便利な反面、今回のような事例のほか、粗悪品・偽物が届いた、代金を払ったのに商品が届かない、高額のキャンセル料を要求された、返品に応じてもらえない等、非常にたくさんのトラブル・相談が報告されています。

トラブルに巻き込まれないためには、私たちが、事業者情報、規約・条件などを事前にきちんと確認することが最重要です。

タダより高いものはないとは先人は良く言ったものですね。甘い話、うまい話には裏があると疑っておきましょう。もしアヤシイことに遭遇したときは、早くご相談くださいね。

■アディーレ法律事務所
正木 裕美(まさき ひろみ)弁護士
愛知県出身 愛知県弁護士会所属
男女トラブルをはじめ、ストーカー被害や薬物問題、ネット犯罪などの刑事事件、労働トラブルなどを得意分野として多く扱う。身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。2012年には衆議院選挙に愛知7区より日本未来の党の公認候補として出馬し、「衆院選候補者ナンバーワン美女」とインターネットや夕刊紙で大きな話題を呼んだ。

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