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「自分とはかけ離れた男との恋」は 断念すべき?“育った環境、価値観、好み、思考にギャップを感じる相手”との未来はあるの?

  • 2017.9.2

「この人のことは好き。でも、私と彼じゃあまりに違い過ぎる……」

「今付き合ってる彼は見た目タイプなんだけど、話てるとなんか隔たりを感じるというか、ズレを感じるコトが多い……」

家柄、経歴、職業、肩書き、経済観念、年齢、または趣味や考え方の相違などなど……アラサーも過ぎれば相手を“好き”という感情だけではもはや突っ走れないこともある。

たとえ女の本能では彼を強く求めていたとしても、「あまりにギャップを感じる彼」「自分と違い過ぎる相手」のことを泣く泣くあきらめた……なんてことはないだろうか?

 

今回のコラムでは「自分とはかけ離れた男との恋」は断念するべきなのか、それとも押し通すべきなのか……実際に“差異のある男性”と付き合った女性たちの経験から学んでみよう。

断念する派……「愛だけじゃ、この差異は埋められない」

「一般庶民というよりビンボーな家に生まれた私が、どこをどう気に入られたのか金持ちの男性と付き合ったことがあった。彼の実家は都内有数の金持ちたちが住むエリアで、彼自身はドラマに出てくるような都心のタワマンの高層階に部屋を持っている人だった。そんなセレブな彼は私をバカにすることなく、『キミはそのままでいいんだよ』とは言ってくれたけど……。何十万円もするようなものを躊躇せずポンと買う“金銭感覚の違い”や『子供は絶対有名私立一貫校だね~』みたいな“ビジョンの違い”がだんだん苦しくなってきて……私の方から別れを切り出しました。彼は“意識してるところ”では私を見下すことなく優しかったけれど、“無意識の部分”での彼の言動は私をおののかせるのにじゅうぶんだった。ただ愛してるだけじゃこのギャップは埋められないな……って。苦労知らずの恵まれた環境下で育った彼の価値観を知れば知るほど私とは住む世界が違うんだと認識させられた」(30代・OL)

……このエピソードのなかの彼と彼女が大きく異なっていたのは、「生まれ育った環境から来る価値観の違い」である。

特にお金がある側はお金のない人間にその価値観を押し付けガチ。相手を自分の型にはめようとするパターンが多く、裕福な人間は自分の生活水準にこだわるもの。

そして彼のその価値観はその子にも受け継がれるのだ。

彼は自分が生きてきたように子どもを育てるのが当然だと思っている。彼は自分がされてきたのと同じように自分の子に惜しみない教育や金銭等を与えるのだろう。

このケースにおいては、互いの価値観をうまく“すり合わせ”できれば良かったのだが、二人とも自分の価値観を曲げる気はなかったのである。相手よりこれまで培ってきた自分の価値観を選んだのだ。それは言い換えれば、相手よりも自分の価値観を愛しているともいえる……。

 

自分の育った家庭環境から得た価値観はなかなか捨てれるものではないのだ。

押し通す派……「好きなものや趣味はむしろ違ってもいい!!」

「海や山が大好きで、休みの日は外に出掛けなきゃ気が済まないアウトドア派の私が思いもかけず付き合うことになったのは、自分とはまったく違うタイプの人だった……。研究室で働く理系の彼は休日には引きこもって本を読んでいたいインドア派。旅行とかレジャーなんかは時間のムダだと考えてて、インテリな彼は話す内容も小難しいことも多いから頭の悪い私には何言ってんだかよくわからないことも……。向こうも私の好きなことや趣味に賭ける情熱はまったく理解できないみたい。でも、そんな私たちだけど“嫌いなモノ”に関してはすっごく意見が合う!!テレビに出てればチャンネルを変えるぐらい気に食わない芸能人や政治家とか、“こういうのヤダな~”って感じることなんかのネタではめちゃめちゃ盛り上がる()。誰かにされて嫌なこと、キライなものが同じだと“好きなものや趣味が同じ”よりも付き合うには好都合なことに気づいた……」(20代・ジムインストラクター)

……これは“ギャップを感じる彼氏”を持つ女性にとっては至極参考になる話ではないだろうか。仮にあなたと彼とが将来を共にする場合、「好きなモノ」や「趣味」の相違に関しては目を瞑ってあげるべきだし、相手の世界観は認めてあげればいいのだ。

好きなことがバラバラであっても、趣味がかけ離れていたとしても構わない。むしろ「嫌なこと」の価値観のほうにこだわるべきである。

仮に例えるなら、彼が大好きなアイドルグループの女性をあなたが大してカワイイと思えなくったって、「ふ~ん、あんなのが好きなんだ~」とやり過ごすことができるだろう。……けれど、大事なのはキライなものの方だ。

あなたが“生理的にムリ!”“大嫌いっっ!”と思っている人物を彼が賛美したらどうだろう。「あんなイイ人はいないよ!!」と褒めたたえたとしたらどうだろう。

あなたは彼の価値観どころか人間性まで疑い、「あたしの嫌な相手を応援する彼」に嫌悪感を抱き「こんな男にはもうついていけない」と感じてしまわないだろうか?

ここで大切なのは“好きなこと”ではなく、“許せないこと”のほうが重要であるということ。

“好き”の価値観が違っても「これだけは許せないという最低ライン」が合致すればいいのだ。

その隔たりを乗り越えるには労力が伴うもの……そこまで彼のことが好きかどうか?

たとえ思考や嗜好が異なっていても、たとえあなたとは共通点の少ない彼とでも、「ここは人として譲れない」という線が彼と共鳴していれば、あなたの恋がうまくゆく可能性はじゅうぶんにある。

それでも“ギャップを感じる彼”との恋には多大な疲労を伴う。

どうしたって相手と意見が違えば説明や言い訳が必要になるし、言葉足らずではさらに大きな溝や隔たりが生じてしまう。

“育った家庭環境や背景が似ている相手”“学歴や能力が似通った男性”“自分と共通項がある彼” であれば意思疎通はスムーズで互いを理解し合うにはラクであろう。

だが“自分と違いすぎる彼”との場合、互いの差異を埋める過程であなたは時間や労力を費やさねばならない。

それでもなかなか報われず、衝突が生じるたび

「もうヤダ、私にはもっと合う人がいるハズ……」

と音を上げたくなることも多々あるだろう。

しかし、恋愛において大切なのは「……それでも」「……だけど」という感情だ。

たとえ相手が自分の理想や条件にそぐわなくとも、その恋にマイナスの要因やデメリットがあったとしても、たとえしょっちゅうケンカしたとしても……そんな“負”さえも打ち消す「……それでも」「……だけど」があればいいのだ。

 

「彼とは考え方も性格も全然違うけど……それでも彼のことが好き!」

・「彼とは歳の差がすごくある……だけどいっしょにいたい」

……そう思えた恋こそが、あなたにとって“本物の恋”であり“手に入れるべき男性”なのだ。

 

「私とは違うけど、それでも……」と感じた彼なら諦めるべきではないだろう。

体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子

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