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【現代恋愛図鑑】vol.18 ドラえもんを求めるのび太心 ~便利屋彼氏~

  • 2017.7.28
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今、成人している人なら全員、子供の頃「ドラえもん」を見て育ってきただろう。
その中で、のび太は「助けてドラえもーん!」と泣きつくことで、あらゆる困りごとを自力で解決することなく、ドラえもんによって助けられていたことも覚えているはず。

現実の世界では、そうそう都合よく救世主が現れてくれるわけではない。
だが、まるでドラえもんのごとく「困ったときに手を差し伸べてくれる」男がそばいにたら、女はその男に惚れてしまうかもしれない。全くタイプでない男だとしても、キープするくらいにはテリトリーに置くことを許すだろう。

世の中の優しい男には2種類ある。
ひとつは「誰にでも優しい」博愛主義なタイプ。
もうひとつは「好きな子だけに優しい」下心アリなタイプだ。
もちろん、多数派なのは後者である。

優しさにつけ込む女のほうは、男の下心に気づいているのか鈍感なのか、都合よく愛を受け取るばかり。
いざ男のほうが期待して告白しようものなら「そんなつもりじゃなかった」と、手のひらを返したような反応をする。つくづく、女とは残酷な生き物だと思う。

下心はともかく、ドラえもんレベルに何かと助けてくれる男が女の好みと合致していたら、恋に落ちるのはたやすい。
そのような見方をすると、男は「結局『ただしイケメンに限る』なのかよ」とヘソを曲げそうだが、多くの女は外見ばかりを重視しているわけではない。
ドラえもんのような救世主に惚れるのは内面重視、とりわけ行動重視な「男を見る目のある」女だ。

古今東西、いつの時代も女が好むのは「優しい男」。
「紳士的に振る舞うこと」「お姫様扱いしてくれること」「どんなときも怒らず暴力的ではないこと」女が求める優しさにはいろんな解釈があるが、とりわけ「困ったときに助けてくれること」はポイントが高い。

女が生きていく上で、困ることはたくさんある。
体力がない、体格が小さい、力がないといった身体能力的なもの。
仕事や給与面で受ける差別、結婚や出産など「女だから」かけられてしまうプレッシャー。

女は生まれながらに「男と比べて不利益となる物事」を抱えて生きている。だが男だからこそ向けられる社会的なプレッシャーや厳しい局面を考えれば、お互い様ともいえる。

女の弱さを頭ではわかっているつもりでも、むしろ得な面ばかりに意識が向かい「女はいいよな」などと内心思っている男は少なくない。
本音はどうであろうと、弱い者を守ろうとする保護者的資質があれば、女にとってその男は合格ラインだ。フェミニストな男がモテるのは、当然の結果である。

ドラえもん級に優しい男とつき合うと、女は愛されている実感を得やすい。具体的な行動はもとより、いつでも助けてくれるマメさや甘えさせてくれる包容力は、女から不安を取り除いてくれる。

だけど悲しいかな、男と女の関係は、相手に向ける愛情によって変化していく。
その優しさが下心由来であると、下心が満たされた時点で、優しさは「彼本来のキャパ」に落ち着いてしまう。
保護者的資質においても、女がたくましく成長したり自立するほど、男のケアは反比例して目減りしていく。そこで別の困った女が頼ってきたら、最悪「ひとりでも生きていける」ほうの女を切り捨てることもある。

男にいつまでもドラえもんでいてほしければ、女はずっと「のび太」を演じ続けたほうがいい。

だが相手は猫形ロボットではなく生身の人間だ。のび太ほど依存していたら潰れてしまうかもしれない。
負担をかけすぎないレベルで頼る──そんな裁量を女が身につければ、ふたりは「終わらない物語」を続けられるのではないだろうか。

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