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【自宅で旅ごはん10|モンゴル】大平原で食べた、揚げたて大きなモンゴル餃子「ホーショール」!

  • 2017.7.18
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大平原と青い空。ゲルに泊まる夏の終わりの旅。

東京からモンゴルのウランバートルまでは5時間30分の空の旅。北にロシア、南に中国と二つの大国と隣り合う、海のない内陸国です。

モンゴルへの旅の目的は「何にもない大平原に立つ」こと。ほんと、それだけだったんです。ウランバートルから車で5時間ほど、幹線道路を外れて道なき道を進んだその先、まさに大平原のど真ん中の何にもない場所に、旅行客のための宿泊施設がありました。

ゲルは遊牧民が住むテント。ここに滞在して、平原で馬やラクダに乗ったり、遊牧民のゲルに遊びに行ったり、ちょっと離れた観光地まで出かけたりするというのんびりな2泊3日のはじまりです。

9月も終わりのこの頃にはすでに秋の気配が。夜は冷え込むので薪ストーブで暖を取ります。ゲルは羊のフェルトを使っているのでとても暖かいんです。これは夏用のゲル。冬用はさらに分厚いフェルトが極寒から身を守ってくれます。夜中に目が覚めて外に出れば、かなりひんやりとした空気と、空には星が隙間なくぎっしりと。その星明りで平原が静かに照らされていました。

人口300万人。羊・ヤギ・牛・馬・ラクダが4400万頭!

中国とロシアといった大きな国に挟まれているので気が付かなかったんですが、実はモンゴルも広くて、その面積は世界18位。日本の4倍以上の国土に300万人が住んでいます。その約1/3にあたる100万人ちょっとが首都ウランバートルに集まっていて、あとはあっちこっちにバラバラと住んでいます。地方都市もありますが、数万人規模という小ささなんです。

そして家畜が全部で4400万頭! 人間の15倍とはこれまたびっくり。大平原のゲルに住み、牧畜を営む遊牧民。最近は町からUターンする若い人も増えてきているらしいですよ。ちなみに遊牧といっても、それぞれが夏のテリトリーと冬のテリトリーを決めているとのことで、その間を行ったり来たり移動するのが一般的。なので、手紙もちゃんと届くそうです。

毎食羊肉! でもバリエーションはあります。

海から遠く離れているので、新鮮な海産物は手に入りません。野菜はジャガイモや玉ねぎなどはありますが、あまり種類は豊富ではありませんでした。ゲルで食べるご飯には毎日羊肉が使われていました。スープ、おかゆ、汁麺、焼きそば、バンシュという名の餃子などなど、全部羊の肉入りで野菜がちょっと。滞在を終えるころには、なんとなく体から羊の香りがしてくるほどでした。上の写真は羊肉のスープに入った水餃子です。

基本の味付けはシンプルで、塩と胡椒。これで飽きないかと言われれば確かにそうかもしれませんが、実はどれも結構おいしくて、シンプルなだけに飽きが来ないんです。羊が苦手な人には、ちょっときついかもしれませんけれど。

お弁当とホーショール

日本ならどこにでもあるコンビニやファミリーレストランは、もちろんモンゴルの平原にはありません。なので、出かけるときにはゲルで作ってくれたお弁当を持っていきます。

チンギスカンが治めていたモンゴル帝国の古都、カラコルムに出かけました。観光地化されてはいますが、ここも大平原のど真ん中。駐車場と簡単な休憩所があって、その休憩所でお茶をもらって持ってきたお弁当を食べました。

そこで売っていたのが「ホーショール」。直径15㎝位の皮に包んだ大きな揚げ餃子です。これを買っておかずに追加。もちろん羊肉です。これが揚げたてでおいしい。日本で手に入るものとは新鮮さが違うのか、羊肉独特のうまみがよくわかります。意外にも、さわやかなんです。広い平原に、ほんの少しの人間しかいないので、ちょっと心細い感じがしていたので、このあったかいホーショールがとっても嬉しかった! 今回は、このホーショールを作ってみましょう。

【レシピ:ホーショール】

材料:2人分
薄力粉 :130g
水(皮用) :70㏄
ラム肉または牛肉 : 150g(薄切り)
玉ネギ :1/2個(みじん切り)
ニンニク :1かけ(みじん切り)
水(具用) :30㏄
塩 小さじ :1/2
コショウ :小さじ1/4
クミン :一つまみ
揚げ油 :適量

(写真は4人分)

作り方:
1. 小麦粉と水70㏄を合わせて良くこねて、表面が滑らかになったら丸く形を整えて、冷蔵庫で15分休ませる。
2. 肉を細かく刻んで叩いたら、玉ねぎ、ニンニクと合わせて、水30㏄を加えてよく練る。
3. 1を棒状に伸ばし2つに切り、さらにそれぞれを4つに切る(8等分にします)。
4. 3をそれぞれ10㎝の円になるように伸ばし、2の1/8の量を乗せて包む。フチをつまんで皮を閉じる。
5. 180度に熱した油で、3分揚げる。

• 肉はひき肉でもOKです。
• 市販の餃子の皮でもOK。大き目のものなら12個位になる具の量です。
• 温めた牛乳200㏄に、バター10gと塩小さじ1/2を入れたバター茶と一緒に。

こんな風に、柔らかい皮をつまみながら包んでいきます。

photos by Atsushi Ishiguro 
石黒アツシのHP

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