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メゾン クロエのオープニングを飾るFemininities-Guy Bourdin展

  • 2017.7.13
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7月2日にオープンした、メゾン クロエ。ここは、ショールーム、エキジビション・スペースからアーカイブズまで、5フロアに渡ってクロエの世界が一堂に会したスペースです。この機に“フェミニニティーズ”(女性らしさ)と題され、ギィ・ブルダンのファッション写真と、クロエの歴史を彩る数々のコスチュームを並列した展覧会が始まりました。

 本展のキュレーター、ジュディス・クラーク(Judith Clark)はこう語ります。「5年前に『クロエ. アティテュード』展をキュレーションした際、いかにギィ・ブルダンが何度も、そして長期に渡りファッション誌でクロエを撮っていたかが浮き彫りになり、とても驚きました。今回彼の写真にフォーカスしたのは、そのためです」。彼女が驚いたように、軽やかさ、自由、優しい女性らしさをDNAとするクロエと、挑発的でセクシャルな作風のギィ・ブルダンは、一見相反しているように見えます。「それが面白いところ!実はブルダンと、クロエの創始者のギャビー・アギョン(Gaby Aghion)には、ユーモアのセンスがあり博識、という共通点がありました」。一方「クロエの服を被写体とすると、ギィ・ブルダンの視点が和らいだのは興味深い事実ですね」と語るのはクロエのCEO、ジョフロワ・ドゥ・ラ・ブルドネイ氏。

ちなみにジュディス・クラークは、エキジビション・スペースのアート・ディレクションも手がけています。暖炉やくり型装飾など、典型的なオスマン様式のアパルトマンの要素を残した展示室で、彼女は鎧戸も演出要素の一部と考えました。「部屋によっては鎧戸を完璧に、または半分だけ閉めて親密な感じを出したり、もしくは全開で自然光をふんだんに取り入れたり」。ガラスで覆わないオープンな展示台も、彼女のデザインです。

 またメゾン クロエの中2階では、過去65年間の作品から、ブランドの鍵となる要素を抜粋してアルファベットで綴った、常設展も見られます。「例えばAはアギョン、Bはステラ・マッカートニーが好んだモチーフ、バナナ….。ギャビー・アギョンが毎シーズン特定のアルファベットから始まる名前をドレスにつけていたことにヒントを得た展示です」と、ジュディス。メゾン クロエを訪ねるなら、まずはこのコーナーでじっくりとクロエの世界を感じ取りましょう。

 Femininities-Guy Bourdin展は開催中〜9/3、10/18〜11/18

Maison Chloé 28, rue de la Baume 75008 Paris にて。

チケット購入はwww.chloe.com

常設展では、歴代8人のデザイナーたちの作品の要素や特徴を、アルファベット順にまとめている。左・CはもちろんChloé、右・Hは多用されてきたモチーフ、Horse。

閉じた鎧戸が、写真に見る線路に呼応してグラフィックな効果を演出。展示の左はじは、写真の花柄ドレス(‘71年)。当時のメゾンのデザイナー、カール・ラガーフェルドの作品。

カール・ラガーフェルドによるドレスの、水道から滴る水を描いた刺繍にオーバーラップするヘアは、本展全体のウイッグを手がけたヘアスタイリスト、アンジェロ・セミナラによる。

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