イリス・ヴァン・ヘルペンのショー、水槽内で音楽の演奏。

毎回、パリのオートクチュール週間にビッグメゾンでは見られない、前衛的でアーティスティックなコレクションを見せるオランダ人クリエーターのイリス・ヴァン・ヘルペン。ブランド創立10周年を祝うショーが7月3日に開催された。今回は「アエリフォルム」なるタイトルで、空中に舞うような素材とデザインによる18点のドレスの提案である。

真っ暗な会場と強い照明とのコントラスに合わせ、ドレスはどれもモノクロームだ。リップルなどを施すことによって得られるボリュームあるフォルムや、極薄のメタルによる花のディテールなどが美しい。ふわふわとエアリーなドレスを着たモデルたちが歩く会場内には、水槽が5つ設けられ、その内でミュージシャンが歌い、奏でるという驚かされる構成である。この5名はアクア・ソニックなるジャンルで活躍するデンマークのBetween Musicというグループ。彼らの仕事からもインスピレーションを得てのコレクションで、水と空気、外と中、軽さと暗さ……こうした2要素間のコントラストをイリスは追求。彼女、そしてBetween Musicのメンバーたちに大きな拍手が送られたショーとなった。その晩は、10周年のバースデーパーティがパリ市内のSoloで催され、彼女が衣装を担当しているビヨルクもお祝いに！

photos：Mariko OMURA