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フランス映画祭から、気になるムービーをキャッチ!(Misaki Yamashita)

  • 2017.7.1

上映後には、ダニエル・トンプソン監督のインタビューも。映画制作の裏話が聞けて大満足でした!
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6月22-25日に開催された「フランス映画祭2017」に行ってきました。今回で25回目という節目を迎えたこのイベントには、大女優のカトリーヌ・ドヌーヴも来日。今年は新作のフランス映画11本+旧作1本が上映。そのもようをご報告します。

ふたりの巨匠の間に燃えた、激しい友情。

私が観たのは24日に上映された「セザンヌと過ごした時間」。「近代絵画の父」といわれる画家ポール・セザンヌと、フランス自然主義文学の代表的作家エミール・ゾラは、実は幼少の頃からの幼なじみなんだとか。この映画には、そんなふたりの知られざる友情の実態が描かれています。

セザンヌとゾラは中等学校で知り合って以来の大親友。ブルジョア出身のセザンヌが、移民の子としていじめられていたゾラを助けたことが友情のきっかけでした。それからは、小説と絵画、極めようとするものは違えど、同じ芸術家を志すものとして、ときに励まし合いときに喧嘩をしながら、深い友情を育んでいきます。

やがてゾラは小説家として人気を博し、富と名声を自分のものに。ところが、時代に認められず人づきあいも苦手なセザンヌは、周囲に認められず辛酸をなめるのです。

こんな人間的な葛藤が、まさかあの芸術家たちの人生にもあったなんて……。人生の機微をいやというほど感じ、しみじみと考えさせられながら、ふたりの友情から目が離せません。

仲違いしては仲直りを重ねていくふたり。そして、ついに彼らは意味深な再会を果たします。この邂逅は、セザンヌとゾラの友情をどのような結末に導いてしまうの? 物語の最後に語られることとはいったい……。

巨匠と呼ばれる芸術家たちをおそれおおくも身近な存在のように感じながら、素直に感情移入して味わうことのできる作品です。

全編にわたって目を楽しませてくれるのは、セザンヌの絵画さながらの南仏の風景たち。今も残る本物のゾラの屋敷やセザンヌのアトリエで撮影されたシーンもたくさんあり、その色彩と光の具合が、ゆらぎがちなふたりの友情とは対照的に、つねに広大に美しく彼らを包み込みます。鑑賞後、すぐにフライトを予約し、ロケ地めぐりをしたくなることうけあいです。

「フランス映画祭2017」は終了しましたが、「セザンヌと過ごした時間」は9月2日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国で順次公開予定だそうです。次はセザンヌの絵画とゾラの小説をしっかり“復習”して、もう一度観に行きたい!

以下、気になった作品をもう1本だけご紹介させてください。

今回は見逃したけれど、絶対観ます。気になる作品をピックアップ!

さて、この「フランス映画祭2017」で上映された新作映画11本の中から、観客投票によって「エールフランス観客賞」に輝いたのは、第二次世界大戦末期の状況下で起こった事件を題材にした「夜明けの祈り」だったそうです。

実はこの作品、「セザンヌと過ごした時間」と同日に上映されていて気になったものの、予定が合わず観ていなかった1本。自らの危険を顧みず、傷ついた修道女たちを救うべく無償で身を投じた医師マチルドの物語ということで、感動作の予感がプンプンと。こちらは8月5日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国公開されるそうなので、私もぜひ観に行きたいと思っています!
参照元:VOGUE JAPAN

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