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雨の日デートにおすすめ♡無料で楽しめる注目のスポット「北区立中央図書館」

  • 2017.6.16
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誰もが利用できる地域のオアシスであり“知識の泉”ともいえる図書館。東京都には、市立や区立、国立の図書館がたくさんありますが、個性的なところも誕生しています。なかでも「北区の中央図書館がモダンで素敵」という声を聞き、さっそく訪れてみました。

異国の建物を連想させる三角屋根の赤レンガ棟

JRの十条駅から歩くこと約12分。広々とした芝生の向こうに姿を現したのは、“赤レンガ図書館”の名で親しまれる北区立中央図書館です。一見すると、すぐ後ろに異なる建物が建っているように見えますが、赤レンガ棟と背後に見えるガラスを多用した近代的な建物は一体化しています。
赤レンガ棟は、1919年に弾丸を製造する工場として建てられました。特徴的な三角屋根と丸窓、格子状の窓枠が異国の建物を連想させます。時代は流れて軍事施設としての役割を終え、2008年6月、90年近い年月を経て図書館として生まれ変わりました。
味わいのある赤レンガは当時のままで、その多くは北区や足立区のレンガ工場で製造されたものです。なかには製造工場の刻印が押されている赤レンガもあるので、探してみるのも楽しみの一つです。

建築を学ぶ人も足を運ぶ貴重な建造物

正面入口から中へ進むと、開放感のあるエントランスが広がります。1階の総合フロアーへと誘うアーチ状の仕切りは、かつて赤レンガ棟の外壁だったものです。
軍事施設であった当時の面影を残すのは外壁だけではありません。館内には、柱や天井の鉄骨が残されていて必見です。がっしりとした柱は、日本で最初の本格的な官営製鉄所として創業された北九州の八幡製鉄所で製造されたもの。一カ所、床下に埋まっている柱の基礎構造がわかる展示があり、八幡製鉄所の刻印が確認できるのでぜひチェックしてみてください。
長い歴史を見つめてきた赤レンガ棟は、近代産業の歴史や当時の建築技術を知る上で貴重な建造物です。そのため北区立中央図書館には、本好きだけでなく建築を学ぶ人や建築物好きも数多く足を運ぶそうです。

主役は利用者。「長く居られる図書館」を目指して

赤レンガ棟は、北区に住む人々の要望もあり図書館として第2のステージを歩み始めました。図書館を開館するにあたり大切にしたのは、「長く居られる図書館」であることです。北区立中央図書館の主役は利用者であり、長く居られるよう随所に配慮が感じられます。
たとえば、館内を歩いて本を手に取ってみると、一般的な図書館に比べて本棚の高さが低いことに気付きます。棚の高さは壁面を除いて約1.5mに統一されていて、これは、車椅子の人でも本に手が届く高さ。また、棚と棚の間にはゆとりがあり、車椅子と歩く人が行き来できる幅になっています。
閲覧席は、館内だけでなく屋外にも。晴れた日には、緑と風を感じるテラスで読書を楽しむ人の姿が見受けられます。

今回の<前編>に続き、<後編>では、館内に備えられたこだわりの椅子や北区ならではの特設コーナーにも注目しますので、お楽しみに。
writer / 酒井 牧子 photo / 酒井 牧子

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