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千鳥 名フレーズ「クセがスゴい」誕生秘話!

  • 2017.6.7
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千鳥 名フレーズ「クセがスゴい」誕生秘話!

“クセがスゴい”話し方と存在感を武器に、漫才はもちろん、ロケ番組などでも大活躍と、バラエティ界を盛り上げまくっている千鳥。そんな二人の、今の思いや関係性に迫ります。

――MCを担当する番組が増えるなど、バラエティ界では引っ張りだこ状態です。正直なところ、東京でこんなに愛される芸人になると思っていましたか?
ノブ:まだ実感はないですけど、昔よりは知ってもらえるようになったんかなとは思います。2年前くらいまでは、どこに行っても異物感がすごかったんですよ。周りから見たら、新人と言われているのに態度はなんか偉そうやし、変に本格派臭を出してると思われてて。しかも、見た目が二人ともいかつくて、怖がられてた。
大悟:それが、いざ、しゃべったら方言やし、田舎者やしで、皆さんがバカにできるようになったんじゃないですかね。“田舎の子が何かやっとるから応援してあげよう”みたいな。
ノブ:しかも、東京に来て初めて出たテレビが『ピカルの定理』で、それからもいろいろな番組に出させてもらったんですけど、“千鳥が出ると番組が終わる”というジンクスみたいなのができて。それで、僕らが一気に負け顔になったのを見て、“かわいそうやな”と思って皆さんが使ってくれるようになったのもあると思います。
――ノブさんの“クセがスゴい”というフレーズも大人気です。
ノブ:もとは12年前に大阪でやっていたネタなんです。大悟がネタフリで「音痴やから聴いてくれ」って変な歌い方をしたときに思わず出た。その前から、アーティストがライブで変なアレンジを利かせて歌うときに、“クセがスゴい”と思っていたんですよ。“CDの音源どおりに聴かせてくれぇ”って(笑)。性格や見た目、どんなものにも使えるから便利ですね。
――お二人の漫才には、タクシー運転手の“よだれだこ”や、寿司屋の大将など、クセがスゴいキャラがたくさん登場します。
大悟:ネタを作ろうとする段階では、キャラクターが出来上がってないんです。ノブとしゃべるうちに、あの声になったりキャラが作られていく。でも、これまで日常で出会った変なタクシー運転手やクセのある寿司屋の大将のことが、頭にあるんかもしれないですね。
ノブ:“変なキャラが来たな”と思うことはなくて、“いるな、こんなやつ”ってなる。ドラマとか映画に出てくるタクシー運転手は普通の人ばっかやけど、実際のほうが全然おもろかったりしますよ。
――ネタ自体も、しゃべる過程で完成するのでしょうか。
大悟:ネタ作りは、ノブには何も伝えず、たとえば、「寿司屋のネタをやらして」とだけ伝える。で、大将のわしとお客のノブで1時間くらいずーっと会話をして、そのなかのよかった5分を使う。
ノブ:書きようがないんで、ネタ帳も一冊もないんです。録音をするようになったのも最近ですね。若手の頃は、昔のネタを引っ張り出してきてやるという感覚がなくて、何も残していなかった。だから、昔のネタをやりたいと思ったときは、YouTubeにある自分たちのネタを見て思い出していたんですけど、それもバカらしくなって録音するようになりました。ここ2年くらいですね。iPhoneが水没したら終わりです(笑)。
――そもそも、お笑いの道を選ばれたのはなぜでしょう。
大悟:岡山の島で生まれて、ゲーセンとか娯楽が何もなかったから、一年に一度の祭りが唯一の楽しみで。そのときに吉本の芸人が来て漫才をしたり歌ったりしていて、小学生の頃には、そっちの人間になりたいというのがあった。でも、中学生の頃から現実を見だして、無理やと思っていたんですけど、高校3年のときに、進路をどうすんねん、となって。勉強してないから進学はできへんし、就職も無理そうやし。で、どうせ何かをせないかんなら、一か八か芸人になりますと。その頃から、ノブには二人で芸人になろうという空気を出していたけど、にもかかわらず、こいつはいつの間にか就職してて。高校の文化祭でノブと一緒に司会をやって、めちゃくちゃすべったことがあって、ノブはお笑いは無理やと思ったらしいです。
ノブ:こんな怖い経験、二度と嫌やと思いましたね。
大悟:わしは、逆にこんなおもろないまま終わるのが嫌やと思って、お笑いをやろうと思った。
ノブ:大悟が卒業して大阪に行ってから、1年くらいして誘われたんです。ただ、そこそこいい企業に就職してたこともあって断ったら、「俺は大阪で売れてるから、のっかったらすぐにスターじゃ」とそそのかされた。それを信じて大阪に出ていったら、ひとっつも売れてなくて(笑)。シンプルな嘘に巻き込まれました。
大悟:その頃は、パチプロくらいパチンコしてましたからね。
――ノブさんを騙した罪悪感は?
大悟:まあー、なかったですよね(笑)。それに、ノブにも都会に出ていきたいという雰囲気があった。
ノブ:就職したら、このまま仕事して、結婚して…って、なんとなく自分の人生が見えたんです。それで、“サラリーマンとして過ごす人生は、脳内で1回できたからOK。やりたいことをやれるのは若いうちや”と思ったんですね。あと、大阪に出る前に、大悟と大阪のアメリカ村でナンパに成功したことがあって、それも決め手のひとつ(笑)。“こんな楽しい夜は岡山にはないぞ!”と。ただ、芸人になると言ったら親父にはぶち切れられて、勘当されましたね。でも、岡山を出る日にオカンから「お父さんからや」と箱を渡されて。開けたら、真っ赤な天狗のお面が入ってた。これは、いまだに意味がわからないままです(笑)。
ちどり 2000年7月結成。共に岡山県出身で、ノブ(写真上)がボケを、大悟(写真下)がツッコミを担当。『M‐1ぐらんぷり』や『THE MANZAI』では何度も決勝に進出。年に1度、単独ライブを行う。関東での初の冠番組である『いろはに千鳥』(テレ玉)など、数多くのバラエティ番組に出演中。また、二人とも俳優としての顔も持つ。
『にちようチャップリン』(テレビ東京)や『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)など、数々の人気番組にレギュラー出演している。4月から第2シーズンがスタートした『NEO 決戦バラエティ キングちゃん』(テレビ東京)では、MCを担当。『いろはに千鳥』のDVD第4弾が好評発売中。
※『anan』2017年6月13日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・重信 綾
(by anan編集部)

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