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キャロリーヌ・ドゥ・メグレのスタイル・セッションとは?

  • 2017.6.6

フィガロジャポン本誌5月20日号のファッションページで、彼女ならではのシャネルのコーディネートを披露しているキャロリーヌ・ドゥ・メグレ。この撮影が行われたスタジオに来る前に、ポンピドゥー・センターで朝8時30分から開催されたプレオープンで『Walker Evans(ウォーカー・エヴァンス)』展を見てきた、という。

「私、展覧会にはすごくよく行くのよ。ウォーカー・エヴァンスは好きなアメリカ人写真家のひとり。素晴らしかった。昔のプリントって、写真のサイズがとても小さいのね。だから近寄って見なければならなくって。今のインターネットとの関係と違って、情報を得るためには集中が必要とされる……そんなことも考えさせられた展覧会だったわ」

昨年夏、シャネルのアンバサダーに就任した彼女。シャネルと共同アイデアによって「CdMdiary by Caroline de Maigret」というウェブサイトを、年末に開設した。これはスポークスマンとして彼女が語りたいことを語る場なのだという。

左:シャネルのアンバサダー、キャロリーヌ・ドゥ・メグレ。モデル、音楽プロデューサー、そして2児のママだ。
右:彼女が充実させていくことに意欲を燃やす「CdMdiary」では、「les essentiels」と題したコーナーで、白いシャツ、パンツ、アクセサリーなど彼女のエッセンシャルアイテムを紹介している。©CHANEL

「写真に限らず展覧会にはよく行くし、映画もたくさん観る。スタイルを作るのは服だけではなくて、ライフスタイルなのだけど、大勢の女性たちがそれをわかってないのね。何によって自分を培うかということによるのよ。だから女性たちと分かち合いたいことを、私はこのダイアリーで日々紹介。どんどん充実していくつもり。私のルック、コンサート、旅のアドレス、私が好きな女性……スタイルについてのインタビューなど、内容はいろいろよ」

彼女がウェブダイアリーをスタートした際に、モンテーニュ大通り51番地のブティックで、「Les Essentiels」と題したスタイル・セッションが開催された。このイベントでキャロリーヌは、スタイルについて、そしてライフスタイルについてを楽しく語った。

スタイル・セッションの会場風景より。©CHANEL

「これ、最高だったわ。どう言えばいいかしら……。私がまだシャネルというメゾンに詳しくなかった時代、つまり高校生の頃って、シャネルというのは寺院のようなアンタッチャブルな存在で、シャネルといったらツイードのスーツ……こんなイメージを持っていたのよ。だから、シャネルの仕事をし始めて、とても驚いたの。だって、かっこいいパンツが欲しければ、シャネルに行けばいいし、シャツが欲しいと思えば、シャネルには着たくなるのがたくさんある。カシミアのニット……これはモチーフといい色といい、すごい! って。それで、私、解読したい、って意欲をかきたてられたのよ。いかにショーで見つけた服をいかに日常で着るか、って。スタイル・セッションを端的にいうと、こういうことなの。素晴らしいアイテムをショーで見つけ、それにインスパイアされて、着たいという気を起こさせられた。さあ、どのようにそれを私はどう着るのか……と。例えば、ショーで見つけた素敵なコートを、私だったらこのドレス、あるいはこんなパンツとスニーカーで、というようにセッションで見せたの。シャネルってとても魅力的な服をたくさん作っているのよ。フェミニン、マスキュリン、スリム、ビッグボリュームあり……素材の遊びも見事だわ。ものすごく手の込んだ仕事が施された素材をデニムと合わせたりもしてる。スタイル・セッションでは、いかに日常生活で服を楽しむか、というアイデアを女性たちに伝えられる機会なのね。シャネルのパンツは私なら10通りの着方をするけど、誰もそのようには考えてないみたいだった。シャネルの服のクオリティは一生ものなのだから、デイタイムに夜に、とさまざまな着方を学ぶ必要があるのよ」

昨年パリのモンテーニュ大通り店で開催されたスタイル・セッション&カクテルにて。キャロリーヌのパートナーのヤエル・プポーも音楽担当としてイベントに参加した。©CHANEL

これが彼女によるスタイル・セッションである。ショーと日常の媒介を彼女が果たす、と言えばいいだろうか。30名くらいが集まったこのセッションで、彼女は実際の顧客との会話ができ、とても嬉しかったという。

「このセッションは、シャネルを買う女性たちに会えるチャンスなのね。興味深かったのは、問題でもないことを問題だと思い込んでいるような女性がいて……。例えば、この服が好きだけど私には小さいので、とか、好きだけど私の年齢では、というようにね。私はそうしたことに解決策を見つけてあげられる。小さいスモーキング・タイプのジャケットが気に入っている女性には、ひとつ上のサイズを着ることを勧めたわ。そうすることで、ブレザーのように着ることができるの。ちょっとしたアイデアでスタイルを楽しむ提案、退屈じゃないスタイルを見つける提案をするの。とても楽しいわ。ベースにするのはエッセンシャルなアイテムよ」

パリジェンヌが山ほどいる中で、なぜ彼女がフレンチアイコンと形容されるのか。なぜ彼女がシャネルのアンバサダーに選ばれたのか。好奇心が旺盛で話題も豊富、情報に流されることなく自分の意見を持ち、それを言葉やビジュアルで表現することができるのがキャロリーヌなのだ。カール・ラガーフェルドが魅せられているのも、もっともだろう。

シャネル銀座では、6月15日までキャロリーヌのスタイル・セッションの世界観をディスプレイで展開する。彼女が女性たちに伝えたいメッセージがこめられたスタイリングは、要チェックだ。

シャネル 銀座
東京都中央区銀座3-5-3
tel:03-5159-5555
営)12時~20時
休)不定休
www.chanel.com

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