1. トップ
  2. グルメ
  3. 暑いパリ、流行りのラテン・アメリカ料理はいかが?

暑いパリ、流行りのラテン・アメリカ料理はいかが?

  • 2017.6.5
  • 1678 views

■ISANAの美味しい料理でラテン・アメリカ諸国の旅へ。

ひとつの国にこだわらず、ラテン・アメリカ料理の美味しいものを集めました! と欲張りなのはISANA(イザナ)である。ローズ・ベーカリーが有名にしたマルティール通りに行くとき、最寄り駅はNotre Dame de Lorette。その駅がある小さな脇道は、どちらかというとランチタイムのテイクアウト客を相手にしている小さなレストランが並ぶ……という印象があるのだが、その中で一際鮮やかなトロピカル・ブルーの外観で目立っているイザナはちょっと別の存在なのだ。

ブルー、イエロー、ピンクが陽気に彩る店内。壁にはポップな額をかけて。

仕込みは中庭にあるメインキッチンで。店内の手前左のカウンター内で、注文が入った品を客の目の前で次々と準備していく。

この店を開いたのは、経営管理といった職業からレストラン業に転職した、ジャン=ルネ・シャシニョール。アストランスで研修、アピシウスでさらに腕と舌に磨きをかけて……で、その後彼はペルー、メキシコで経験を積んだ。このちょっと風変わりな経歴から、イザナが生まれたのである。料理を通じて、ラテン・アメリカの国々を旅してほしい! というのが、このレストラン誕生の由来である。

メニューの柱となっているのは、ペルーのセヴィーチェ、メキシコのカルニタス、アルゼンチンのエンパナダス。ラテン・アメリカというとなんとなく肉料理のイメージが強いかもしれないが、料理には野菜もたっぷり添えてあり、イザナは今のパリで求められているフレッシュな素材で健全な料理というポイントもしっかり押さえている。メニューには、ベジタリアン、グルテンフリー、ラクトース・フリーの明記も忘れていない。

左:ペルー代表のセヴィーチェ。魚のマリネに野菜、キヌアがミックスされている。13ユーロ。
右:メキシコ料理のバルバコア。甘く煮込んだビーフ、野菜、豆類をビオのライスの上にのせたボール。9.80ユーロ。フルーツジュースは水の希釈なしで、フレッシュフルーツ100パーセントだ。

左:アルゼンチンからはエンパナダス。日替わりのエンパナダス2つ、サラダあるいはスープとセットで10.20ユーロ。エンパナダスのみは1個4ユーロ、2個7ユーロ、3個10.50ユーロ。
右:デザートももちろんラテン・アメリカから。写真はパッション・フルーツのデザート。

12時過ぎから行列が始まり、1時30分頃まではテーブル席がない状態となる。若者たちは夕方のアペリティフ・タイムのように、ワカモレとトルティーヤティップスをつまみながら、席が空くのを待っていたり……行列の半分はテイクアウト客だろうか。店の入り口でオーナー自らメニューの説明をし、ラテン・アメリカへの味覚の旅へと誘っている。

左:レジ。ランチタイムはここに長い行列ができる。ランチセットは12ユーロと15ユーロ。
右:料理でラテン・アメリカの旅を! とオーナー・シェフのジャン=ルネ・シャシニョール。今のところディナーは週に2晩だけだが、いずれ毎晩オープンする予定でいる。photos:Camille Froment(最上段左を除く)

ISANA
7, rue Bourdaloue
75009 Paris
tel:01 42 45 18 72
営)12:00~14:40(火〜金)、19:00~22:30(水・木)
休)土・日
http://www.isanaparis.com/

 

■ペルー発セヴィーチェ、新しい魚料理がパリに浸透中。

今でこそ誰もが和食大好き、お寿司大好きというけれど、ちょっと前までは刺身なんて恐ろしくって、というパリっ子がとても多かった。魚を生で食べるということに、ものすごく抵抗があった……はずの彼らだけど、和食ブームでそれにも慣れたのか、ライムで生魚をマリネしたペルーのセヴィーチェがとても人気。専門店のラ・セヴィーチェリアがパリ市内のあちらこちらにオープンしている。

左:ガラスの外観に青空が映る。店名La Vagueは波の意味。
右:店内。ブルーを基調にした店内に海のイメージが広がる。

La Vague(ラ・ヴァーグ)もそのひとつ。セバステというカサゴ系の魚を“タイガーミルク”と呼ばれるソースでマリネしたクラシックなものから、スズキのゆずマリネ、マグロのジンジャーマリネなどクリエーションも含めて9種がメニューに並ぶ。どのセヴィーチェも野菜が同時に取れるようにアレンジされていて、今のパリっ子のニーズにしっかり応えている。ランチタイムは好みのセヴィーチェにボリュームたっぷりのサイドディッシュとカフェがセットで15ユーロとお手ごろ価格なので、13時頃は満席だ。

この店がちょっと変わっているのは、魚料理がセヴィーチェなら、肉料理は4種のブラックアンガス牛の“tataki”ということだろう。なぜ突然日本が登場? と訝しく思うけれど、日系人が多数暮らすペルーでは、和食、和風はNikkeiと呼んで親しまれているそうなのだ。だから、ペルー料理を語るとき、しょうゆ味があっても不思議なことではないことになる。

左:セヴィーチェのランチ例。これにカフェがついて15ユーロ。メインに好みのセヴィーチェか好みのタタキ、それにサイドをセットする。サイドもツナ&ポテト、キヌアのサラダ、バターナッツのピュレなどチョイスが豊富だ。ペルーのサンドイッチのランチセットは14ユーロ。
右:トレス・レチェス。ランチタイムのデザートは4ユーロとお手ごろ価格。
photos:Mariko OMURA

シャトー・ドー通りなど今話題の地区に近く、若者が多く集う店。カクテルとセヴィーチェ、といったカジュアルな食事がとれるレストランとして、夜もまた人気店なのだ。

デザートのTres Leches (トレス・レチェス)は“3種のミルク”という意味のスポンジケーキ。もし、日本でこれが食べられるレストランがあまりないのであれば、ぜひ ラ・ヴァーグで体験を!

La Vague
38, rue du Faubourg Saint Martin
75010 Paris
tel:09 86 69 80 70
営)12:30~15:00、19:30~23:00
休)日・月
http://lavague.restaurant/

 

■ブラジルのフルーティ朝食をパリのホテルで味わう1ヶ月。

6月15日から7月15日までと期間限定だけど、サンジェルマンのアルチュス・ホテルでは宿泊客でなくても地下1階の朝食ルームでブラジル式の朝食(20ユーロ)をとれる。

メニューはサンパウロのレストランCapim Santo(カッピン サント)のシェフであるモレナ・レイテによるもの。オーガニックに拘った彼女の料理は、ブラジルでも有名。アルチュス・ホテルのためにも、パリジェンヌの要望にしっかりと応えられるフルーツたっぷりのエレガントでヘルシーな朝食を用意した。

左:ビュッフェは20ユーロ。あれもこれも試してみたくなる。
右:ブラジル国民に愛されているアサイーもたっぷりと摂れる。ジュースより、グラノラとミックスするフローズン・アサイー(美味!!)の方がとっつきやすい味かもしれない。

ビュッフェ・スタイルの朝食は黄色をメインにとてもカラフルで、まずは目から食欲がそそられる。とても充実した内容。タピオカのポリッジを筆頭に、とうもろこしのケーキ&グアバのジャム、ミルクジャム添えバナナ・ケーキなどは甘党が喜びそう。そしてブラジル人の健康に不可欠なポリフェノールたっぷりの“魔法の果実”アサイーも、もちろん! フローズン・アサイー&グラノラとアサイージュースがメニューに含まれている。さらにフレッシュフルーツ、チーズ、冷たい飲み物……。

左:手前はとうもろこしのケーキ。ゴヤーヴのジャムと一緒に。後方のバナナのパンケーキにはミルク・ジャムを。
右:ボン・デ・ケージョ。ブラジルやポルトガルのカフェ、パン屋などあちこちで簡単に見つけられるチーズパンだ。黄色いル・クルーゼのお鍋の中には、タピオカのポリッジが。

アルチュス・ホテルは少し前にフィフィーズ・タッチのモダンレトロな大内装に改装した。プチ・ブティック・ホテルで味わうブラジルの朝食で、1日を快適にスタート!!

左:レトロシックなアルチュス・ホテルのロビー。
右:地下の朝食ルーム。フィフティーズの明るい雰囲気で、ヘルシー&スイートなブラジルの朝食を。

Artus Hotel & Morena Leite
朝食 8:00~11:00(要予約)
Artus Hotel
34, rue de Buci
75006 Paris
tel:01 43 29 07 20
http://www.artushotel.com/

 

の記事をもっとみる