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短気でわがまま、子供っぽい…。一生懸命な“ダメすぎる女”をあなたは笑い飛ばせますか?

  • 2017.5.30
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【うるおい女子の映画鑑賞】 第41回『水曜日のエミリア』(米・2009年)

「女性」の視点で映画をみることは、たとえ生物学的に女性じゃなくても日常では出会わない感情が起動して、肌ツヤも心の健康状態もよくなるというもの! そんな視点から今回は、ナタリー・ポートマン製作総指揮&主演の『水曜日のエミリア』(米・2009年)を紹介します。

ストーリー

ハーバード卒の才女エミリア(ナタリー・ポートマン)は、ニューヨークで弁護士としてキャリアをスタートさせると、妻子持ちの上司のジャックと恋に落ちます。そして不倫の末エミリアの妊娠が発覚し、ジャックは優秀な医師である妻と別れて2人は結婚します。

ところが、エミリアとジャックの子どもは不幸にも生後すぐにこの世を去り、エミリアはふさぎ込んでしまいます。それでも週に1回、毎週水曜日には前妻の子どもであるウィリアムが父親の家で過ごすことになっているので、彼女はウィリアムを学校までお迎えに行きます、両親の離婚を彼女のせいと考えるウィリアムとの関係はかなりぎくしゃくしていて彼女を悩ませます。

お勉強のできる“ダメすぎる女”

このエミリアという女性、ハーバード卒の弁護士という設定ですが、登場する友達が2人もいることに「本当か?」と疑いたくなるほど、短気でわがまま、自分のことしか見えていない、つまりは「子ども」です。

十月十日お腹のなかにいた我が子が生後すぐに突然死してしまうことは、本当に不運で彼女が悲しみに打ちひしがれるのは当然のことです。問題は、彼女がその悲しみを免罪符に周りを傷つけ、悲劇のヒロインとして振る舞い続けていること。だけど次第に、彼女は悲しみに溺れないように、周りを蹴り飛ばしながらなんとか浮上しようともがいていることがわかってきます。

あなたは“ダメすぎる女”を笑い飛ばせる?

彼女がダメダメなのは事実ですが、作品中に登場する彼女が悲しみを免罪符に蹴り飛ばしている人々、不倫相手を妊娠させた夫も、過保護&ヒステリーの前妻も、結婚離婚を繰り返す父親も、そんなダメ男と再びよりを戻そうとする母親も、等しくダメダメな存在です。だけど皆がそれぞれに「幸せになりたい」と思いながら一生懸命生きようとしていることは共通しています。

それは作品を鑑賞している私たちも同じで、日々仕事や学校に行くと同時に、恋人、友人、家族の問題を抱えて、つまずいても転んでも、とにかく前に進んでいくしか選択肢はないのです。どんなに不器用で無様であろうと、です。

まずは心の“しこり”を手放して

「人を傷つけたら幸せになれない」「誰かが死ぬことには意味がある」「納得できないことは許せない」「自分の心を傷つけたアイツが憎い」「なぜ自分にばかり不運なことが」。。。そんな風に他人と自分の“徳”と“不徳”のスコアを無意識に付けている人もいるのでは?

ツラい出来事が同時に2つ以上起こると、そんなスコアもつけたくなるほど気持ちがネガティブに傾きがちですが、この映画から学べることは、勃発する個々の不運な出来事に関係性を見出すことは不毛で、それらは“しこり”を産み、さらに状況を悪くするということ。だからこそ他人を攻めるのはやめて「ダメな時はダメでOK」「人生最後の最後帳尻が合うものだ」と構えることが大切なことのように思えます。

まずは心の“しこり”を手放しましょう。私を含め、世の中の女性はきっと全員“ダメすぎる女”なのだから。

text:kanacasper(カナキャスパ) 映画・カルチャー・美容ライター/編集者。編集を手がけた韓国のカリスマオルチャン、パク・ヘミン(PONY)のベストセラー メイクBOOK待望の第2弾『わたし史上いちばん”盛れる”♥ 秘密のオルチャンメイクⅡ』(Sweet Thick Omelet/DVD付/¥1,500・税別)が好評発売中。

記事内image出典:IMDb

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