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【現代恋愛図鑑】vol.09 便利な女は後が怖い ~コンビニエンス彼女~

  • 2017.5.26
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「開いててうれしい」なんてフレーズが新鮮だったのは昔の話。今やコンビニは「開いてて当然」といえるほど、私たちの生活に馴染んだ存在だ。

「都合のいい女」という言葉がある。これは特定の男にとって都合よく振る舞ってくれる女のこと。女性にとっては、他人から言われれば侮蔑としか思えないし、自ら名乗れば自虐的なニュアンスを持つ。

自身のプライドや主張を放棄し、愛する男に媚びなければ愛されないという卑下な思い込み──誰が見ても不幸にしか思えないが、当の「都合のいい女」自身は意外とその立場に甘んじていることが多い。そもそも理不尽を感じているならば、男に都合よく扱われることを拒否し、抗議するか離れていけばいいのだから。

「都合のいい女」と「便利な女」は、似ているようでニュアンスが異なる。
前者は男の身勝手により振り回されている女だが、後者は自ら彼のニーズに応えるホスピタリティー(あるいはサービス精神)の高い女である。別の言い方をすれば「察しのいい女」といったところか。

便利な女は、好きな彼へのリサーチを怠らない。常に彼の挙動を観察し、彼が喜びそうなことを先回りして提供し、感謝を貯めていくことで達成感を得る。

そんな便利な女が自分の恋人や妻だったら、さぞかし幸せだろうと男は考えるかもしれない。
実はそこに落とし穴がある。

すでに男の隣にいるパートナーは自ら「便利な女」になろうと努めているかもしれないのに、肝心の男が気づいていないというケースは多い。
それは女の観察が足りないのかもしれないし、男のニーズを正しく把握できていないのかもしれない。

よかれと思って発揮しているはずのホスピタリティーも、ピントがずれてしまったら伝わらない。

ただでさえ男は鈍感だ。目の前の仕事に夢中だったり、他の女によそ見をしていたりすれば、パートナーの愛情表現すら「あって当然」かのようにスルーしてしまう。
そんなすれ違いが繰り返されるうちに、便利な女は虚しさを覚える。感謝の貯金はマイナスとなり「こんなに愛しているのに」という気持ちが恨みつらみへと変換されていく。

男主導の「都合のいい女」であろうと女主導の「便利な女」であろうと、それが愛情という名の善意なら「愛を伝えられた」時点で満足すればいい。自己を犠牲にしてまで尽くしているから、見返りを求めてしまうのだ。

いつでも便利なコンビニだって、対価を払うから商品やサービスを受けることができる。
「してもらって当然」などと、愛情にあぐらをかいていたら後で痛い目に遭う。

ひそかに求められる見返りも、感謝ばかりとは限らない。
彼女から提供されたサービスに対し、感謝の言葉やお礼が見合っていればいいが、「そんなんじゃ足りない」と不満を残されたら彼氏は困るだろう。

男からのリクエストならまだしも、求めもしないのに女のほうから過剰なサービスを提供されたあげく「お礼に〇〇してほしい」と要求されたら、もはや愛情の押し売りだ。

もしも彼女や妻が「もっと愛されるために」気の利く女になろうとしていたら、男のあなたは制止したほうがいい。
タダほど高いものはないのだから。

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