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ひと味プラス! 今夏の新しいマリン・ストライプ。

  • 2017.5.25
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毎年夏のモードには欠かせないのは、紺白ストライプのマリニエール。パリジェンヌにとってマリニエールといったら、プチバトーかセントジェームス(正式にはサン・ジャム)だ。今年、どちらのブランドもコラボレーションによって、シンプルなストライプに新しい魅力をプラスした。

■パリ7区の剥製・標本の老舗のデイロールとプチバトー。

宿り木に並んでいるようなオウムたち、ストライプの波間を泳ぐ魚たち……自然界をデザインに取り入れたのは、プチバトーの今年のマリニエールだ。

デイロールとコラボレーションしたマリン・ストライプのTシャツは、レディース、メンズ、そして子ども用。©LE CREATIVE

創業1893年のプチバトーが、このカプセル・コレクションのコラボレーションをしたのは、パリ7区にある創業1831年のデイロール。老舗同士がタッグを組んだ、という感じだ。鳥や動物の剥製、蝶の標本などが空間を満たす博物館のようなデイロールのブティックは、パリのブルジョワ家庭の子供達に愛され続けている。彼らはこの店で昆虫や動物など自然界の生き物への興味を掻き立てられ、想像力を育まれる。そうした子供が大人になると、今度は自分が子供達を連れてくる番となり……という店だ。とりわけ有名なのは、その昔小学校で教育用に使われた動物、植物など自然界の種別図表。プチバトーは、このカプセル・コレクションでその図表の中のクラシックなデッサンとマリニエールと組み合わせた。

コラボレーションに使われたデイロールの図版ボード。

左:コラボレーションでの発表によると、子どもやベビー用には愛らしいイチゴ、イチゴの花、ひなげしのデッサンも。
右:パッケージもこんなに可愛い。ギフトにしたら喜ばれそう。

なお、5月31日から販売が始まるこのカプセル・コレクションにはマリニエールだけでなく、Tシャツやショーツも。まだデイロールに足を踏み入れたことがないなら、ボン・マルシェからも遠くないことだし、ぜひ次のパリ旅行で。1階には庭仕事を愛する人のためのブランド、プランス・ジャルディニエの売り場がある。というのも、1995年にこのブランドの創始者であるルイ・アルベール・ドゥ・ブロイユ公爵が、デイロールのオーナーとなったからだ。彼も幼い子頃からこのブティックのファンだったのだろう。1881年にこの場所にブティックが引越してきた当時のままの階段を上がると、剥製の動物たちに迎えられる、ちょっとしたワンダーランド。これらは病院や動物園などで病死した動物たちだ。横長の店の一番奥の、素晴らしい蝶々のコレクションは眺めるだけの人もいるが、買い物も少なくない。気に入った蝶々を選び、黒か白の標本ボックスにセットしてもらう。これで、流行りのキャビネ・ドゥ・キュリオジテのエスプリをインテリアに簡単にプラスできる。

左:このブティックが大火事にあったとき、大いなる話題に。さすがパリの子どもたちの心の故郷だ。
右:狭い階段を上がって2階に。動物たちがお出迎え。
photos:Marc Darcon

パピヨン・ルーム。世界中に生息する蝶の種類の豊富さ、色や模様の美しさに驚かされる。昆虫をとじこめたプレクシのキーホルダーなど、ちょっとしたお買い物もできる。
photos:Marc Danton

Petit Bateau
53bis, bue de Sèvres
75007 Paris
tel:01 45 49 48 38
営)10:00~19:00
休)日Deyrolle
46 rue de Bac
75007 Paris
tel:01 42 22 30 07
営)10:00~19:00(月 10:00~13:00、14:00~19:00)
休)日

≫ サン・ジャムが、マラン・モンタギューとコラボレーション!

■ノルマンディー発、サン・ジャム×マラン・モンタギュー。

ノルマンディーの観光名所モン・サン・ミッシェルの近くで、1889年からマリンニットやマリニエールを製造しているSaint James(サン・ジャム)。なぜかフランス人でもJamesを英語読みしてサン・ジェイムスと呼ぶ人が多く、日本でもセントジェームスとして展開しているが、ブランド名はサン・ジャムである。そのサン・ジャムはこの夏イラストレーターのマラン・モンタギューとコラボレーション。そのカプセル・コレクションは5月半ばから販売がスタートした。

大人用は各89ユーロ。

左:子供用は59ユーロ。右:マラン・モンタギューによるノルマンディー・ガイド「Bonjour Normandie」は購入者へのギフト。

南フランス生まれながら、アトリエは愛するノルマンディー地方に構え、パリと行ったり来たりの暮らしをしているマラン。サン・ジャムと彼のコラボレーションは、大人用は2種のイラストをタトゥー風にプラスしたマリニエールで、子供用は碇を胸に大きく描いたマリニエールだ。

このコラボレーションに際して、彼はドーヴィル、モン・サン・ミッシェルなどノルマンディー地方をプジョー430で散策。そして、メゾン・ドット、ブティック、レストラン……80以上のお勧めのアドレスを盛り込んだ「Bonjour Normandie(ボンジュール・ノルマンディー)」というガイドを作り上げた。彼によるBonjour City Maps Guideのシリーズ同様に、愛らしいイラストが満載された折りたたみ式で、このカプセル・コレクションの購入者にプレゼントされる。ノルマンディーに行きたい夢をかきたてる、素敵なガイド。なお、サン・ジャムの各ブティックでは、マランが車を走らせ、各地で水彩を描くこのガイド作りのバックステージの映像を見ることができる。

 

左:牛や羊……ノルマンディーの景色に欠かせないあれこれ。マランによるイラストがガイドを埋める。©Marin Montagut
右:ガイドを準備中のマラン。後方にモン・サン・ミッシェルが眺められる。photo:Claire Cocoon

イラスト展は昨春東京で開催されたけれど、まだマラン・モンタギューの名前は日本ではあまり知られていないようだ。が、パリではグラン・パレで開催中の『Jardin(庭)』展とのコラボレーションを行ったこともあり、知名度上昇中である。アントワネット・ポワソンの印刷によるリュクサンブール公園、チュイルリー公園などパリでおなじみの公園のデッサンは掛け軸風だ。各公園に特有のモチーフのイラストは、アリックス・デ・レイニスによるリモージュ焼きの陶器となって……。今後、パリのクリエイティブなコラボレーションにおいて彼の名前を聞く機会は、ますます増えるにちがいない。

左:グラン・パレ内のブティックでは、『庭』展の開始時にマラン・モンタギューとのコラボレーションを発表。
右:4図版入りのデッサン用カートンはアントワネット・ポワソンによる印刷がクラシックで美しい。420ユーロ。

左:パリ植物園は蛇やピンク・フラミンゴ、チュイルリー公園は青首鴨をマランはモチーフに選んだ。リモージュ焼きのカップ各48ユーロ、コーヒーカップは各30ユーロ。
右:リュクサンブール公園、チュイルリー公園、植物園のイラストをプリントしたシルク・スカーフ(90×90cm)。各185ユーロ。

Saint James
116, rue Vielle du Temple
75003 Paris
tel:01 40 09 87 00
営)11:00~20:00(日 14:00~19:00)Boutique du Grand Palais
3 av. du Général Eisenhower
Square Jean Perrin
75008 Paris
tel:+33 (0)1 44 13 18 43
営)10:00~20:00(日、月、木)、10:00~22:00(水、金、土)
休)火

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