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日本伝統の婚約の儀式「結納」ってなに?

  • 2017.5.24
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これから結婚するみなさまへ…

お互いに結婚の意志を確認したら、その家族同士のご縁を結ぶ結納を考えてみましょう。「形式だけ」と思われがちな結納ですが、堅苦しく思う必要はありません。両家で結婚式への準備を足並み揃えてスタートさせてくれる場として結納を行ってみてはいかがですか?

【今日のコンテンツ】
■日本の伝統儀式、結納の意味を知っておきましょう
■結納をすると決めたら両家で確認しておくこと
■結納とは具体的になにをするのでしょう?
■結納にまつわる費用と支払は?

撮影/金子吉輝 フラワー・コーディネイト/アルマ マルソー

 
日本の伝統儀式、結納の意味を知っておきましょう

日本では古くから、婚姻関係を結ぶ際に両家で酒を酌み交わし祝う習慣があり、このときの酒肴品や贈り物を「結いのもの」といい、これを結納と呼ぶようになりました。また、結婚とは家と家との結びつきであると考えられており、贈られた結納品を飾ることで、ふたりが正式に婚約したことを周囲にお披露目するという意味がありました。「今どき結納なんて…」と、最近は結納をしないカップルもたくさんいますが、実は結納はとても合理的な婚約の公表方法なのです。これでふたりは晴れて婚約者同士と社会的にも認められることになり、結納を通して両家が足並み揃えて結婚式に向かって進んでいくことができます。そして、結納の最大のメリットは心の部分。結納を実際に行った多くの人が、相手の家にきちんと迎えられているという実感と喜びをもつことができたといいます。それこそが結納をする意味であり、口約束の婚約とはいちばん違う部分だと思います。

結納をすると決めたら両家で確認しておくこと

互いの家族にあいさつをすませたら結納の準備を始めましょう。両家で事前に話し合うべきことをまとめました。確認用に使ってください。
□仲人の依頼の有無(仲人を立てるかどうか、結婚式の媒酌人も兼ねてもらうか)
□日取り・時間(仲人、両家の都合を確認)
□結納の場所(女性宅、男性宅、仲人宅、ホテル、レストラン、料亭など)
□出席者(仲人、両親、兄妹、祖父母など)
□結納品・結納金の準備(結納品、目録、受書、祝膳)
□結納当日の服装(正礼装、準礼装、略式、和装、洋装など両家の格を合わせる)
□祝膳の費用負担(折半にすることが多い、女性宅で行う場合は女性側が支払う)
□家族書・親族書(作成するか、省くか、どの範囲まで記載するか)
□仲人への謝礼(仲人の依頼方法、謝礼、お車代、祝膳の費用や分担)
□進行を誰が行うか(仲人を立てない場合は誰がするか)
□写真撮影(正式写真、スナップ、撮影無し)

結納とは具体的になにをするのでしょう?


以前は、花嫁の自宅で行うのが一般的でしたが、今はホテルの結納プランを利用したり、料亭などで行うのが主流になりました。ホテルで結納を行う場合は、ホテルの担当者が司会進行役を務めることも。順序としては、まず新郎側が新婦側に結納品を納め、口上を述べます。次に、新婦側は目録をあらためてから口上を述べ、受書を手渡します。関東式では同様のことを新婦側からも行います。最後に互いの婚約記念品を披露して、食事会に進みます。結納品とは、目録、長熨斗(ながのし)、金包(結納金)、末広(すえひろ)、友志良賀(ともしらが)、子生婦(こんぶ)、寿留女(するめ)、勝男武士(かつおぶし)、家内喜多留(やなぎだる)などになります。これより多い場合も少ない場合もあり、関西では新郎家から新婦側に納め、関東では双方で取り交わします。9品目の呼び方や内容も、地域によって違ったりしますので、方法や品目については互いの家族の意見を聞き、話し合っておきましょう。結納品のひとつひとつには意味があり、幸せを願う心があります。それを理解して、なぜこれらの伝統が受け継がれてきたのかを改めて考えることができたら、それも素敵なことだと思います。

結納にまつわる費用と支払は?

結納にかかる費用は、結納品、室料(ホテルや料亭など)、飲食代なども合わせ、全部で約20万から30万円(婚約記念品を除く)です。このくらいの出費で両家揃ってスタートできるなら決して高い金額ではないでしょう。結納金のやりとりに抵抗がある場合はお金に代えて5円玉に紅白のヒモを結んだものを用意する人もいます。費用の負担については地域性や両家の考え方など、いろいろと違いもあるので事前に新郎新婦が両家の意向をくみ、誤解のないようにしましょう。結納品をいただくから女性側が払う、お嫁さんを迎えるのだから男性側が支払う、もしくはまだ結婚前なので両家で折半など考え方はいろいろあります。自分たちのことだからと本人が負担することもありますが、家と家とのつながりとして親が支払うことも多いようです。それぞれの方法がありますので事前に相談して、当日、スムーズにいくようにしておきましょう。日本の伝統に則った結納の一日はきっといつまでも心のよりどころとなるに違いありません。

撮影/金子吉輝 フラワー・コーディネイト/アルマ マルソー

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