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一度食べたら忘れられない…。“香りの力”を使った大阪のパティスリー「セイイチロウ ニシゾノ」

  • 2017.5.16
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香りがもたらす印象や記憶は想像以上のもの。大阪・肥後橋の「Seiichiro NISHIZONO(セイイチロウ ニシゾノ)」では、そんな“香りの力”を使った華やかなスイーツが日々誕生しています。オーナーの西園さんは、「食べた人の記憶に残るものを」という思いから、さまざまな香りを意識したメニューを考案しているそう。ひと口食べれば、薔薇やすみれの香りがやわらかに口の中で広がっていき、新鮮なひとときへと誘ってくれます。

オフィス街の隙間に開かれる洋菓子店

大阪“キタ”の中心地・梅田からほど近い、オフィス街の肥後橋。中央を走る四ツ橋筋を一本入ると、カフェやレストラン、スイーツ店など飲食店や公園が点在しています。
休日は家族で賑わう西船場公園の目の前に、2014年にオープンしたのが、この「セイイチロウ ニシゾノ」でした。

西園さんが出会った、洋菓子を作るおもしろさとは?

パティシエを目指したきっかけは、高校3年生の頃にあるテレビ番組を見たこと。
通学路にあり当時よく通っていた洋菓子店「御影高杉」の高杉良和さんが、番組内で洋菓子を手がける姿を見て、ケーキづくりに興味を抱いたのだそう。専門学校へ入学し製菓を学んでいくうちに、砂糖や卵の数など、基本の材料の変化によってさまざまな姿へと変わっていく洋菓子のおもしろさに魅了されていきました。

自分のケーキを記憶に刻んでもらうために

専門学校の卒業制作にて、自身の課題となったことは「食べた人の記憶へ残すには?」ということ。
そこで思いついたアイデアが、ケーキに香りを伴わせることで嗅覚にも訴え、印象づけることでした。身近なものでいえば香水やシャンプーなど、どんな人にとっても嗅いだ瞬間に当時を思い出すような香りがあるように、香りの力は計り知れないもの。
それ以来、西園さんが手がけるスイーツのほとんどが、香りを意識し生み出されています。

まずは定番商品「ドラマティック」を

お店の名物である「ドラマティック」は、西園さんが専門学校を卒業する際に思いつき、ずっと作り続けているもの。
学生時代のフランス留学で食べた、薔薇を使ったモンブランに心を打たれ、その記憶から思いついたメニューです。
真っ白な見た目からは想像がつかないような薔薇の香しさは、まさに一度食べたら忘れられない体験。何度も食べることで、自分の記憶へ閉じ込めたいと感じる人も多いはず。

おなじく定番商品の、フランスのモンテリマール地方でお馴染みの「ヌガー・モンテリマール」(259円)は、ピスタチオやフルーツが彩る上品な味わい。はちみつを煮詰めた香りとローストしたアーモンドが、豊かな風味を醸し出しています。
ベリーの香りがふんわり漂う、イチゴとココナッツを使った「ヌガー・フレーズ」(259円)や、レーズン、くるみ、いちじくが入った「ヌガー・キャフェ」(270円)も。挽いた珈琲豆で香り漬けをしており、焙煎されたばかりのようないい香りが漂います。

素材を活かした自家製アロマオイル

口に運んだ瞬間にわかるのが、どの香りもまるで本当にそのものを食べているかのような感覚になるケーキばかり。
西園さんは、いかに香りのバリエーションを出せるかを考えて、ほとんどの香りを自分で手がけているのだそう。
例えば春は、木の芽や山菜の香りを出すために、つくしやフキノトウをオイル漬けにして香りを作ったり、ジャスミンの香りを出そうと茶葉を太白ごま油で1時間加熱してみたり。この作り方はイタリア料理でよく食卓へ置かれている、とうがらしのオイルからヒントを得たのだとか。

旅先の体験が香りとなって登場

ひと月で12種類ほど新商品が生まれる、メニューの幅広さも特徴の一つ。それもそのはず、西園さんは月の半分は国内や海外を回り、旅先で見た風景や感じた香り、始めて出会う食材をヒントに、創作に励んでいるのでした。例えばスペインでは街全体にオレンジやオリーブ、レモンの香りを体いっぱいに感じ、柑橘系の香りをまとったチョコレートを生み出しました。

女性だけでなく、一人で訪れる男性客も多いそう。香りが紡ぐお菓子の世界を体験しに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?きっと今までとはひと味違った、お菓子との出会いになるはずですよ。

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