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身体ナビゲーションVol.31 「副腎皮質ホルモン」

  • 2014.12.19
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回から副腎について(http://papimami.jp/32471)ご紹介させていただいていますが、今回は副腎皮質から分泌されるさまざまなホルモンについて解説したいと思います。

副腎皮質から分泌されるホルモンは、コレステロールから合成される『ステロイドホルモン』に分類され、まとめて『副腎皮質ホルモン』ともよばれます。副腎皮質は外側から順に『球状帯』『束状帯』『網状帯』の三層に分かれ、それぞれから異なるホルモンを分泌しています。

●球状帯から分泌されるホルモン

外側の薄い球状帯からは、電解質代謝に関与するホルモンの総称である『電解質コルチコイド(鉱質コルチコイド、ミネラルコルチコイドとも呼ばれます)』が分泌されます。

電解質コルチコイドの中でも代表的なホルモンが『アルドステロン』です。

アルドステロンは心臓などに作用し、ナトリウム(イオン)の再吸収とカリウム(イオン)の排出を促し、体液中の塩分や血圧の調整を行っています。

●束上体から分泌されるホルモン

中央の束上体からは糖代謝に関与するホルモンの総称である『糖質コルチコイド(ダルココルチコイド)』が分泌されています。

糖質コルチコイドの中でも代表的なホルモンが『コルチゾール』です。

コルチゾールは、糖代謝をはじめ、タンパク質代謝、脂質代謝、抗炎症作用などの免疫機構にも関わる、生体にとって必須のホルモンです。また、ストレスにも関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加します。

ちなみに、副腎皮質ホルモンを人工的に合成した薬を『副腎皮質ホルモン剤』または『ステロイド剤』といいます。多くの場合は免疫機能や炎症を抑える糖質コルチコイドの成分を化学合成したものです。自己免疫疾患やアレルギー疾患の他、さまざまな病気の炎症を抑えるのに用いられます。

●網状帯から分泌されるホルモン

内側の網状帯からは男性ホルモンの総称『アンドロゲン』に属する『アンドロステンジオン』が分泌されます。

アンドロステンジオンは副腎皮質より分泌される性ホルモンですが、男性ホルモンとしての作用は弱く、精巣から分泌されるテストステロンの20%程度の男性化作用を持ちます。男性では生殖器の発達・機能維持をし、女性では陰毛・腋毛などの発生の作用を持ちます。

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「『ステロイド』という言葉は知っていても、単なる薬品名だと思っていた」という人もいるようですが、実は、私たちの体内で作られているものを化学合成している薬品なのです。

ホルモンの分泌はストレスに大きな影響を受けるので、ストレスコントロールをうまくして、化学合成されたもののお世話にならないようにしたいものですね。

【参考文献】 ・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

(ライタープロフィール)

SAYURI(心理食育インストラクター)/長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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