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最近よく聞く「健康寿命」って?平均寿命との違いとは

  • 2017.4.27
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核家族化が進んでいる近年では、高齢者との日常的な関わりが少なくなったせいか、寿命がくるまでは自分のことは自分でできると思い込んでいる人も少なくありません。でもそれって本当?
今回は健康寿命の延伸のため様々な活動をしている予防医療推進協会理事長の筆者が、若いときから知っておきたい“健康寿命”についてご紹介します。
 

平均寿命と健康寿命の違いとは

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平均寿命とは、例えば寝たきりであっても生きている人の平均値を指し、厚生労働省の発表(平成22年)では男性が79.55歳、女性では86.30歳となっています。
一方で健康寿命とは自分のことは全て自分ででき、日常生活に何の支障もない状態を指し、同年の調査では男性が70.42歳、女性では73.62歳となっています。
 

平均寿命と健康寿命の差が、女性では12.68年も

平均寿命と健康寿命の差は平成22年の段階で男性では9.13年、女性ではなんと12.68年。これがどういうことかというと、この期間は例えば思うように歩くことができず杖をついて歩かなければならなかったり、脳血管疾患のような病気で半身が麻痺したり言葉が思うように話せない言語障害が出たり、認知症であったり、寝たきりであれば排泄も人の手を借りなければならないことも。そんな期間が女性では12年以上もあるということなのです。
 

まずは正しい知識を身につけて、日々の生活を見直すこと

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そんな現状を打開しようと、国民や企業などに健康づくりの取り組みを浸透させるための国の政策が、“健康日本21”です。具体的には“メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加”、“80歳で20本以上、60歳で24本以上の自分の歯を有する人の増加”、“意識的に運動を心がけている人の増加”、“日常生活における歩数の増加”や“糖尿病合併症の減少”などが挙げられています。
しかし現状としてはメタボリックシンドロームという言葉は知っているものの、単なる肥満やポッコリお腹=メタボリックシンドロームだと勘違いしている人も多かったり、糖尿病についても改善は見られていません。
医療は目まぐるしい進化をしていますが、残念ながら食事や運動、ストレスマネジメントの改善なしでは、こうした健康寿命の延伸は計ることができないのです。このことは医療が進化しているにも関わらず、国の医療費の増加に歯止めがかかっていない現状を見ても分かることでしょう。
 
自分のことは自分でできる生活を脅かすのは、“生活習慣病”と呼ばれる病気ばかり。今あなたが過ごしている日々の生活が将来の姿を形作るということをもう一度意識して、生活習慣の改善に取り組んでみませんか?
【参考】
平均寿命と健康寿命を見る – 厚生労働省
健康寿命の延伸に向けた最近の取り組み – 平成26年版 厚生労働白書
【画像】
※ A. and I. Kruk / Shutterstock

【筆者略歴】

佐々木 さゆり

長年の医療業界での経験や40㎏減量の体験を生かし、延べ3万人を超える人の心と体の健康に携わる。総合栄養学・身体機能等を学べる「予防医療指導士」のテキスト監修者でもある。著書は「本当は怖いデスクワーク」

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