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知っておきたい!オーラルセックスでもうつる性感染症

  • 2017.4.25
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大人の恋人同士ならお付き合いが始まって定期的なセックスがあるのは自然なことですが、避妊のためにセックスのときにはコンドームを使用しても、その前のオーラルセックス(口腔性交)の段階ではコンドームを付けない人は多いもの。しかしオーラルセックスでも感染する性感染症があるって知っていますか?
今回は予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、厚生労働省が発表している“オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A”のデータをもとに、知っておきたい基礎知識をご紹介します。
 

オーラルセックスだけでもうつる性感染症

(1)淋菌感染症

いわゆる淋病と呼ばれるもの。感染から発症するまでには2~7日の潜伏期間があり、特に女性は症状がおりものの増加程度だったり、無症状だったりのまま進行し、骨盤腹膜炎を発症して下腹部に強い痛みが起こって初めて気がつく場合も。
ここまで進行すると入院治療が必要になることもありますので、生理前や生理中でもないのにお腹に強烈な痛みがあったら早めに受診しましょう。
 

(2)クラミジア感染症

潜伏期間が1週間~3週間と長い上に、男性では半数、女性では約7割が大した自覚症状がないため、気づきにくい感染症だと言えます。しかし進行すると腹膜炎を起こしたり、卵管の癒着や不妊の原因になってしまうこともあります。
 

(3)ヘルペス感染症

口に感染すると唇や口の中に口内炎のような水疱や潰瘍ができて痛むために気づきやすい感染症ですが、単なる口内炎、口唇炎と勘違いすることも。そしてヘルペス感染症は皮膚同士の接触、つまりキスなどでもうつるリスクがあります。
 

(4)梅毒

厚生労働省 健康局 結核感染症課の発表している“最近の性感染症の動向”によると、女性の梅毒感染者届出数は、2010年から2015年の5年間でなんと5倍に。梅毒に感染すると3週間ほどの潜伏期間の後、唇や口の中そして性器に潰瘍ができるのですが、痛みがないため放置してしまうこともあります。
放置しても自然に消えていくので気にならないのですが、病気そのものが治ったのではなく数ヶ月後には手のひらや足の裏などに乾いた発疹ができるなど徐々に進行していきます。
 

オーラルセックスでもコンドームの使用を心がけて

こうした性感染症は性器から性器にうつるだけでなく、口から性器へ、性器から口へ。そしてヘルペス感染症では口から口への感染もあるのです。
厚労省によるとオーラルセックスの段階からコンドームを使用するカップルは約20%にとどまっており、性器に淋菌を保っている人の10~30%、クラミジアを保っている人の10~20%が口腔内にも菌があるとのデータを考えれば、オーラルセックスの段階からコンドームの使用を心がけた方がいいでしょう。
 
いかがでしたか?「酔った勢いで……」や「旅行の開放感で」などその場の雰囲気に流されず、出会って間もない相手との性交渉は持たないこと。そして信頼できるパートナー以外の人とは例えオーラルセックスだけでもしないこと。加えてパートナーにも性感染症のリスクを正しく理解してもらうことが、自分を守るための女性の心得と言えるのではないでしょうか。
【画像】
※ Nikodash / Shutterstock
【参考】
オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A – 厚生労働省
最近の性感染症の動向 – 厚生労働省

【筆者略歴】

佐々木 さゆり

長年の医療業界での経験や40㎏減量の体験を生かし、延べ3万人を超える人の心と体の健康に携わる。総合栄養学・身体機能等を学べる「予防医療指導士」のテキスト監修者でもある。著書は「本当は怖いデスクワーク」

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