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【女子のばんそうこう】「男はみんなこれが好き」は右から左へ聞き流せ。

  • 2017.4.20
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昔から、女性誌に頻繁に登場する「男性座談会」が好きじゃなかった。

例えば…いろんな職種の男子が覆面で登場して語る「ボクらの本音!グッとくるファッション・苦手なファッション」みたいなやつ。

自分のようなキャラがその俎上に上げられることすらないのは重々承知でも、そこで語られる「いいと良くない」があまりに画一的だったからだ。曰く、「自分の彼女には露出の多い服は着て欲しくない」「派手な服には引いてしまう」「メイクもヘアスタイルも、頑張ってる感は頂けない」「ワンピースっていいよね」「さりげなく男を立てて気を使ってくれるとグッとくる」…。

え?女子というのはあまねく「でしゃばらず自己主張せずおっとり控えめ」じゃないとモテないの…?みんなみんな、そういうのが好きなわけ?

でも私がそれらの雑誌のメインターゲットだった時代からずいぶん時が経ち、男女の価値観もずいぶん変わっただろうな…と思っていたら、先日ネットでちょこっと炎上した男性ライターの記事がくだんの男性座談会の中身とあんまり変わっていなくて、「そうかこれは普遍なのね…」と悟った。

その記事にはモテたいならもっとマーケティングが必要だと書いてあり、「男は女の服など見ていない」「男はすっぴんが好き」「浪費しそうな女は敬遠される」…つまり「ナチュラルで清楚な女子がいちばんモテるんだよ」というおはなしであった。

ライターご本人は「メイクやお洒落をしたい女性を否定しているつもりは毛頭なく、もしモテる機会を増やしたいなら、多数の男性が支持するその方向性を選ぶのが効率がいいということ」と言っていて、確かにそれはひとつの正解だと思う。

ただそれは「正解のごく一部」に過ぎない。そしてこの正解は、大抵の女性にとってはあまり心地よくない選択だ。女性たちからの反論が多かったのはそのせいだと思う。

槇村さとるの漫画「Real Clothes(リアル・クローズ)」にこういうセリフがある。オーダーメイドの洋服に対する既製服について語る箇所。

「平均的な体型に作られた服」というのはつまり「誰にもフィットしない服」です。

「男はこういう女が好き(逆もね)」「こういうファッションやキャラがモテる」の多数派意見を見ると私はいつもこのセリフを思い出してしまう。

「みんなが好き」「総じて好感度が高い」…そこへ自分を添わせようとすると、絶対にしっくりこない。他人におんなじように見えたとしても、実際は女だって男だってひとりひとりはかなり違う個性がある。「みんながいいって言うランド」へ行こうとすると、おのずとそのでっぱった個性の部分を引っ込めなくちゃならない。既製服に自分の腹肉をえいやと押し込める時みたいに。

無理に押し込めてると血が通いづらくなって、いつか心にセルライトが溜まり始めるよ。第一、そんなワタシじゃなくても出せるような美徳に惹かれてきた男にあなたは素のしょーもない自分をいつか出せるのか…?

もちろん「出会う機会」「いいなと思ってくれる機会」を増やすのは恋のチャンスとして有効だし、清潔感とか最低限の常識とか、そういうのはあるに越したことはない。

だけどそれは決して誰かの顔色を見て、自分を押さえつけることとイコールではない。

「Real Clothes」では先ほどのセリフの後に「そこで大切なのが、お直しの技術」と続く。既製服が合わなければ、お直しで自分の身体に合わせる。大多数の総意でつくられた平均的な服とはカタチが違うけれど、自分のキャラとラインに合っているものを着ている方が絶対に魅力的。それが服じゃなくて「世間から提示された正解」でも同じことだ。

しっくりこなくても、気にしなくていい。添わなくていい。こちらが合わせるのではなく、自分の色と方向性にお直ししてしまえばいい。

…というわけでこの話、次回にも続きます!

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