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【子どもを危険から守るために、今日から子どもに教えておきたい護身テクニック 第2回】腕をつかまれた時の対処法

  • 2017.4.20
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第1回では「『何かヘン』に気がつける状況認識力」のつけ方について元CIA捜査官が書いた『状況認識力UPがあなたを守る』のエッセンスを紹介しました。

第2回では、「何かヘン」と感じた時に適切な行動がとれるように、子どもに伝えておきたいスキルをテーマにします。

「気をつけなさい」などと漠然と話しても子どもは不安になるだけ。身につけることでより安心して過ごせるスキルとして、具体的にシーンを想定して練習してみるのもポイントです。

『状況認識力UPがあなたを守る:元CIA捜査官が実践するトラブル回避術』
ジェイソン・ハンソン著/パンローリング株式会社
CIAで活躍し培った護身テクニックを基に訓練学校を設立した著者が危険に満ちた現代社会で、犯罪被害に遭わず、災害時に命を守り、安心して暮らすために必要なテクニックと備えを伝授する本。
■1)何か起きた時に、人間は「楽観的」に考えてしまうことを知る
不測の事態が起きた時に、根拠がなくても「きっと大丈夫」と楽観的に考えてしまう傾向が人間にはあるそう。

心理学では「正常性バイアス」と呼ばれる状態で、自分にとって都合がよくないことを見て見ぬふりをしたり、「今まで起こったことがないから、これからも大丈夫」などと起きている事態を過小評価したりすることで自分自身を安心させてしまうものです。

その傾向は大人も子どもも同じ。大変なことが起きた時に、自分を安心させることは冷静な行動を取るために大切ですが、避難など必要な行動が遅れる原因にもなりえます。

大人がそのことを理解しておくだけでなく、子どもにも「人間って何か起きた時に『大丈夫』って思いたがる生き物なんだって。あわてないのは大切だけど、本当に大丈夫なのか考えるようにしようね」と伝えておきましょう。

■2)とにかく「すぐに逃げる」!

著者によると、何かアクシデントに見舞われた時に助かるのは、行動を起こした者だけだそう。心配な時はとにかく逃げて助けを呼ぶように子どもに日頃から言い聞かせましょう。

大人でも難しいことですが、平常心バイアスで「大丈夫なはず」と油断をしたり、恐怖のあまり固まったりしないためには、心の備えが大切です。

「こういうことが起こったらこうする」と起こり得るシーンと取るべき行動を日頃から具体的に話しておきましょう。「何かヘンと思ったらまず逃げるんだよ」と日々伝え、逃げる練習もしておきましょう。

それでも、本当にこわい目に遭った時にきちんと対処できるかどうかは未知数ですが、少なくとも何の備えもないままの状態よりは、動ける可能性が高まります。

■3)「腕をつかまえられたら」など対処法を具体的に教える

まず教えておきたいのは、腕をつかまれた時の対処法。実際に親が悪い人役になって、コツをつかむまで練習をしてみましょう。

1. 逃げたい方向に動くのではなく、相手側に踏み込む
逃げたい方向に動くと、相手と綱引き状態になってしまうが、相手の方へ踏み込む動きで相手のスキをつく。

◎ 相手に踏み込んでスキをつく

× 引っぱると綱引き状態になってしまう

2. ひじを使って攻撃
ひじをあげることで、相手の手がはなれやすくなります。ひじを使って相手の顔を攻撃できるようであればなおいいです。

ひじを使おう

3. そのスキに逃げる
スキをついてとにかく安全な場所まで逃げるように教えましょう。最初に躊躇なく動くことが肝心。時間が経てば経つほど、逃げられるチャンスは減っていきます。

※小さな子どもの場合や、力が強い相手で腕をはなしてもらえない場合は、反対の腕も使って力を加え、「テコの原理」で腕をはずそう。

テコの原理を利用する

本当はこのようなテクニックを子どもに教えずにすむ社会だったらいいのだけれど、残念ながら万が一の危険に備えるにこしたことのないのが今の日本。

もしもの時に後悔しないように、安心して子どもが暮らせるように、子どもに安全に生きるためのテクニックを伝えていくのも今の親の役目の一つになったのかもしれません。


(まちとこ出版社)

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