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5歳で中学レベル!? ネイティブの英語学習法“フォニックス”の魅力とは

  • 2017.4.12

こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。

香港で現地系インターナショナル幼稚園に通ったわが家の子どもは、「フォニックス」で英語の読み方を学びました。

アルファベットとイラストと英単語を組み合わせたフラッシュカードを嬉しそうに小さな手で抱え込んでは、歌ったり踊ったりといったゼスチャーとともに発音していく様子は、かわいくも滑稽でもありました。

しかし、あっというまに発音を身につけていく子どもたちと、そのフォニックスというプログラムには感心させられたものです。

今回は、日本でも耳にする「フォニックス」という英語学習方法の魅力や効果 についてご紹介します。

●フォニックスって何?

「Phonics」は、英語の基本であるABCを、「エー・ビー・シー」という読み方ではなく「ア・ブ・クァ」という“発音”で覚えよう というプログラムです。

この違いにどんな意味があるかというと、エー・ビー・シーを覚えても、それらのアルファベットが連なった単語のほとんどは正確に発音することはできませんが、フォニックスのア・ブ・クァという音で覚えると、単語のつづりをフォニックスで追いかけることで、発音できてしまうのです。

子どもの幼稚園でも取り入れていたプログラム『Progressive Phonics』が説くように、『子どもたちはアルファベットを学んで、それから次に読むことを学ぶのではなく、フォニックスでアルファベットを学ぶと同時に読むことも学んでいく』ことができます。

例えば、「cat」という単語は、エー・ビー・シーをあてはめると「シーエーティー」ですが、フォニックスなら「クァアトゥ」となり「キャット」に近い発音を導き出せます。

この方法で、かなり難しい単語も発音できる ようになり、これまでは耳でだけ知っていた単語を文字として認識できるようになり、文章を読み、書くことも可能になっていきます。

●どうやって覚えていくのか?

フォニックスを学習する方法はいろいろあります。子どもが通っていた幼稚園では、「aはantのア」とシンプルで短く誰もが知っている単語とセットで音を覚えていました。

フラッシュカードの表には「Aa」と書かれ、裏には蟻のイラストと単語のantが書かれています。このカードを見ながら、指を使って腕を蟻が這っていく動作をして「ア、ア、ア」の音を発音し、「アンツッ」に結びつけていきます。

「Cc」はカスタネットの音とのことで、「クァ、クァ、クァ、クァークァッ」と手でカスタネットを打つフリをしながら発音し、catなどの単語に結びつけていきます。

『Progressive Phonics』の無料ブックには、フォニックス初心者が発音しやすい単語が集められていて、『最初のブックから気軽に、(4~7歳の)子どもと一緒に読みはじめよう』とのアドバイスが載せられています。

2、3文字の英単語からスタートし、数か月で中学1年生レベルの単語「school」や「holiday」といった単語まで読めるようになっていき、同時進行でシリーズ絵本を使った読書を行い、さらに単語テストでライティングも進めていきます。

こうして、小学校入学(約5歳)のころには、日本の中学教科書レベルの英語の本はスラスラと読め、簡単なエッセイが書ける ようになっています。

●難解な英単語も自然に読める

英語を学ぶ子どもにとって、フォニックスは、日本人の平仮名学習と同じくらい大切な学習といえます。

フォニックスを学んできたかどうかで、小学校(プライマリー)・中学校(セカンダリー)以降にワンサと出てくる難解な英単語を読み解く能力に差が出てくるのです。

教育機関向けにフォニックス資料を紹介する『オクスフォード』のサイトでは、『あらゆる学校のすべての子どもが読めるようになるためには、しっかりとしたフォニックスの基礎知識が必要』と強調しています。

フォニックスを身につけている子どもは、10文字以上の長い英単語もその意味は分からなくても発音できます。

それがとっかかりとなり、単語力アップにつながっていきます。

ところが、フォニックスを学ばなかった子どもは、意味も発音も分からないあやしい単語にぶつかって四苦八苦し、単語力がつきにくいのです。

また、読むだけでなく書く場面でもフォニックスは役立ちます。

初耳の単語も、フォニックスを使ってスペリングを想像していくことができる のです。

ちなみに、英語ネイティブの子どもたちは初見の英単語を辞書で意味を調べることはあっても、発音を調べることはまずありません。

日本人が英語学習時に必ず学ぶ発音記号の存在を知っているかどうかすら疑問なほど。

それだけ、自然な形で英語の発音を身につけるのが当たり前であり、どれだけ確かな発音の基礎能力がついているかで、高学年になったときの英語学習に影響が出てくるわけです。

●まとめとして

上記のフォニックス発音表示は、無理矢理日本語にしたので少々不自然ですが、無料で配布されているフォニックスソングなどを子どもと一緒に聞いてみると、「なるほど、これを英語学習の最初に習っていれば、英単語を読むのが簡単だっただろうな、発音がよくなっただろうな」と思えてくるでしょう。

これから英語を学ぶ子どもたちにはぜひ一度耳にしてほしい英語学習メソッドです。

そして、すでに英語教育を受けてきた大人のパパママ世代も一緒に、このフォニックスのすごさを体験してほしいです。

【参考リンク】
・Phonics(https://global.oup.com/education/content/primary/key-issues/phonics/?region=international)

●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
●モデル/藤本順子(風悟くん)

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