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ノスタルジックな空間で上映!映画の街・京都のちょっぴり珍しいシアターでタイムスリップ

  • 2017.4.12
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「最初の映画」とされるシネマトグラフの日本初の上映場所が、京都であることはご存じですか。いまからちょうど120年前にあたる1897(明治30)年。京都電燈(現在の関西電力京都支店)で試写が成功したことが「日本映画」の始まりだといわれています。映画の街・京都では、映画館のみならず意外なスポットで作品を楽しむことができます。

教室が上映スペースに。小学校の跡地で映画を楽しめる「立誠シネマプロジェクト」

多くの観光客でも賑わう木屋町の中心部。森鴎外の小説のモデルにもなった高瀬川沿いに元・立誠小学校があります。
建設は1928(昭和3)年。木造ならではのノスタルジックな雰囲気が魅力の校舎で、1階の元職員室にある「トラベリングコーヒー」は、レトロな空間で香り高いコーヒーをいただけると人気を集めています。

実はこの元・立誠小学校、かつては京都電燈があった場所。つまり日本映画原点の地であることを意味します。そんな元・立誠小学校の中で運営されているのが、個性豊かな作品を上映する「立誠シネマプロジェクト」です。

「立誠シネマプロジェクト」があるのは、南校舎の3階。
歩く度に心地よく軋む廊下を通り、レトロな階段を上がるとたどり着きます。黒板や机など、教室の面影が見え隠れするしつらえに、どこか懐かしい気持ちにさせられます。

ロビーには上映作品に関する展示があり、その世界観をいっそう堪能できます。
また、古本の販売棚も設置されており、上映時間の前後にはまた違った楽しみも。

監督によるトークショーや他のイベントとのタイアップなども積極的に行っており、何度来ても満足できる工夫がなされています。
4月も上映作品の監督やゆかりの人物によるイベントを続々と開催。なかでも注目すべきはKYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)との連動企画で、4月24日にはあの世界的ファッションデザイナー・アニエスベーを迎えてのトークイベントを予定しています。
詳細は随時ホームページで発信されるので、こまめにチェックを。

京都の映画文化を守る「京都文化博物館・フィルムシアター」

また、京都では博物館で映画を楽しむこともできます。
かつて一時代を築いた大映京都撮影所が倒産したのが1971(昭和46)年。その貴重な資料を引き継ぐ形となったのが京都府です。以来、フィルムライブラリー事業として映像資料の収集と保存を行ってきました。
「京都文化博物館」では現在、京都ゆかりの作品を中心に約800作品ものフィルムを所蔵。京都で製作された作品はおよそ半分を占めるのだとか。
「フィルムシアター」では、京都府が保存するフィルム作品を気軽に観ることができます。

フィルムシアターでは毎月さまざまな特集を組み、テーマに沿った古典や名作を1日2回上映しています。
たとえば、日本映画誕生から120年を迎える今年は、「【日本映画120年記念企画】 古典・名作映画ノススメ」と称して、所蔵する作品の中から100本を上映するという企画を開催。
現存する日本最古の映画「紅葉狩」から、戦時中の作品とは思えないほどコミカルなミュージカル映画「鴛鴦(おしどり)歌合戦」など、今観てもおもしろいと思える作品ばかりを取り上げています。

また、フィルムだけでなく、約30万点にも及ぶ関連資料も収蔵。ギャラリーでは、上映作品に応じて、関連する貴重な資料も展示しています。
実際のフライヤーやシナリオ、紹介記事などがずらりと並び、歴史的な背景や様式など当時の雰囲気を存分に味わうことができます。

ほかにも毎月のプログラムを配布しており、上映スケジュールの他、作品に関する解説も掲載。当時の時代背景を知ることで、よりいっそう作品を楽しめるうれしいサービスとなっています。
博物館の入館料だけで、作品を楽しめるという点も人気の秘訣。

4月には、博物館の特別展にあわせて「【戦国時代展特別上映企画】戦国の夢追い人たち」特集や「【日本映画120年記念企画】 古典・名作映画ノススメ」の第三弾を予定。
溝口健二や黒沢明などの名作が観られます。
かつては日本のハリウッドと呼ばれた京都ならではの、いつもとはちょっと違った映画体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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