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中国風の雰囲気が新鮮!京都・宇治「萬福寺」で精進料理を体験

  • 2017.4.7
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京都・宇治にある黄檗山萬福寺は、江戸時代に中国から日本にやってきた高僧・隠元禅師が開いたお寺。伽藍など、すべてが中国の明朝様式の萬福寺では、中国から伝えられた精進料理「普茶料理」を体験することができます。

日本三禅宗のひとつ、黄檗宗の大本山

京阪宇治線・黄檗(おうばく)駅から東へ徒歩約5分。静かな高台に萬福寺はあります。萬福寺の創建は、1661年。日本の禅宗の復興のため、中国福建省から招かれた高僧・隠元禅師が開いた黄檗宗のお寺です。
黄檗宗とは、臨済宗、曹洞宗とともに日本三禅宗に数えられます。儀式や作法は、すべて中国式。伽藍も明朝様式で、きれいに左右対称にお堂が並んでいます。境内に一歩足を踏み入れると、まるでそこは中国のよう。旧暦のお盆になると、華僑の人たちの行事も行われるそうです。

黄檗宗の精進料理「普茶料理」をお弁当スタイルで体験

もちろん、精進料理も中国式。萬福寺の精進料理は「普茶料理」といいます。普茶とは、「普(あまね)く大衆に茶を供する」という意味で、お寺を訪れた人たちに振る舞われていた料理。本来は、4人で一つのテーブルを囲み、身分の高低にとらわれることなく、大皿からとりわけながら食卓を囲みますが、萬福寺では、この普茶料理をお弁当スタイルで楽しむことができます。

普茶料理の代表的なものは、胡麻豆腐の元祖ともいうべき「麻腐(まふ)」。山芋でこしらえたかまぼこなど“もどき料理”もありますよ。最大の特徴は、ごま油などの香油をもちいること。てんぷらのような揚げ物「油じ」は、衣や素材にも味がついています。梅干しのてんぷらも入っていました。

精進料理には、食材を使い切るという禅宗ならではの工夫があります。こちらの「雲片(うんぺん)」は、野菜の端などを細かく刻んで、葛でとじたもの。刻まれた野菜がふんわりととじられていて、まるで雲のようですね。
隠元禅師は、日本にインゲン豆を伝えたことでも知られますが、こちらのお弁当にも、インゲン豆の胡麻和えが入っています。茶だんごが添えられているのも宇治らしいですね。
お弁当は、当日でも注文できますが、数に限りがあるので、事前予約がおすすめ。

お参りも中国式で。ダイナミックな布袋さんがにっこり♪

お参りも忘れてはいけません。三門を入って、ひし形の飛び石をまっすぐ歩くと、大きな布袋尊が安置されています。布袋尊は弥勒菩薩の化身と言われ、笑っているようにみえる開いた口で悪いものを吸い取ってくださるといいます。
萬福寺に入ったら、まず、こちらの布袋尊をお参りし、穢れを吸い取っていただきましょう。そして、本堂へお参り。お寺でゆっくり静かな時間を過ごしたら、帰りももう一度、布袋尊のところへ。そうすれば、功徳があると伝えられます。
布袋さんの縁日である毎月8日は、「ほていまつり」の日。この日の拝観料は無料。手づくりの雑貨や洋服、自家製の野菜などを並べた市が立ちます(2月と8月は休み)。独特の雰囲気を持つ萬福寺を訪れてみませんか。

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