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魔法のように美しく変化する♪大阪生まれのガラス工芸「天満切子」

  • 2017.4.2

日本を代表するホテルの一つ、帝国ホテル大阪のバーで人々を魅了しているグラスがあります。それが天満切子。シンプルに見えるデザインですが、よく見ると大切に作られた温もりを感じ、どこか力強さがあって、手に持った感触が何とも言えないほど心地良い。飲み物をそそぐとグラスの中がキラキラと光り輝く万華鏡のように変化して、まるで光の花が咲いたようにも見えてくる。そんな天満切子を製作する「切子工房RAU」さんにお伺いしてみました。

大阪・天満で生まれた“用の美”、天満切子とは?

大阪の天満界隈で発展し昭和初期に最盛期だったガラス加工所はどんどん減ってしまい次第に宇良兄弟(栄一さん・武一 さん)の営む会社だけになってしまいます。そこで「ガラスは大阪の文化、天満の地からガラスを消したらあかん」そんな思いから、大阪ならではの切子を作ろうと試行錯誤し、ついに従来の切子とは違う『天満切子』が誕生したのです。

それは飾り棚に置いて美しい‟観賞の美”、手に取って使う事で新たな美しさが出る‟用の美”を持つ「使ってなんぼ!」の大阪らしい切子。この宇良兄弟の技術を受け継いだ切子師の西川昌美さんに天満切子について教えてもらいました。

ここで西川さんが「使いやすさも特徴の一つやけど、天満切子は中に飲み物を注ぐと底の模様が側面の削っている部分に映し出されるんです」と言いながらグラスに水を注ぎ始めると、水の注がれたグラスの中は万華鏡のような光の花が現れ、まるで魔法のように美しく変化し始めました。

グラスの中がキラキラと輝きを増していく!

「光の映り込みを見ながら使ってもらうのが天満切子なんですよ。そやから飾っとくだけやなく、ドンドン使って欲しいって思いで作ってるんです」と西川さん。つまり、天満切子とは光の反射を巧みに利用した実用的な芸術グラス。デザインがシンプルなのも、光を美しく映す出すため。まさしく「使ってなんぼ!」の大阪らしい切子です。

ウイスキーが似合いそうな天満切子ですが、実際には色のある飲み物よりも日本酒や焼酎など無色透明の方が輝き、お酒によっては糖分で少したわんで見えたりすると更にキレイに輝くと言う。素晴らしいですね。

天満切子は、どのように作られているのでしょうか?

この天満切子が作られるまでの過程を見せてもらうと、最初に青や赤と言った色のついた色被せガラスにデザインを決め、グラスの表面に目印の線を引きます。次にダイヤモンドが埋め込まれた円盤を回転させ目印にそってグラスを押し当て粗く削り、砥石で滑らかにします。そして最後に丹念に磨いて洗うを何度も繰り返し完成させていきます。

美しい光の映り込みを引き出すためには繊細かつ大胆な削りが不可欠。そして美しく磨くための泥加減や混ぜ加減が重要なポイント。つまり全ての工程が結びついた時、天満切子はキラキラとした魔法のような輝きを手にします。まさに職人技です。

天満切子と食事が楽しめる「天ぷら 沼田」へ

天満切子と食事を楽しむなら「天ぷら 沼田」がおすすめ。ここでは自分で枡に入ったグラスを選ぶことができる粋なサービスがあります。好みのグラスはタイミングによってはない場合もありますが、旬素材の天ぷらと相性の良い厳選された日本酒が用意され、知る人ぞ知る大阪の名店です。

「天ぷら 沼田」でのお食事はディナー11,000円のお任せコースのみ。もっとカジュアルに天ぷら料理を味わいたいときは隣の「天星」へ。
(※天満切子は「天ぷら 沼田」でお楽しみいただけます)

帝国ホテル 大阪「オールド インペリアル バー」

天満切子を最高の空間で味わうなら、何と言っても帝国ホテル大阪内にある「オールド インペリアル バー」。帝国ホテル旧本館(通称ライト館)はフランク・ロイド・ライト氏の設計として知られていますが、このオールド インペリアル バーはライト館のイメージを色濃く残す場所としても人気高く、落ち着いた雰囲気は最高です。

大切な人へのギフトにいかが?

この美しい天満切子は日本一長い商店街にある「天満天神 MAIDO屋」と「土居陶器店」で購入することが出来ます。大切な人はもちろん、海外へのギフトにいかがでしょうか?

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