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イイネの呪縛。瀬戸晴加コラム#2

  • 2017.3.30

「働く女子の現場から」#2

先月から始まったこの連載、前回は「分かりあえないおじさんと私たち」というテーマのもと、平成VS昭和という切り口でお小言を述べてみました。今回は何を書こうかな~と悩んだとき、ふと“ゆとり世代の主張。”というタイトルが目に入ってきて、そうだ、今回はゆとり世代ならではの悩みを吐こう、と思ったワケなんですが。

私たち世代とおじさん世代の圧倒的な違いは、と聞かれたら“SNS”この一言に尽きると思うんです。

人とつながるのも、何か情報を得るのも、私たちの気分までも左右するSNS。時代とともに関わり方もプラットフォームも多様化していく中で、より密接に、そして複雑になっていて、切っても切れない関係じゃないですか、私たちとSNSって。なかでも私はPR会社に勤めている分、周りの友達よりもアクティブにSNSを使っている(ように見えていると思う)けれど、そんな私ですら最近悩んでいることがあって。

少し前までは、なかなか会えない友人との近況報告ができたり、返信の要らないラクさであったり、フォロワーの増えるワクワク感だとか、楽しさを感じる部分が多かったSNS。ガラケーからスマホに移った大学生くらいからどっぷりその楽しさに浸っていって。でもそれから数年が経った今、現実世界とSNSのどちらが拠点なのか分からなくなってきたというか、最近私、〝イイネの呪縛〟に苦しんでいるんです、ものすごく。

思っていたよりイイネが少なくて、後からこっそり削除する、そんな経験ないですか?(泣)

それこそ、学生の頃はくだらない投稿や自己満足で良かったのが、25歳を超えてくると、途端に増える【ご報告】から始まるような、人生のターニングポイントを投稿する友人たちの登場によって、それに匹敵するくらいインパクトのある内容や“イイネ”がつく内容じゃないとアップしちゃいけない、しにくい……、みたいな。自分で勝手に投稿のハードルを上げてしまって、見る人のリアクションも考えて(アップする時間帯まで気にして)投稿してしまう自分がいる。自分のSNSなんだから、好きなことを自由にアップすればいいはずなのに……。イイネの数に、『アナタの今日は、星いくつ!』みたいな、行動そのものの価値を判断されているような気がして、その数字に一喜一憂。そんな自分に嫌気がさして一時的に離れてみるも、友達のネットワークからも離脱してしまうような気がして、寂しくなってまた投稿に悩んで……って。

イイネに支配されている私、
なんか全然良くないじゃん!!

こんな感じになってるんです、今(笑)。特にJJ世代は働いているコが多いからこそ、ひとつの投稿がみんな濃いというか(特にFacebook)、勝手に意識して張り合ってしまう、そんなことってないですか? 思っていたよりイイネが少なくて、後からこっそり削除する、そんな経験ないですか?(泣)

そもそも25歳前後って、“隣の芝生は青い”じゃないけれど、周りの動向がすごく気になるし、意識的に人の投稿を見てしまう世代。それに加えて、SNSを通して情報が丸見え&筒抜け状態ともなれば、もう“周りの芝生がレインボー”くらいの情報量。あああ、勝手にノイローゼ状態!

と、ぼやいてみたはいいものの、SNSは私にとって必要不可欠なのも事実。でも、この連載が終わる頃には“イイネの呪縛”から解放されて、SNSに支配されるのではなく、自分の意志で使えているといいなと思いながら、きっと今日も21時前後を意識して投稿しているであろうせとはるでした(笑)。というか、イイネが外から見えないSNSがあったらいいのになぁ……。(切実)

瀬戸晴加

せと・はるか 1990年生まれ、26歳。東京都出身。大学3年生でフリーマガジン『TiaraGirl』の編集長に就任。現在はWebメディア「#Femme by TIARAGIRL」編集長。また、東京ガールズキックボクシングクラブの代表として、女性向けキックボクシングジムのプロデュースを手掛ける。 

Illustration/foxco212

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