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ヘルシーなお茶の1番おいしい入れ方・選び方とは?中国茶の茶葉専門店「今古茶籍」

  • 2017.3.24
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渋谷区富ヶ谷にある中国茶専門店「今古茶籍(ここんちゃせき)」。台湾出身の店主・簡里佳さんが、自ら中国・台湾に出向いて仕入れてくる茶葉を求めて、常連のお客さんも多く訪れるお店です。簡さんと中国茶の関わり、そして魅力についてうかがってきました。

最初は餃子に合わせる飲み物として中国茶を提供

簡さんが日本を訪れたのは、1990年。実家が織物を手がけていたこともあり、染色の勉強をするために日本の大学に留学をしたのがきっかけ。その後、大工をしているご主人と知り合い結婚。今、「今古茶籍(ここんちゃせき)」となっている場所は、ご主人の仕事の関係で紹介された物件だったそうです。当初は、餃子とお茶を出すお店を営んでいましたが、店の周囲の環境の変化といった要因もあって、現在は中国茶の茶葉だけど取り扱う店になっているとのこと。「最初は、染め物の経験を活かして、雑貨でも扱おうと思っていたのですが、夫のアドバイスで餃子になり、でもそれに合わせるのはお酒ではなくてお茶…と考えたんです」(簡さん)。それが今では知る人ぞ知る、中国茶専門店となっているのでした。

台湾人なら中国茶に詳しいとは限りません

実家は商売をしていたこともあり、自分が農産物を扱うようになるとは思ってもみなかったと簡さんは言います。「中国・台湾に行った人がお土産に買っているものの9割がお茶です。そのせいか、私が台湾出身というだけで、お茶について尋ねられたのですが、最初はそれをおかしいと思いました。だって、日本人ならみんなお寿司に詳しいとは思わないですよね?でも、聞かれれば答えなきゃと思って、いろいろ調べるうちに私自身もどんどんはまっていきました」(簡さん)。
店の近くには東京大学駒場キャンパスがあり、東大の先生たちが簡さんに「ものの調べ方」を教えてくれたことも、大きな助けになったそうです。実際に、茶葉の産地を巡るようになったのは、「現場検証」も重要だというアドバイスからなのだとか。

素性のハッキリしたお茶を扱うために産地を訪問

「中国直輸入の茶葉を扱っている」と言っていても、中国の「どこから」なのかがわからないことが多いのだそうです。しかし、直接産地に行って買い付けてくる「今古茶籍」のお茶は、素性のわかっているお茶。「たとえば、築地に行ってまぐろを買おうとしても、店に並んでいるまぐろは、店主の選んだ『結果』のもの。海には多数のまぐろがいるのに、店に並んでいるのはその中のごくごく一部でしかないのです。お茶も同様で、店に並んでいるのはどこかの市場の人が選んだ結果。私は、もっとお茶を深く知りたいと思ったので産地に行くようになりました」。産地に通い始めた当初は、変な人が来たと思われたのではないかと思いますと笑う簡さん。でも、知らないことは知らないと言って教えを乞うているうちに、関係性ができてきたのだそうです。

中国茶は飲めば分かります。難しく考える必要はありません

中国茶の選び方、その味を最大に引き出す、美味しい淹れ方について簡さんにうかがってみました。すると「中国茶に最大の味なんてものはないんですよ」との答えが。
「もちろん、学問的には最大の味というのは存在するのかもしれないけれど、それがあなたにとって最高に良い味かどうかは疑問でしょ? 自分が美味しいと感じられればそれで終わり。そして、自分が淹れたものが一番美味しいに決まっているんです。美味しさは『慣れ』からくるものですから」(簡さん)。つまり、難しく考えるから、話がややこしくなるのだそう。
「中国茶は飲めばわかる。その一言に尽きるんですよ。だから、何を選んだらいいかわからなかったらとにかく目の前にあるものを飲んでみる。そこから始まるんです。それが薄く感じたら、もっと濃いものを。もっと発酵しているお茶がよかったら、発酵の進んだものを求めればいいんです」(簡さん)。

その言葉に従って、今日いただいた緑茶から、一番自分の口に馴染んだものを買って帰りました。まずはここからスタートしてみます。
writer / reeeko photo / reeeko

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