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春の足音をきくうつわ「残雪」

  • 2017.3.21
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平清水焼と出会ったのは、山形県の寒河江駅構内です。郷土品のひとつとしてうつわが展示されていたのです。飾り気のないショーケースの中でしたが、背筋をピンとのばした美しい女性のように、凛とした佇まいでそこにいました。「うつわを手にとって見てみたい」という思いを抱きましたがなかなか機会を得ることなく、数年がたちました。

平清水焼の地である山形県の東南、千歳山のふもと。まさに「日本のやまざと」という言葉を具現化したような光景が広がっています。昨年末、ついに念願かなって平清水焼の窯元のひとつ「青龍窯」を訪ねることになりました。

数年前、駅の構内で見たものがそうであったかは記憶が定かではないのですが、居並ぶうつわの中でハッと目を引いたのが「残雪」というシリーズでした。うつわの元となる千歳山の土は鉄分が含まれているのですが、白い釉薬をかけるとこれがほわっと浮かび上がり、そのさまがこの地の残雪を思わせることから名づけられたそうです。

山里の光景をうつしとっていますが決して素朴という感じではなく、艶消しのテクスチャーといい、均整の取れた形といい、和洋どんな料理もマッチするモダンさを備えています。特に緑が映える気がします。きのこや胡桃を添えた緑のサラダを盛り付けるのが最近のブームです。4月上旬並みの気候となった先日は、「残雪の合間からのぞく若芽」というイメージでこごみと合わせました。

春の訪れを盛り上げてくれるうつわです。

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