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甘酸っぱくて、ほろ苦い。映画で振り返る、青い春。(Mayu Kato)

  • 2017.3.16
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Photo: Everett Collection/アフロ
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気づけば、卒業式や入学式の季節に。街で制服姿を見かけると、なんだか思春期の甘酸っぱくてほろ苦い思い出が蘇ってきます。そこで、一途に恋をしたり、将来に不安になったり、様々な感情が交差する「17歳」の時を描いた青春映画4本をピックアップしてみました。思春期の頃に抱いた夢や情熱、焦燥感、思い出してみませんか。

背伸びしたくなるお年頃 『17歳の肖像(2009)』

1961年のロンドン郊外が舞台となり、キャリー・マリガン演じる高校生の女の子が主人公。成績優秀な彼女がオックスフォード大学への進学を目指す中、年上の男性に出会って恋に落ちてしまいます。そして、周りよりも先に背伸びをして”オトナ”の世界を覗き見し、まだ社会を知らない少女が大人の階段を上っていく喜びと痛みが描かれています。

年頃の女の子が背伸びしたくなるのは、いつの時代だって変わらない。背伸びをして失敗しながら、いろいろ学んでいくんですよね。それに、自分の知らない世界を教えてくれる男性に惹かれてしまうのは思春期だけでなくて、いくつになっても変わらないのかも。あの甘酸っぱくて、ほろ苦い気持ちを思い出して、胸の奥がキューンとなるくらい共感できることでしょう。ストーリーだけでなく、当時の60年代の雰囲気や、キャリー・マリガンが纏うクラシカルなファッションにも乙女心を奪われること間違いなし!

まっすぐで甘酸っぱい純愛 『セイ・エニシング(1989)』

青春映画『あの頃ペニー・レインと(2000)』などで知られる監督、キャメロン・クロウの長編デビュー作『セイ・エニシング(1989)』。ジョン・キューザックが演じる明快で素朴な男子高校生は、周りからは高嶺の花だと言われながら、卒業式で才色兼備な女の子にアタック。生活環境や将来の夢は異なるも、二人は次第に恋に落ちていく……まさに王道の青春ラブ・ストーリー!

忘れられないシーンとなったのは、ジョン・キューザックが彼女の家の下でラジカセを掲げ、歌 "In Your Eyes" で気持ちを伝える場面。十代の時に初めて観て、キュンキュンしたのを覚えています。自分の「好き」という気持ちにまっすぐにぶつかっていく青年の様子は、甘酸っぱくも爽やか。大人になって忘れがちな、好きな気持ちに素直に情熱を持って進んで行くことを思い出させてくれることでしょう。

永遠の粋な不良スタイル 『理由なき反抗(1955)』

言わずと知れた、ジェームズ・ディーンの名作。タイトルだけで、マックレガーの赤いジャケットに白Tシャツ、Leeの101ライダースデニム、コンバース(CONVERSE)のジャック・パーセルを思い浮かべる人は少なくないはず。(写真一番右) 粋な不良ファッションに身を包んだジェームズ・ディーンが演じる高校生は、両親の手に負えない状態。転校先では不良グループに目をつけられ、彼らと決闘やチキンレースを行っていく中で待ち受けているのは悲劇でした。

反抗期に色濃くみられる両親をはじめとする大人や社会への不満や反発が描かれ、まさしく青い春。そして、どうしてなのか、この不良感がカッコよく見えてしまう時期なんですよね。程度の差は大きくあるにせよ、多くの人が反抗期を経験したはず。今思い返すと、ちょっぴり恥ずかしくなってしまうかも?

美しさと残酷さが入り混じる 『悲しみよこんにちは(1958)』

1954年に発表された、フランソワーズ・サガンの同名小説が原作となっている、この映画。美しき南仏を舞台に、幼くして母親を亡くした17歳の娘は、婚約者を父親から引き離そうと企みます。彼女の計画は思いがけない結末を招くことに......。

映し出されるのは、子どもとして扱われることに反発しながらも、子どもとして父親の愛を求める、間(はざま)に生きる様子。思春期の揺れ動く感情は美しくも残酷にもなり得て、言葉では説明ができない感覚をこの映画でもう一度思い出すでしょう。また、映画全体に漂う、アンニュイな空気感に飲み込まれるに違いなし。
参照元:VOGUE JAPAN

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