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授業が15分だけ!? 生徒や関係者に聞いた“教育困難校”のエピソード集

  • 2017.3.13
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“教育困難校”という言葉を耳にしたことはありますか?

これは、生徒の学習態度や学力などが原因で、教育に困難が生じている学校のことです。

“学級崩壊”が学校全体に広がっているような状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。小学校、中学校にも見られますが、特に高校において現在大きな問題になっています。

時には進学校や高偏差値の高校などが、いじめや校内暴力によって教育困難校化していることもあります。

しかし、ほとんどの場合はいわゆる“底辺校”、学力が著しく低い学校が、教育困難校となってしまっているのです。

今回は、そんな学校にまつわる人びとにインタビューを行いました。伺った話をもとに、その実態を捉えてみましょう。

●(1)教室は“メイク会場”、授業は実質15分……校内の風景

まずは実際の学生や先生たちに、授業中の様子を聞いてみました。

『授業中、普通に立ち歩きますよ。何のためかって? うーん、友達としゃべるためかな。仲よしの子がいれば、隣のクラスとかも行きます。あとはまぁ、ロッカーに物取りに行くとか。先生が見て見ぬふりで、ずーっと普通に授業続けてるからウケるんですよね』(高校2年女子)

『朝行ったら、もう教室じゅうメイク会場だから(笑)。机にバーって化粧品広げて、3時間でも4時間でもかけてメイクしてる。教科書? 持ってないですよ(笑) 。一度も持っていったことないかも。みんなそうだから別にヘンとか思わなかった』(17歳女子/高校中退)

『テストは一応あります。事前に対策用プリントが配られて、そこにはテストに出る問題と模範解答が書いてある。当日の試験には、そのプリントが、まるっとそのまんま出題されます。だから前日にプリントを覚えてれば、まあ赤点は免れるってわけ。全部覚えれば満点取れるはずなんだけど、そういうヤツはいなかったですね。みんなギリギリでした』(18歳男子/高校中退)

『生徒がなかなか教室に入ってこないので、授業がいつまでも始められません。また、終了の15分前くらいになると、それぞれ勝手に立ち上がって帰り支度を始めます。そして口々に、「センセー、もう授業おわっていいよー」だの、「バイトなんで帰りまーす」だのいい始め、実際に帰ってしまいます。45分間のうち、実質授業に使えるのは15分もないのが現状です』(50代男性/高校教師)

●(2)コンビニは出禁、校舎から怒号……近隣住民の話

続いて、近隣住民からはこんなエピソードが。

『このあたりのコンビニほとんど全部、あの高校の生徒は出入り禁止です。万引き、長時間立ち読み、商品の汚損などが本当にヒドイ。うちでは、カップラーメンを作るためのポットのお湯を生徒同士が飛ばしてかけあい、店員にもケガをさせる寸前だったことがありました。1人で普通に買い物に来るぶんには特に問題ない客なのですが、昼休みなどに集団でやってくると手におえません 』(50代男性/コンビニ店長)

『日中に学校の近くを通りかかると、先生の怒鳴り声が聞こえます……。時には複数の男子生徒が喧嘩をしているような声もします。登下校中の風景を見ていると、服装こそ乱れているものの和気あいあいとしていて、みんな楽しそうにしてるんですけどねぇ』(30代女性/主婦)

●(3)何だかんだ言って楽しい学校……卒業生の話

最後に、卒業生からも話を聞いてみました。卒業した学校に対し、どんな印象を持っているのでしょうか。

『先生とは敵みたいな最高の友達みたいな絶妙な距離感で、決して嫌いではなかった。むしろ、マジな悩みで身動きとれなくなってたときに、声かけてくれて、飯おごってくれたりした。友達もみんなどうしようもないバカだったけど、愛嬌がよくて憎めないやつばっかりで。何だかんだ言って楽しかったからこそ、卒業まで残れたんだと思う』(20代男性/アルバイト)

『お祭り大好きな“パリピ”系のヤツは、どんどん中退して最後全然残んないです。でもね、だいたい地元で結婚して子ども産んで、ダンナと赤ちゃん連れてクラスに顔出しに来たりするんですよ。で、みんなでその子ら囲んで写真撮って騒いで。そういうときは先生も嬉しそうだったし、自分はその雰囲気って好きでした。でも、授業中一言もしゃべんないでいつの間にか消えたヤツとかもいて、そういうのは音信不通で何やってるのかもわかんない。引きこもりになったとか、警察に捕まったとかの噂 は聞くけど……』(20代女性/主婦)

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みなさん、どのような印象を持ちましたか?

今回拾うことができた声は、現状のほんの一部を切り取ったに過ぎないものでしょう。

渦中にいる学生、そして卒業生たちの語り口は軽妙で、少し聞き取った限りでは楽しそうなものでした。

しかし、その裏には多くの問題点が隠れています。卒業後の進路の問題、疲弊していく教師たちの姿、そして卒業生らが口々に語った「音信不通になっているクラスメイト」たちの存在など、見過ごすことができない点はさまざまです。

子どもたちをとりまく、教育困難校。大きな社会問題として、クローズアップされるべき事象なのではないでしょうか。

●文/パピマミ編集部

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