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暮らしが華やぐ、美しいステーショナリー。京都の老舗漆器店が手がける新ブランド「一六六一」

  • 2017.3.11
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お椀やお盆といった漆器に、金銀粉をまいて文様を描く「蒔絵(まきえ)」という技法を知っていますか。京都で生みだされた京蒔絵の図案は、繊細で優美なデザインが魅力。漆器のうえでしか見られなかった美しい意匠を、京漆器の老舗「象彦(ぞうひこ)」が新しい形に進化させました。古くからある文様なのに、どこか新しさを感じるデザインで新生活を彩ってみませんか。

1661年創業。京漆器の老舗・象彦が贈る新ブランド

地下鉄・京都市役所前駅から、寺町通を北へ。東西に走る二条通をこえてすぐのところに京漆器の老舗「象彦」の京都寺町本店はあります。漆器道具商としておよそ350年。現在も京都の地で上質な漆器を生み出しています。

漆器の装飾技法の一つに、「蒔絵(まきえ)」という技法があります。金粉や銀粉をつかって漆器に文様を描くもので、技法そのものは各地で見られるものですが、繊細で、全体に優美さを醸す京蒔絵は、日本の伝統工芸としても高く評価されています。

蒔絵を施す際には、まず和紙に下絵を描きます。次に、下絵の線を漆でなぞり、漆器に貼り付け転写するのですが、その下絵のことを職人のあいだでは「置目(おきめ)」と呼ぶそう。「象彦」では、描き起こしてきた古い置目を資料として保管しています。
「現在、残っている置目は、おもに戦前のもの。今の私たちが見ても、モダンな印象を受けるこの意匠を使って、なにか新しいものを作れないだろうかというのが始まりでした」。そう話すのは西村和香さん。「置目」からうまれた新しいブランド「一六六一」のプロジェクトリーダーです。

置目をコラージュし、色を添えた「Okimeノート」

シリーズ第一弾としてまず登場したのは、どんな人にも身近な存在であるステーショナリー。季節の草花モチーフの置目をいくつかコラージュしたデザインが4種、アイテムとしては、ノート、クリアファイル、フォルダーの3種をラインナップしています。
ノートの罫線は、蒔絵をイメージして落ち着いたゴールド。またお椀で、ふたと本体で一つの意匠が完成するといった趣向が凝らされているのをよく見かけますが、クリアファイルにもその趣向を応用。表と裏で違うデザインを施し、全体として一つの世界観を演出しています。よくみると、職人による指示書きが見えるもの置目ならではですね。

書類に添える一筆箋や京都らしい文香も

プライベートで、また仕事で書類を送るときなどに欠かせないのが一筆箋。こちらも春夏秋冬の4パターンがあります。春夏秋冬そろえておけば、相手に、気持ちとともに、季節の風を届けられそうですね。
京蒔絵のデザインの特徴の一つに、「空間の美」があると西村さん。こちらの一筆箋にも、絶妙なデザインバランスが感じられますね。さらに、すべての意匠が線だけで構成されているというのも「置目」の特徴。蒔絵になると、金銀粉で描かれる分、豪華な印象ですが、置目の状態で見ると本当に精彩で、まるで違った印象です。

京都らしい「文香」もあります。京都の香老舗「薫玉堂」が手がけた、「一六六一」のための香りをまとっています。お手紙に添えるのはもちろん、名刺入れや手帳に挟んでおけば、上品な京の香りが使うたびにふわりと香ります。

4月には新しいデザインも登場予定。第一弾は女性らしさの漂うやさしいデザインでしたが、第2弾にはシャープな雰囲気のものも登場するそうです。毎日使うものだからこそ、こだわってみたいもの。京都でうまれたOkimeアートで、日常を美しく彩ってみませんか。

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