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【小倉優子・離婚問題】弁護士に聞く“離婚の原因が一方にのみある場合”の慰謝料&養育費の相場

  • 2017.3.6
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タレントの小倉優子さん(33)が、夫で美容師の菊地勲さん(46)と2017年3月3日に離婚していたことを、『サンケイスポーツ』が報じています。

夫の菊地さんは、小倉さんが2人目の子どもを妊娠中に、小倉さんの所属事務所の後輩だったアイドルと不倫関係に。

これを聞いた小倉さんは、昨年8月に長男とともに自宅を出て別居状態が続いていたということです。

昨年末から離婚についての話し合いが行われていたということですが、このたび、慰謝料なし、子ども2人の親権は小倉さんが持つ、養育費は菊地さんがサポートする、などの条件で合意し離婚が成立したことが報じられています。

小倉さんはすでに2人の子どもと3人での生活をスタートさせており、ブログでも前向きなコメントを残していますが、離婚の原因が夫側にあるにも関わらず慰謝料なしという結果に疑問を感じる人も多い様子。養育費についても具体的な金額は公表されていません。

今回のような離婚における金銭的な相場は、いったいどのくらいなのか? 『アディーレ法律事務所』の鮫島玲央弁護士に伺いました。

●(1)夫の不倫が原因で離婚に至った場合の、慰謝料の相場はどのくらいなのか?

【Q】
小倉優子さんは、自身の妊娠中に夫の菊地勲さんが不倫をしていたことで別居するに至り、その後、話し合いを経て「慰謝料はなし」「子ども2人の親権は小倉さんが持つ」という条件で離婚に合意したとされています。今回、離婚に関する慰謝料はなしとなっていますが、離婚の原因が一方にだけあるという場合の慰謝料の相場は、通常いくらくらいになるでしょうか?

【A】
『不倫(法律上は不貞行為と呼ばれます)は、民法第770条1項1号に定められた、法定離婚事由に該当するとともに、民法709条の「不法行為」に該当する行為ですので、慰謝料請求の対象となります。

そこで、どれくらいの慰謝料が認められるかという話ですが、慰謝料の金額の算定に当たっては、婚姻期間、不貞期間・回数、不貞行為の内容、離婚という結果に不貞行為が与えた影響、子の有無等のさまざまな要素を総合的に判断して決められるため、一概にいくらとはなかなか言えないところがあります。

以前は、不貞をした者の社会的地位や収入を慰謝料額の算定において考慮した裁判例も多かったようですが、近時の裁判例の傾向としては、あまり考慮されないようになってきています。小倉優子さんの元夫が高収入を得ていたとしても、その点はあまり考慮されない可能性が高いと思われます。

一般的な相場としては、100万から300万くらいでしょう。特に悪質なケースですとそれ以上ということもありえます。小倉優子さんの元夫の不貞行為の内容等が不明ですので、はっきりと金額を算定することは不可能ですが、今回のケースですと、小倉優子さんの妊娠中の不貞行為ということもあり、小倉優子さんの被った精神的損害は大きいと思われますので、それらも考慮された金額になるのではないでしょうか』(アディーレ法律事務所・鮫島玲央弁護士)

●(2)養育費の相場は? 慰謝料がない場合、養育費の金額に影響はあるのか?

【Q】
今回の離婚では、養育費については夫の菊地さんがサポートしていくことで合意したとされています。この養育費について、相場はどのくらいの金額になるでしょうか? また、慰謝料の支払いはないとされていますが、このことが、養育費の金額について何か影響を与えるということはあるのでしょうか?

【A】
『養育費は、裁判官等が立ち上げた研究会が発表したいわゆる「算定表」と呼ばれる表を前提として、決められることが実務上は一般的です。この算定表では、養育費を支払う者(義務者)と養育費を受け取る者(権利者)の収入、給与所得者が自営業者か、子どもの数、子どもの年齢によって養育費のおおよその金額を予測することができます。

ただし、事案によっては、算定表を前提として、修正されることもあります。たとえば、小倉優子さんの元夫が、慰謝料を支払わない代わりに、相場以上の養育費を支払うとの解決が図られる可能性もあるでしょう。一般論になりますが、算定表によると、小倉優子さんと元夫がそれぞれ、自営業者、年収が1,000万、14歳以下の子どもが2人と仮定すると、10万から12万が養育費の相場となります』(アディーレ法律事務所・鮫島玲央弁護士)

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今回の離婚においては、慰謝料の支払いがなかったということから、相場以上の養育費が支払われる可能性はあるようです。

小倉さんも芸能活動を再開したということで収入を得ることはできるでしょうが、2人の子どものためにも十分な養育費を受け取ってもらいたいものですね。

【参考リンク】
・養育費まるわかり診断カルテ(http://www.adire-rikon.jp/calculator/youiku.html)

【取材協力/弁護士法人アディーレ法律事務所(東京弁護士会所属)・鮫島玲央】
コンピューターグラフィックス制作の仕事から弁護士へと転職した経歴の持ち主。不倫の慰謝料請求など、離婚問題に詳しい。私生活では一児の父で、趣味は料理という家庭的なイクメンパパでもある。

※画像はイメージです

●文/ぶるーす(芸能ライター)

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