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『RADWIMPS』のエッセイ本の表紙でもおなじみ、写真家・石川和人の個展『Humanity』

  • 2017.3.4
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“アイデンティティの喪失”をテーマに、写真を媒体として作品を制作する石川和人(いしかわかずと)さん。2015年に出版した写真集『Humanity』の最新作として、新たに制作された作品が展示される、作家として挑む初の個展が開催されます。

注目を集めている石川和人とは?

1983年埼玉県生まれ。東京ビジュアルアーツ卒業。これまで『RADWIMPS』のボーカル・野田洋二郎さんのエッセイ本の表紙に作品が抜擢されたり、様々な大手デパートの会員誌の表紙に使用されたりと注目を集めています。今回の展覧会は写真家・石川和人さんが “作家”として挑む初の個展です。

情報社会の “今” を見つめるテーマ

インターネットを介して大量の情報が溢れている現代。Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSを通して人同士が面と向かい合うことなく、情報の発信と受信が簡単に繰り返されています。それは、情報自体の本質を見失う可能性につながるだけでなく、人々は情報を得ること・伝えることに夢中になり、情報から逃れることが出来なくなっていると言えるのではないでしょうか。石川さんはこのような行為が繰り返されている現状から、 “人としてのアイデンティティ” を見失う状況に陥っていることへの警鐘を鳴らしています。

作品は人物のポートレートを大量のインクで出力し、定着しない状態でその人を構成する物など、バックグラウンドとなるイメージをレイヤーとして重ねて出力する技法で表現しています。繰り返される出力の度に失われて行く被写体の輪郭…その曖昧な象りは記憶という情報で上書きされます。それはまるで情報過多の現代における個の在り方を表現しているのかもしれません。
writer / 新 麻記子 photo / 石川和人

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