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彼の嬉しいひと言でこんなにも女の子らしくなれる:よろず女子百景(14)

  • 2017.2.15
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ほんの少しのきっかけで女子ゴコロは発動する。

■彼の嬉しいひと言でこんなにも女の子らしくなれる

それまではただのやんちゃな年下男子だった。あの日、彼のあの言葉を聞くまでは・・・・・・。
ある日、職場仲間との飲み会で。みんなそれぞれに仕事のグチや悩みをこぼし合っている中、私も仕事をきちんとこなせているか不安を打ち明けたら、同僚の年下男子が口を開いた。
「いや、でもおーしまさんの接客って完ペキじゃないですか!」
いつもはふざけてばかりの彼が、サラッと真面目なトーンでそう言ったのだった。私の目を真っ直ぐに見つめて。
ちょ、ちょっと待って! なにその急なフォロー!!!
一瞬ドキッとして戸惑ったけど、なんだか無性に嬉しかった。ちゃんとこの子、私の仕事ぶりを見ててくれてたんだ!? と。
それと同時になんだか全然、動悸がおさまらない! 
これまで先輩として張り詰めて接してきたのに、ふいに認められたことで途端に彼を、”後輩”ではなく”異性”として意識し始めてしまったのだ。
・・・・・・どうしてくれよう? おかげで調子が狂ってしまったじゃないか。
いや、でもきっとアレだ。産まれたての動物が初めて目にしたものを母親と思うように、長いこと承認欲求を満たされてこなかった“恋とは無縁な女子”が、初めてじぶんを認めてくれた男子にコロッと心を許してしまう・・・・・・アレだ!
こんなの恋じゃない! ただの一時的な気の迷い!
そう思えば思うほど、いや、でも実は頼りになるし、性根はイイ子だし。年下男子も悪くないかも?
なんて、気づくと日に日に彼に会いたくなって。シフトが同じになる日を待ち望んでは、姿が見えればテンションが上がり。彼と話す機会があれば、一秒でも長く! ひと言でも多く! 話していたくって。
「おーしまさんって女子としても完ペキじゃないですか!」
彼にそう言われるためにはどうしたらいい? メイク? 服装? 笑顔と気遣い?・・・・・・そんなことで頭がぐるぐる。
そして何より彼に女の子っぽく素直に甘えたい!
そう、もうすっかり好きになってしまっていた。あの日、彼のひと言で魔法にかかってしまったのだ。
一人の男の子にちょっと嬉しいことを言われただけで、こんなにも女子って女の子らしく乙女ゴコロが変化するなんて!
彼との恋が始まることを心から願った。私の気持ちを溶かした彼の魔法が解けないうちに、早く。(大島智衣/脚本家、エッセイ・コラムニスト)
(ハウコレ編集部)

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