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今、私たちにちょうどいい"オフラインニット"って?

  • 2017.2.12
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ざっくりしたコットン素材のニットは、柔らかな着心地。クロップド丈とバックスタイルに配されたリボンのあしらいで、女性らしさをひとさじ添えて。アームホールもゆったりとられリラクシングな日の装いに最適。シックながらこまやかな気が利いた、秀逸な一着。
ニット¥86,700・パンツ(参考商品)/エドストロームオフィス(J.W.ANDERSON)ピアス¥120,000/シンゾーンルミネ有楽町店(カドー)

今、私たちにちょうどいい"オフラインニット"って?

ひとたびその服を着れば、すぐに"オフライン"になれる。そんなニットとしてはずせない要素とは何だろう?いくつかのヒントを探るため、服のスペシャリストたちによる座談会を開催

編集H

SPUR本誌やInstagramを担当するエディター。ヴィンテージや古着もこよなく愛する。新しいブランドのチェックに余念がない。

スタイリスト 清水奈緒美さん

本誌をはじめ、雑誌や広告などのスタイリングで活躍中。今の気分が落とし込まれた、シックなコーディネートに定評がある。

ファッションライター 栗山愛以さん

コム デ ギャルソンのPRなどを経てライターに。雑誌、WEB媒体などを中心に活躍。独自のファッションセンスでアクの強い服も難なく着こなす。

――皆さんは、"オフライン"の時間はありますか?

編集H 気の置けない友人と食事をしたり、何げない時間を過ごすときでしょうか。仕事とは違って、解放的なので、締めつけのない服が着たいですよね。でも、だらしなくはならないボーダーラインを意識したい。

清水 飛行機などの移動中を思い浮かべました。純粋に自分のためだけに服を着る家の中とは違って、たとえばコレクション出張の際などは、仕事関係の方ともよく会うんです。ですので私もきれいな色やアクセントを取り入れてそれなりの節度を心がけています。

栗山 家の中では着古したものを選ぶ感じに……。私はオンオフの境界線はあまりないかもしれません。外出時は、ずっとオンの感覚。

編集H 明確な線引きは難しいですよね。だから日頃から、気持ちだけでもオフにしてくれる服が着たい。


――"オフライン"は具体的にどんなニットを着ますか?

清水 化学繊維が苦手で、必然的にカシミア、シルク、コットンなどナチュラルな素材であることが不可欠。撮影や搬入などでハードな仕事柄、私もオフラインな時間を含めて普段からストレスフリーなニットがいいですね。

栗山 私はルックス重視。どんなニットも、まずはデザインありき。直感でビビッとくるかどうかが大切です。

清水 ニットだと意外に鮮やかな色にも挑戦しやすい。たとえば去年購入したセリーヌのカシミアニット(1)もそう。

フロントにはさりげなくブランドのマークが入っていて、バックはオープンな仕様。ビビッドな緑ですが大活躍中です。


――シルエットはいかがでしょうか?

編集H どこかに"ゆるさ"が必要ですね。オーバーサイズは個人的にワードローブのポイントです。今着たいのは、ニットのセットアップ。ジャケットでなくニットの上下という脱力感がいい。ユニフォームライクな装いが気分なのもありますね。

栗山 私も基本的にタイトなものでなく、身体のラインが出ないほどよいフォルムを選びます。このジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソンのニット(2)もタイトすぎない形がいい。


――ほかに"オフライン"の時間に着るニットアイテムは?

編集H 春夏でも、カーディガンは持ち歩きますね。思い返せば中学生からルーズなカーディガンの収集癖が……。羽織りものがないと落ち着かないので多く持っています。慣れ親しんだ野暮ったい感じに包まれるとすぐ"オフライン"な気持ちになれる。

清水 私も持ち歩きますが、実は着ないことも多くて。ライナスの毛布のように、一枚あると精神が安定する(笑)。ジョン スメドレーのメンズのコットンニットをよく鞄に入れておきますね。

栗山 メンズアイテムはいいですよね。私もコム デ ギャルソンのVネックのメンズニットは長年愛用。レディスは比較的コンパクトなので、あえてメンズサイズを選んで着ています。


――では、春夏の"オフライン"なスタイルがあれば教えてください。

清水 シーズンが立ち上がる1、2月はまだ寒いので、暖かくなってきたら今度はアウター代わりに着られそうな、ちょっとしたニットを買いがちです。

編集H 以前購入した、ユニクロとルメールのコラボレーションのロングカーディガン(3)も、まさに春先に羽織りとして重宝しました。

栗山 引き続き、エッジがきいたデザインのニットを購入したい。特にパンキッシュな装飾に目がなくて。フィットしすぎない形も欠かせません。

MY OFF-LINE KNITWEAR

POINT

どこかに"ゆるさ"のあるシルエット心地のよい素材感ははずせないきちんとデザインが施されていること

1 セリーヌのニットは、鮮やかなカラーですが着心地もよく愛用中
清水

2 装飾的なフリルが全面にあしらわれたデザイン性がポイント
栗山

3 冬から春先にかけてアウター代わりに重宝しました!
編集H


SOURCE:SPUR 2017年3月号「オフラインニットで、ゆるみたい」
photography:Kenta Sawada styling:Naomi Shimizu hair & make-up:Yoshikazu Miyamoto〈Perle management〉 model:Sophie illustration:Mariko Enomoto〈Taiko & Associates〉 cooperation:Yatsugatake Kogen Ongakudo

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